【感想】Vシネクスト ビルドNEW WORLD 仮面ライダーグリス

お久しぶりです。水野春です。
ただの感想文です。
Vシネグリスを観てきました。

【ネタバレのない感想】
・祭りじゃん
・ビルドじゃん
・仮面ライダー最高か

以下、ネタバレ容赦しませんので、映画これから見るよーとかDVDで見るよーとかの方はブラウザバックをお勧めします。
※ネタバレしているので見出しはつけません!

【感想①:セオリー通りのシナリオからくる安心感】
全体としては、もうこれが大きいですね。
まず最初、同時上映の「ドルオタ、推しと付き合うってよ」からね。超古典的なネタ。みんなが「知ってた」ってなるやつ。最高じゃないですか。
そういうのでいいんだよ。いや、そういうのがいいんだよ!!!ってなりましたね。
かずみんのドルオタ感。突っ走ってみーたんの衣装作っちゃうところとか最高にキモいなあ(褒めてる)。だからこそ「付き合って」を勘違いしちゃう。そして真実を知り、フラれたと思って(何も始まってないのに)傷心する、愛すべき悲しきオタク。
そして押し流されそうなボートで旅に出て、案の定大丈夫じゃないところまでお約束。「知ってた」ってなるやつ(さすがに泳いで戻ってくるとは思わなかった)。三羽ガラスがこっそり後つけているのとか、一緒に遭難するとか、展開の安心感が半端じゃなかったですね。
そしてそれは本編もそうでした。
全部が全部そうなんで、事細かに書くとそのままシナリオを書くことになるのでやめときますが笑 少しだけ。
物語の要、パーフェクトキングダムの完成に必要なファントムリキッド。抽出のためには、三羽ガラスの命を危機にさらすことになる。戦線で完成したアイテムを受け取った一海は、三羽ガラスの死を悟って悲しみとともに戦うわけです。彼らの命、想いをも背負って。
しかし不自然なまでに直接的な描写がない三羽ガラスの死。劇場に居合わせた観客たちは皆思ったでしょう。「これ、お決まりのやつだ」と。
結末は案の定だったわけですが。
でもそれがいいんだよね。ビルドのファンの多くが求めていたのはこの平和なラストなんじゃないでしょうか。もう悲しみを背負わなくていい大団円。ビルドらしい、お決まりだけど、選ぶには勇気がいる、そんなエモーショナルな展開。さすがです。

【感想②:思わず笑える】
笑えるというのは2つ意味があるんですが。
ひとつは意味通り、思わずクスリとしてしまうような展開がちりばめられていました。
テレビで人気の諸々のエピソード(ホテルとか杖とか)のオマージュなり、戦兎と万丈の相変わらずのやり取り、などなど。テレビ版を観て声を出して笑っていた影響か、映画館内でも笑い声が零れていました。
そしてもうひとつ。①でも話をしたように、とにかく大団円なのです。
こんなん笑顔になるじゃん。そういうところです。
ビルドの皆(仮面ライダーはみんなそうかもしれないですが)は本編中結構つらそうなところが多いから、幸せになってくれると嬉しいですね。ほんとにね。救済がこんなにあるのは珍しいんじゃないですか?そうでもないかな?

