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誰にも内緒の幸せ



海へ行った。

ずっと行きたかったビーチカフェ。
その存在を知ってからもう何年も思い焦がれていた。

なかなか行けなかったのは、
誰と行けば楽しいのか、わからなかったから。
落ちていた数年の間に、一人行動が主になっていたから。

それでも今年はどうしても行きたかった。
外出もままならない今だけど、
このモヤモヤを来年までは引っ張りたくなかった。

そこに行くのには自分の中でそこそこ勇気がいることだった。
でも、夏の間に、自分の小さな願いを叶えてあげたかった。

用事があって、夏期休暇を一日取った。
午前中に事を済ませて、それから少し人と会って、
お昼過ぎに家を出た。

片道一時間半のお一人ドライブ。

懐かしい曲を流し、ドキドキしながら向かう。
別に悪いことをしているわけでもないのに、
なんとなく、誰にも言わずに来た。

帰り道の渋滞を考えると、
そこにいられるのは30分くらいだろうか。

そんなことを考えながら、駐車場から7分程歩く。

着いた。
念願だった海、そして海の家、ではなく、ビーチカフェ。

夏休みが終わった平日の海はとても空いていて、
一人時間には最適だった。

数店舗並ぶカフェの前をゆっくり歩き、
砂浜まで出て、少しだけ足を波につけて、
またゆっくりとカフェへ。

飲み物を買って、白いパラソルの下でひとやすみ。

マンゴーの実がゴロゴロと入ったジュースを飲みながら
久しぶりに心がスカーっとした。

すごい!一人で来られたじゃん!
誰にも邪魔されず、自分のペースで
やりたいこと、叶えられたじゃん!

汗が流れるほどの暑さだったけれど、
なんだかとても爽やかな気分だった。


たった30分ほどの時間。
その為だけに往復3時間弱の道のりは
なかなか長かったけれど、
とてもとても満足した。

この夏どうしてもやりたかったこと。
誰にも内緒の幸せな時間。

幸せは自分で作れる。
なんだか少し自信がついた一日だった。

また、次なる目標を探そう。
一つずつ叶えていこう。
嫌いな自分ばかりを責めず、
少しずつ自分のことをスキになろう。

なんとも言葉に出来ない幸福感に包まれながら、
wishしすぎないlistに一つ丸をつけた。

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