30歳独身女、舌ピアスを開ける⑤

さて、いよいよピアッシング編である。2月某日に舌ピアスを開けることとなった。開ける日にちは力技で希望休をもぎ取った3連休の最初の日である。

舌ピアスをこれから開けてみたい人にお伝えしたいのは「何がなんでも開けた後最低2日は休め」ということのみである。理由はこれからのブログで書くので割愛する。

また、これは私の医療職としてのカンだが「セルフとピアススタジオはやめておこう」と思った。私は耳たぶはピアッサーでセルフで開けたが、それは比較的痛みの感覚が弱く太い血管も通っていない部分だったからである。

舌は違う。筋肉や神経が密集した部位だ。飲食という生命維持に直結した非常に大事な場所だ。そんなところを某アスカノのゆあてゃのように麻酔せずミシン針でブツッといく度胸はない...食べるの大好きだもん...

ピアススタジオはその道のプロの方が営業されているけど医療施設じゃないから麻酔がないのよね。

最初は都内の病院とピアススタジオが提携している施設で開けようと思っていたが、このコロナ禍でまん防の最中、遠出はやめておきたい。あとね、単純に高いのよ料金が...30,000とかそれくらい...正直穴ぼこ開けるだけで30,000円はしんどい...

というわけで県内にいい病院はないか、と調べてみると電車で30分くらいの場所に10,000円ポッキリでファーストピアス込みで開けてくれる美容外科が見つかった。また、この病院にした理由は料金以外にもtiktokでピアッシングの動画を詳しく出してくれていて「施術に慣れている」こともポイントだった。

さて、期待と不安でドキドキな中電車に乗り、美容外科に到着。受付で一言「あの...16時に予約したクリーミィです...」と名乗った。

受付の看護師さんから「はい、今回は舌ピアスでいいですか?」と確認をされ、保険証を渡し問診票と同意書をいただいた。なんだか「舌ピアス開けるんですね?」と改めて言われるのは恥ずかしい...もっとやることあんだろ三十路なんだから...美容点滴とか...ハイフとか...

恥ずかしさで悶々としながら問診票と同意書を書き終え、受付に渡し、10分ほどで私の診察の番になった。

診察室に行くと、処置台と無影灯、イソジンや滅菌鋏などがありいかにも「手術します!」という雰囲気を醸し出していた。正直仕事で見慣れているので恐怖心はそこまで無かったが、「ああ、開けにきてしまったんだな」という実感が湧いた。たかだか数ミリの穴ぼこに諭吉1人犠牲にしてしまったという少しの後悔も。

看護師さんが100均とか無印に売ってる透明プラスチックの仕切りあるケースを持ってきて、名前の確認とともにファーストピアスを選んでくれる。ケースの中にはさまざまなサイズのピアスキャッチやバーベルがたくさん入っていた。

「えっと〜、舌だと14Gの19mmですね〜...結構長いんだよね〜」とシンプルなボール付きのステンレスのピアスを見せてくれた。たしかにデカい...こんなんベロに刺すの私馬鹿じゃない...?と見ていてポカーンとしてしまった。

そうして5分くらいすると院長が登場。

「はい、舌のピアスだね、ど真ん中でいい?」

「真ん中でいいです〜」

院長がペンで舌をマーキングして、開ける位置を決める。最初自分でやるのかと思っていたが、医師のおすすめ部位をまず選択してくれるようだ。

「ここはどうかな?もう少し前にも奥にもできるよ」

個人的にはここでこだわってしまうとキリが無いと思う。神経や血管に精通した人体のプロフェッショナルがおすすめするんだからもう迷わず医師のおすすめ部位にすることにした。(プライドゼロ)

「あ、そこがいいと思います、お願いします!」

そう言って施術が始まった。まずは麻酔をかけられる。

舌にかなり細い針で局所麻酔が打たれていく。4箇所くらい...あの、歯医者とかでも思うけど麻酔した方がいいのは間違いないけどやっぱ痛いよね。声が出たもの「ひはい〜(痛い〜)」って...

麻酔が終わると若干舌から血が出るので止血綿を噛んで10分弱放置される。ジワジワ麻酔が効いてくる、なんとなく舌が痺れているような暖かいような感覚になりボーッとしていると院長が戻ってきて施術再開。

指で舌を出してもらって「はい、じゃあ入れてくよー」と穿刺される。使っていたのはサーフロー針、病院で使われる点滴を入れるため中が空洞になっているプラスチック製の針だった。サーフローの詳しい構造はググってみてください。

麻酔が効いていたので全く痛くなく舌が裏から押されたと思ったらもう刺さっていた。プラスチック製のしなる針が貫通し鼻先に当たっているのが見てわかる。内心「ひえええーやっちまったぁぁぁ」である。やっぱり怖いもんだ。

そして先生が空洞部分にピアスのバーベルを通し、針を抜き、キャッチをつけて完成した。

施術自体は麻酔を省けば5分もかからなかったと思う。あっけなく終わった。

その後うがいをして受付で会計し抗生物質の飲み薬(セフェム系だったと思う)を渡されて終了した。

駅のトイレの鏡を見て確認したけど麻酔で感覚がないのもあって何が何だかわからない。え?本当に入ってんの?という感じ。

しかし、やはり舌にグサっとやっただけある。電車で帰って最寄駅に着く頃には麻酔が切れてきてジンジンと痛み出してきていた。痛いが耐えられないこともない、転んで擦りむいたり打撲した程度だ。一応家に帰っていつも生理や頭痛の時に使う痛み止めを飲めば治った。

「このあと腫れるって言うけど、開けた直後でこのくらいの痛みなら大丈夫じゃん」そう思っていた。

ノリノリで自撮りまでかましていた。

しかし、ここから1週間ほど、予習して予想していたが予想よりしんどい日々がつづくのを私はまだ知らなかった...

次回からの記事で舌ピアスは開けてからが大変だということをお伝えしようと思います。





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