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ジャズを配列で楽しむ

昔からライブに行った時、ステージ上のミュージシャンの配列編隊にワクワクする変なクセがありました。配列編隊とは「キーボードは後左なんだー」「ベースはドラムとキーボードの間なんだー」という感じ、そのライブでのミュージシャンの立ち位置、並び方です。会場に入ったらまずステージを見て楽器のセッティングから配列編隊を確認するのが楽しみでした。
ライブ映像をテレビやビデオで観ることができるようなると、知らないバンドの配列編隊も見られるようになりうれしかったのを記憶しています。

好きだった配列編隊(ミュージシャンの並び方)は
例えば

バックを勤めている高橋幸宏さん、坂本龍一さんというYMOを中心としたミュージシャンが矢野顕子さんの後ろで一列に並んでいます。それぞれ冷静に弾いているのが一列に並んでいることでよりクール感が増しゾクっとさせてくれます。

ドラマーが2人いるJames Brownバンドの編隊配列にも「おおー!」と思ってました。James Brownの後にドラムが2つならんでいる、ベーシストを中心に対称でドラムとギタリストがならんでいるのが「さすが帝王ー、配列編隊も唯一無二だ」と思ってお気に入り配列にしていました。

そして、ジャズに出会ってからは配列編隊をより楽しめるようになります。アンプで大きな音を出さず、お互い生音を聴く可能性が高いジャズは人それぞれ気持ちよくメンバーの音を聴くができるように人と楽器が配列されるので、ロックなどより演奏者のこだわりが配列に出やすいのです。

まず、ジャズ全盛期年代から今現在までおそらくピアノトリオの基本配列

ダブルベースを真ん中に、その両側にピアノとドラム

有名な、Bill Evans 60年70年のトリオ


現行ジャズピアノトリオの代表格 GoGo Penguin

この配列は、背の高いベースを中心に、座って演奏するので背が低くなるピアノとドラムが対称に配置されるのが大変おさまりがよくすばらしいデザイン性です。GoGo Penguinの配列は、自分以外の2人が視界に入る角度に楽器を置くことで鋭く鋭角的なリズムの即興演奏を作りだしている、なんて考えて見ているとかなり快感です。

ジャズの即興性について、こんな言葉がありました

楽譜もないセッションに見る演奏者のそれぞれの笑顔には、相手がどう出るか伺いないがら、相手がその期待を超えてくる即興で思わず笑みが出るという人生の真髄が隠されている。
人生というJAZZ即興という真髄 より

瞬間瞬間の音とリズムに反応して音楽を作っていくため、耳と目に一番いいように音がはいってくるようにするジャズの配列は、演奏者、グループ、場所で個性がちがって楽しみがいがあります。

ピアノトリオの配列をもうひとつ
大西順子さんのトリオです。

さっきのピアノトリオの基本配列で、ピアノとドラムの位置を入れ替えた形です。それだけではなく、ピアノの配置が特異で観客はピアニスト大西さんの弾く姿を斜め後ろから見る形。ベーシストとドラマーは大西さんを横から見ていて、ピアノに向かっている時大西さんにはドラマーは視界には入らずドラムのビートを斜め後ろから捉えてます。これは、メンバー3人、特に大西さんのメンバーに対する信頼と自信を強く感じられる配列編隊で素晴らしい。

すみませんずーっと頭にあった「配列が好き」を書いてみたのですが、ここまできて、いつにもましてうまく伝えられなかったように思ってしまっていますので今回はこのあたりで。
次は、もっとわかっていただけるよう、また「いい配列」を見つけておくようにします。もしも「配列」に気持ちがざわざわした人がいらっしゃいましたら「仲間がいたー」ということでうれしい限りです。





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