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ジャズはいがいとやわらかいものです

昨年より20年振りくらいにジャズの時間を増やしています、増えているのは”聴く時間”と”読む時間”。先日も昔(80年代くらい)のジャズ本を読んでいたところ入ってきたのが広告、ジャズ喫茶の広告がカッコよかったのです。
これがそれ

今も新宿にある老舗ジャズ喫茶DUGの1980年の広告、掲載されているのはジャズ批評という本です。

これまでは、アーティストやアルバムのことを気にしているからか、こういう広告があったのに気づきませんでした。
オシャレ過ぎず、かっこよ過ぎず、やわらかい感じ。
一見ジャズらしくないのになんかジャズっぽい。
”IVY”とか”TRAD”とか”モダン”という言葉があっても「ジャズはむずかしい」という印象が少なくていい。
”起き上がってきた”とあるように、「60年代、70年代のジャズ喫茶の楽しみ方からアップデートされてますよ」を伝えていたのかな~と推察。
この広告はシリーズになっていて、毎号毎号(ジャズ批評は季刊、隔月刊)違う内容だったこともわかり、持っているジャズ批評をチェックしてみるとどれもゆるく楽しい感じでした。

これなんかかなり軽い感じ

個人的にいちばんすきだったのはコレ

力がぬけててあじわいぶかい。
カタいイメージのジャズが、ほどよいカタさがありつつユーモラスにデザインされいて「ジャズをこう楽しんでよかったんだ」と思わせてもらえるところがうれしかったです。

「どんな人がつくってたんだろう?」と思い調べてみると

矢吹申彦さんという方の仕事でした。
デザイン、イラスト界では有名な方のようで、名前で検索すると

今は”巨匠”と言われる方が作られていたとは、さすがジャズ。

以前、「ダサくないのに…。ジャズとデザイン」 という記事で、
ジャズのアルバムジャケットアートワークなどを挙げて
「昔からジャズはデザインに長けている」と書きました。
アルバムジャケットなどから語られるジャズのデザイン性は違ったラインでのデザイン性が今回見つけたDUGの広告にもある、やっぱりジャズとデザインはいい関係だな、と再確認。

ちなみにジャズ喫茶DUGの最近の広告はこんな感じで

毎回違うイラストデザインではなくなっているようです。

広告は変わってしまいましたが、80年頃、一連のDUGの広告が伝えていたジャズのやわらかさは今もかわらない、と僕は思います。だって、今もDUGなどその当時のジャズ喫茶、ジャズクラブが今も続いていて、ジャズが語られる時にはずせないアイコンとなっている現状だからです。
「ジャズはむずかしい」を「日本のジャズは思っているよりやわらかい」に代えていきましょう。まずは聴かなくてもいいので、新宿DUGに行ってみたら、楽しみが拡がるかも。






これを見たことで、こんないい感じの広告があったんだったら…と広告をいろいろ見ました。いろいろひっぱりだして見てみると2000年以降のジャズ雑誌には広告が少なかったのですが、80年代より前はそれぞれの店がそれぞれバラバラのテイストなのに、量が多いのもあってか”ジャズ喫茶文化”という存在感の強さを感じました(普通の喫茶店とも居酒屋ともちがいます感)

個性ゆたかじゃないですか。でも、10個中5個がトランペットのイラストを使っていいたり、「MODERN JAZZ」という言葉も8つで使われていたりして”キモチはいっしょのなかま”感がある。

なんかここに日本のジャズがあるような気が。
アメリカジャズの”大きさ”、ヨーロッパジャズの”はりつめた”感とはちがう日本らしさが

”ジャズにあこがれてます”感が。





見てみて思ったが「そうそう、こういう感じだったー」


以前、「ダサくないのに…。ジャズとデザイン」 こういう記事を書きました。

中身が良いのに伝えきれてないデザインはとてももったいない。

というツイートから、
「昔からジャズはデザインに長けている」と書いたのですが、
今回は、デザインからジャズの楽しみ方は広がるのでは、という話です。


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