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アート・カルチャー

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アート・カルチャー記事 をまとめたもの
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記事一覧

[OldCityBoy的「アート」鑑賞] 絵画に演出を初めて持ち込んだ"ジョット"の偉大さ

"ジョット"ですが、「西洋絵画の父」ともいわれている偉大な画家のことです。 が、何が凄いのか分かりやすく説明されたものをみたことが無いので、自身がそれを試みますね。 自身は"ジョット"のことを、絵画に演出を初めて持ち込んだ人、の認識しています。よって絵と言うものは、ジョット以前・以後に明確に分かれるのです。 具体的に、ジョットの時代の絵画といえば宗教画ですが、ジョット以前では、極端なことを言うと"単にヒトを描いただけ"の絵なのです。 が、ジョットはそこに演出を持ち込み

[OldCityBoy的「アート」鑑賞] 美術・工芸品でもある日本刀の鑑賞方法

美術館で日本刀が展示されているのをよく見かけますが、 「綺麗なのは分かるけど、どうやって鑑賞すればいいの?」 な声をよく聞くので、自分の鑑賞方法を ・刀身 ・鍔 ・鞘 の3つに分けて紹介しますね。 まずは、刀身です。 "反り"とか"刃文"が見どころ、と良く解説されますが、いまいちピンと来られない方が多いと思います。 自身としては、 これって全部手作業でやっているんです! の背景説明があった方が、より分かりやすく鑑賞できると思っています。 というのも、今だと工業製品による

[OldCityBoy的「カルチャー」考察] "サザエさん"の原作って、結構毒が強い社会風刺漫画だったって、ご存知でした?

日本を代表するアニメといえば"サザエさん"です。 自身の子供たちも毎週日曜日は"サザエさん"を見て笑ってますが、あのアニメって原作があることを知っている若い人はもはやいないのでは…。 原作はもちろん漫画なのですが、その漫画がまとめて読める場所なんてもはや無いと思っていましたが、ありました、長谷川町子美術館です。 「何故"サザエさん美術館"ではないの?」と思っていたのですが、もともと漫画で得た収益で集めた美術品・工芸品を展示する美術館としてスタートしたようで、強い要望があ

[OldCityBoy的「カルチャー」考察] シェイクスピアの演出は、生半可な覚悟ですべきものでない

いつも演劇を一緒に見させていただいている会社の先輩(元役者さん)より、今年はド直球のシェイクスピアを観たい気分、と言われて、確かに野田Mapの"Q"以降、ド直球のシェイクスピアは観てないので、それはいい!、ということで"リア王"を観てきました。 "リア王"といったら、シェイクスピアの四大悲劇で、映画で言うと、黒澤明の"乱"であり、ポスターの雰囲気から、それはそれは重厚な悲劇になるに違いない、と大いに期待しての鑑賞です。 * ここからネタバレ・辛口です。 * 結論、期待し

[OldCityBoy的「アート」鑑賞] 雛人形って、本当に女の子は喜ぶんでしたっけ? 実は、購入する大人を喜ばせるためじゃない?

静嘉堂文庫美術館の"岩﨑家のお雛さま"展に行ってきました。 目的は、"曜変天目茶碗!"、と言いたいところですが、実は野々村仁清のツボです。"曜変天目茶碗"は学生時代に、曜変天目をめぐる旅、を敢行しており、実はかなりコンプリートしています。よって、それほど新鮮味はなく、それより野々村仁清の"黒"は見たことがないので、それが目的でした。 野々村仁清自体はまたどこかで語るとして、今回は、展覧会の主旨である"雛人形"に関してです。 というか、"雛人形"というか日本人形って、なん

[OldCityBoy的「アート」鑑賞] "考える像"、を考える

"考える像"で有名なのが、ロダンの"考える人"です。 が、実際、これは考えているのではなく、生命の誕生を上から見下ろしながら物思いにふける創造主ってご存知でした? 詳しくは下の記事で記載したので、読んでいただけると嬉しいです。 ということで、"考える像"の実は…、は考えるのはとても面白いのですが、実は"考える像"は東洋では仏像の表現にて非常にポピュラーな形で、皆様も半跏思惟像なるものを見たことありませんか? この半跏思惟像、人々を救済する方法を考え思索にふける様子を表

[OldCityBoy的「カルチャー」考察] "呪術廻戦"における術式・結界は、作者の芥見下々さんにとっての何なのか

以前作品そのものの考察を行いましたが、今回は、作者の内面に焦点を当ててみたいと思います。作品から得られるヒントや要素を通じて、作者の心情や考え方を探ってみましょう。 作者の芥見下々さんですが、Wikiによると岩手県出身とのことですが、出身地は恐ろしく田舎だと思われます。 なぜそう思うかと言うと、"渋谷事変"にて釘崎野薔薇の回想エピソードを描けるからです。あのエピソード、ド田舎出身じゃないと描けません。自身もド田舎出身なので、あのストーリーは非常に身に染みるのですが、田舎独