【感想③:グリス】
私はグリスが大好きですが、グリスの戦いはあんまり真っ直ぐ見られないんですよね。
変身までは目に焼き付けるように見ているのに、戦い始まったらつい目を反らしてしまう。そういう戦い方をするところも大好きなところなんですがね。
グリスはいつもボロボロで、そのくせ誰かに頼るのもへたくそで。三羽ガラスを筆頭に、誰かが見ていてくれなければひとりでどこかに行ってしまうようなところ。グリスはいつだって守りたいものがある。そのためには平気で自らの命を差し出してしまうような、ボロボロになってまで守ろうとするような、そういうところ。もちろんそういう彼だからこそ、沢山の人が彼についていくんでしょうがね。そういう彼だから、戦い方は全然美しくない(と思う)。何か凄い技がでるとかそういうのではなく、基本的に身一つで立ち向かっていく。美しくない戦い方が美しい、そんな仮面ライダーだなと思います。
今回はそんな彼の魅力、危なっかしいところが、これでもかと描かれたように思っています。さすがVシネ。
印象的なのはグリスブリザードの使い方。あるいは、ビルドに関わる方々がグリスブリザードに持たせた意味ともいうかしら。
一海にとって、グリスブリザードは「死の覚悟」なんだろうな、と今回感じたところです。命を賭しても、という誰にも曲げられない覚悟。目の前でグリスブリザードを再び見た美空の気持ちは、どんなだったんだろう。そう思うと心が苦しくなるし、いっそ美空と同じ気持ちで見ていたのかも、とも思います。
対してパーフェクトキングダムは「絆」をそのまま形にしたものだなあと思うので、一海らしいなあって見ています。だから個人的にはブリザードに変身するのがあまりにつらい。好きだけど。大好きですけど。
危なっかしいグリスの戦いだからこそ、シナリオをお約束だらけにしたのかもしれないなあ、と思ったりもします。それでシナリオもしんどかったらほんとにしんどすぎる(語彙)ので助かった。

【感想④:仮面ライダーであること】
守るものがある、想いを背負っている、それが仮面ライダーだと、グリスが敵に向かって叫ぶ場面があります。
演者さんの話になりますが、自他ともに認める(?)「平成仮面ライダーの申し子」の武田さん。彼が言うセリフとして、完璧だったなと思います。
武田さんが演じたふたりのライダー。紅音也と沢渡一海。思い返したらどちらもボロボロになって戦うじゃないか。自分がボロボロになってでも、背負ったもののために戦る。守るために戦う。それが仮面ライダーだと、武田さんがキャラクターを通して宣言してくれたわけです。
ジオウOQでウォズが「平成ライダーの歴史は芳醇だ」と言いました。芳醇な歴史のなかには、一海が言ったことに必ずしも当てはまらないライダーもいます。それでも、ヒーローたる仮面ライダーとは、そういうものだと、そういうメッセージだと思うし、「その通りだ」と思いましたね。そういうメッセージを描いた映画の興行収入が順調なのは嬉しいな。
ジオウはふたつの時代をまたがる作品なので、純粋に平成最後のライダーはビルドと言えましょう。平成最後の作品から生まれたライダーの映画で、「仮面ライダーとはなんたるか」を語ってくれる。美しすぎるじゃないですか。

【感想⑤:祭り】
結局、この映画は一海の台詞、「これが最後の祭りだ!」に尽きると思います。
テレビ版キャストそろい踏み。グリスのVシネだけど、他のライダーも遠慮なく変身するし、最強形態総当たりはやっぱ夢がありますね。紗羽さん、美空、首相、そして葛城巧とそのお父さん。紛れもなくビルドの「最後の祭り」にふさわしいキャスト陣でしたね。
そして繰り返しになりますが、みんな幸せになるのが本当に良かった。葛城親子は仲直りし、紗羽さんと玄徳はホテルで朝まで語り明かし、内海さんは折れない杖の丈夫さに喜んでいるし、そんな幸せな皆を見ていたら戦兎はくしゃっと笑うだろうし、そんな戦兎やみんなを見て万丈も笑うでしょう。そして何よりドルオタが推しと付き合う。これね。上映終了後、どこからか「副題じゃん」って呟いた人がいました。仰る通り。展開としてはお約束だけど、散々ネタにしておいてそうくるかって思いましたね。一本取られたわ。最高かよ。祭りとしてふさわしい映画だなと思いました。

ということで長々と書きましたが、ここまできたら興行収入億乗ってほしいですね。もう一回くらい観に行けるかしら。
上映期間内に行けずとも、円盤買っていつでも見返せるようにしておきたい、そんな作品だったなと思います。
グリス最高、ビルド最高、仮面ライダー最高!

いただいたサポートは活動費(note、歌、ダンス)に使わせていただきます。