選ばれ選ぶこと

noteを始めたときは、出来るだけ毎日更新でなんて思っていたのに、一週間も時間が空いてしまった。その間私は就活のために東京と高知を行き来し、やっと高知へ戻ってきたかと思うと謎の体調不良におそわれ3日間寝込んでいた。

無事この度内々定をもらうことができた。第一志望に考えていた所からは面接の翌日に、そしてもう1社本日選考通過の連絡が来た。

私の人生は劣等感がつきものだった。勉強はそれなりに得意な方だったけれど、まわりを見渡せば私よりもずっと器用に明るく綺麗な女の子たちが優秀な成績を上げていたから。そのたびに私はなにもない人間なんじゃないかって、ずっと不安だった。

何よりも私の人生は一度でうまくいったことがない。試験でもなんでも一度失敗してからもう一度挑戦する、そしてやっと成功を掴むというトライアンドエラーの繰り返し。そんな私の元へあっさりとまでは言わないけれど、一度に2社の内定通知が来て驚いてしまった。

面接でよく聞かれたのは「あなたは何を軸に就活をしていますか?」だ。企業理念、経営、今後の展望……様々な言葉が浮かんだけれど、口当たりの良い言葉は上手く出ずに、私は率直に稚拙な想いをぶつけたのだった。

今回の就活で学んだことがある。選考フローなんて言葉があるけれど、実際は学生側もきちんと企業を選ばないといけないということ。あまりにも当たり前すぎると思われるかもしれないが、実際に活動を通して選考は学生側も、企業側も大きなコストがかかっている。いろんな考え方があって然りだと思うけれど、少なくとも私はむやみやたらに興味のない企業の選考へ進みすぎるのもどうかと感じた。

業界にもよるのだろうけれど、今回私が内定をいただいた2社は両方とも人事が素晴らしかった。正直に迷っている旨をお伝えしたら、両社ともしっかりと話しをきいてくれたからだ。特に人事という仕事は難しい。より良い学生を選ばなければいけない反面、ミスマッチを起こしたら企業側も学生側も地獄を見る。最も傾聴力の試される世界なのではないかと、ぼんやり考えた。

それでも選ばれる立場だった私は今回、選ぶ立場へと反転した。もともと頼まれ事を断れない性格もあってか、なかなか内定辞退というのは気が進まない。まるで恋愛のようだ。ふたりの男性からアプローチを頂いて、どちらも素敵な人だけれど、おつきあいできるのはひとりだけ、というような。実際そんな経験は今のところないのだけれど。(泣)

就活は多くの人にとって学生生活の中でかなりストレスの大きいイベントだと思う。人より長く学生をしている分、私は社会に対応できるのかなんて不安だらけだったけれど、案ずるより産むが易し、無料(交通費以外は)で多くの企業の意見に触れ、多くの社会人と交流できる就活の機会は新鮮で一つの勉強になった。

生きていく上で選ばれる苦しみは当然味わうものの、選ぶ苦しみを味わうのはなかなか経験できなかった。酸いも甘いも噛分けたおとなになれるよう精進していきたい。


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