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安部公房 飢餓同盟(新潮文庫)を読んで

今回もネタバレなしの味覚嗅覚で訴える、抽象的感覚派読書感想文を書いてまいります。作品は安部公房の「飢餓同盟」です。

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大まかなあらすじは、戦後の日本の小さな田舎町にて、よそ者として疎外された者がキャラメル工場の主任の花井を中心に革命を起こそうと「飢餓同盟」を結成するが……、といったもの。

久々の安部公房の作品で独特な比喩や、登場人物のキャラクターにハマり一気に最後まで読み終えました。
ただ、読書慣れしていない方には癖のある作品で分かりにくい場面も多いので、あまりおすすめはできないかなと思います。

この作品は例えるならば、サバやイワシ、サンマなどの青魚をごちゃ混ぜにしてライチなどの柑橘で〆たような逸品です。

最初は魚の臭みが好みを分けるのですが、柑橘がの爽やかさが口の中で臭みを中和してくれるような、
ひと噛み目は取っ付き難いが最後は美味に変わるそんな作品です。

そこに、安部公房の味を連想させるような極度に味の良い白銀のミョウガが刻まれてアクセントを加えています。

これで今回の読書感想文を終えます。
読書好きな方には、ぜひおすすめできる作品です。
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