[OldCityBoy的「カルチャー」考察] 村上春樹的、女という生き物が分からねー!、でも無いと生きられねー!!!、の男の絶叫漫画、な"おやすみプンプン"

エヴァを見たことがない世代(20代)に、 自身の覚醒コンテンツ的漫画は何? と聞いたところ、 おやすみプンプン って答えが返ってきて、気になって、ちょっと読んでみました。 結論、エヴァの系譜を持つ、村上春樹な、 女という生き物が分からねー!、でも無いと生きられねー!!!、 な男の絶叫漫画でした。 この漫画は表現で新しい挑戦があり、圧倒的な絵の力があるのに、主人公をモブキャラにして、読者に脳内補間させるという試みをしています。その意味では小説と漫画の間を狙ってて、教養がある

[OldCityBoy的「カルチャー」考察] 美容の本質は、紫外線対策、保湿、そして、ほんの少し身体に生命の危険を与えること

加齢とともに美容に興味を持ち始め、色々試していると、褒められることが妙に多くなり、社内の女性と美容トークをしていると、自身の考え方が、"男性目線で面白い!"、とのことで、せっかくなのでここでも記載しておきますね。 男性目線、というかゴリゴリ理系目線から美容を語ると、 美容における老化とは、肌の保水量が減ることであり、その原因は紫外線である。ならば、美容はその逆をすればよく、紫外線を防ぎ、保湿をすればよい。 となります。 ここでポイントなのは、 美容品の質(金額)ではなく、

[OldCityBoy的「アート」鑑賞] 胸いっぱいの"井戸茶碗"を、そしてうちにある井戸たちなうつわたち

井戸茶碗がいっぱい展示されていそうだったので、根津美術館の"魅惑の朝鮮陶磁・謎解き奥高麗茶碗"展に行ってきました。 正確に言うと井戸茶碗を模した奥高麗茶碗(唐津)ですが、あるわ・あるわで、"四方を井戸(っぽい)茶碗で囲まれる"という夢にまでみた体験が実現したため、そして今回は見たことがなかった"皮鯨手"なるものの展示もあり、脳汁があふれ出し、展示室をぐるぐる・ぐるぐる回りながら、至福の時間を過ごせました!(茶器を鑑賞するときは、展示物の前でしゃがんで正面から食い入るように鑑

[OldCityBoy的「アート」鑑賞] 美術をお洒落に演出する東京ステーションギャラリーのうまさ

"みちのく いとしい仏たち"展に行ってきました。 が、今回考察するのは、この展来会ではなく、 東京ステーションギャラリーの演出のうまさ、 に関してです。 この美術館、キュレーション(展示の演出)、が、お洒落で・とても今っぽく・うまいんですよ! 例えば、この展覧会で展示されているのは"木喰"という仏像で、一般的な美術館は"木喰展!"とするはずなんですよね~。 が、東京ステーションギャラリーは異なる演出をするのです。 何が一般的な美術館と違うかというとと、下記になります

[OldCityBoy的「カルチャー」考察] 王道に向き合う、そして"幽遊白書"からバトンを受け取った"呪術廻戦" #2

前回は本題に全く行けず、画風の考察だけになってしまったのですが、今回こそ、表題にある"王道"と"幽遊白書からのバトン"に関してです。 まずは"王道"に関してです。 前回、"呪術廻戦"は、 型は"NARUTO"を世襲・絵は"幽遊白書"を意識、 と書き、"幽遊白書"の観点から書きましたが、 "NARUTO"はもっと直接的でパクリと言われても仕方がないです… でも、そんなの気にしなくていいんです! そもそも、パクっていること自体は作者が一番自覚してるはずで、でも、王道を描く

[OldCityBoy的「カルチャー」考察] 王道に向き合う、そして"幽遊白書"からバトンを受け取った"呪術廻戦" #1

今更~、ですが"呪術廻戦"を読んでみました。 初めは、 型は"NARUTO"を世襲・絵は"幽遊白書"を意識、で40代が読むには新規性は薄いかな… な冷めた印象でしたが、"過去編"あたりから、 40代にもサービス・サービス(非常に楽しめるという意味)な漫画じゃん!!! に変わりました。 ちなみに、"幽遊白書"と言っても分からない方が増えている気がするのですが、"HUNTER x HUNTER"と同じ作者で、90年代初めの少年ジャンプ王道漫画です。どのくらい凄かったかと言うと

[OldCityBoy的「カルチャー」考察] "日本語"なる言語を改めて学ぶ

映画・アート・カルチャー・ファッションと理系らしからぬ記事ばかり書いていますが、本当はエンジニアなゴリゴリ理系です。 どのくらいゴリゴリかと言うと、 仕事で携わる分野の専門書・技術書は趣味的に読み漁り、開発で起きた事象に関して疑問に思ったならば、論理的に説明できるよう読み漁った書物での知識によるシミュレーションを繰り返し、結果、事象を数式で説明できたならば、それが何よりも至福な時、 な人種と言えばなんとなく分かりますかね… そんなゴリゴリ理系ですが、最近は年齢的に、個別の