オッペンハイマー感想

オッペンハイマーを見た感想

こんにちは。

先日オッペンハイマーを観まして、軽くメモ的な感じで作品に対する感想を書いてみようかなと思います。

①説明的でなく複雑である故のリアリティ

オッペンハイマー本編は、説明的な文章や描写がほぼない上に、時系列も複雑で、人によっては分かりにくさを感じるのではと思いました。

ただそれが本当にリアルで、映画を観ている…というよりも、オッペンハイマーの記憶をスクリーンを通して共有されているようでした。

人は自分の記憶を辿るときに正確に全てを思い出すことができず、時系列や出来事が交差し自分の脳と感情がバグを起こすことがあります。

過去には説明的でない上に妙に矛盾が多く、でもハッキリとした感情の動きだけがそこにあるのは私も会場にいた全ての人もきっと同じだったはずです。

自分では理解できる、でも他人からは理解されない、あまりにも人間らしくて少し胃が痛いですね。

② 監督に憑依するオッペンハイマーの記憶

〝オッペンハイマーの記憶を共有されているようだった〟の感想に基づいて、私が最も驚いたのは、自身の過去、ジレンマに苦しむオッペンハイマーの描写です。

画面上には記憶が淡々とリプレイされる描写、
そして脳がぐわんぐわん…と音を立てて悪夢に掻き乱されているような音、色、抽象的な表現でありながら、恐ろしい程にリアルでした。

人が潜在的に抱えている恐怖が、そのまま映像化されているようでした。

処理し切れない記憶と感情が、体と脳の全ての神経を貫いてオッペンハイマーのエネルギーを吸い取ってゆく様子は、AIではまだ理解することの出来ない複雑で人間的すぎるもので、

人が追い込まれている姿を映像にするとしたら、これがまたひとつのリアルな表現なのだろうと感じました。

まるでクリストファーノーラン監督の肉体と脳を奪って、オッペンハイマーが自分の記憶を映し出しているような奇妙な感覚に襲われました。

③正義とは 悪とは

いつの時代も悪の根源は洗脳的な正義なのかもしれません。

元々オッペンハイマー達の心にあった〝絶対的正義〟が、多くの人とっての強烈な〝凶悪〟と化していたことが事実であるように、
この作品を通して、私が自分に問いたいのは「私の心の中にある絶対的正義は何か」です。

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メモ的な感じでホントにゆるりと書いてしまったので、具体的な内容や本編のストーリーには細かく触れずに完結となります…が、

解釈や捉え方も違えば、この物語に対して許せないと思う人も当然いるわけで、「どうでもよかった」という感想を抱く人はきっといないかなと思います。

なにより役者達の芝居も鳥肌が立って、本当に凄かった。…というここらへんで終わります。ドロン!

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