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平野啓一郎 日蝕(新潮文庫)を読んで

今回もネタバレ回避の味覚や嗅覚で作品の魅力を伝える、抽象的感覚派読書感想文を書いてまいります。
作品は平野啓一郎さんの「日蝕」です。

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おおまかなあらすじは、15世紀フランスにて、旅をする学僧は司祭の勧めから、とある村に住む錬金術師を訪ねる。村民から冷たいで見られる錬金術師が洞窟の中である秘密を隠しており、その秘密がとある奇跡を生み出す物語。

正直、内容は私には難しいと思うところが要所要所にあるものの、文章を味わうものと思えば、そこまで苦労せずにページをめくることができました。楽しみ方としては、全く別物ではありますが、泉鏡花の作品のように読めば良いと思いました。

この作品を喩えるならば、複雑で強烈な「神様の足の臭い」と表現される臭いを持つエポワスのチーズのような作品かと思います。
初めはあまりの臭いに圧倒されるものの、濃厚なクリーミーな味わいと丁度良い仄かな甘味が、作品の題材や文章のとっつきにくさがありつつも、内容の特にラストの幻想性と同質だと感じました。

これで今回の読書感想文を終えます。
しばらくエンタメ小説を読み続けて、少し読みにくく癖のある作品が読みたいと思った人に、特にオススメだと思います。

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いつものように私の作品も宣伝させていただきます。
私も唯美主義的な作品を現代で読まれるために試行錯誤を繰り返させていただいているので、ぜひご一読ください。

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