Kakugawa

弁護士(72期・大阪弁護士会→第一東京弁護士会) 弁護士法人淀屋橋・山上合同/Priv…

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弁護士(72期・大阪弁護士会→第一東京弁護士会) 弁護士法人淀屋橋・山上合同/Priv Tech株式会社

最近の記事

取締役による飲食費等の経費の不正支出と会社に対する責任(&行動経済学)

取締役は、会社に対して善管注意義務(会社法330条、民法644条)、忠実義務(会社法355条)を負っている。 特に中小企業において、取締役が飲食代等私的に費消したとも思しき費用を会社の経費に計上することがよく見受けられる。 かかる経費計上については、少数株主から提訴請求ないし代表訴訟が提起される形で、その適法性が問われることがある。 どこまでが必要な経費でどこからが個人的な支出と認定されるのかは、一言でいえば事案によりけりであり何ともいえないが、裁判例をひとつ紹介し、最後

    • 採用活動における「裏アカ」調査

      採用活動に当たって、採用候補者の裏アカ調査を行う企業が増えている。 法的な問題点を考えてみることにした。 採用活動において用いられる裏アカ調査コロナの影響で企業が採用候補者と直接対面する形で採用活動を行うことが難しくなったことが影響しているのか、採用活動に当たり、自社で又は調査会社に委託して採用候補者のSNS上での言動を調査・分析する企業が増えている。当職の知る限り、かなりの大企業も、採用候補者が知らないうちにやっている印象がある(人事部は法務チェックを通さずに色々やりがち

      • 外部送信規律/Ghosteryで外部送信先を調査してみる

        はじめに周知のとおり、今年(2023年)6月16日に改正電気通信事業法が施行され、外部送信規律という制度が設けられました。 Cookieなどタグや情報収集モジュールを使って、利用者に関する情報を外部に送信する場合に、利用者が確認できるようにする規律です。 改正法は既に施行されていますが、外部送信規律が適用されそうなサービスを提供している企業のホームページを見るとまだ対応していない企業があったり、企業の方から「なんやそれ」と言われることがあったりします。 外部送信規律(前提

        • Priv Techに参画します

          この度、弁護士法人淀屋橋・山上合同からの出向という形態で、プライバシーテックを主要事業とするPriv Tech株式会社に参画しました(通常の弁護士業務も行っています)。 かなり長文になってしまいますが、参画に当たって、私が法律事務所の就活を始めてから今までの経過について残しておこうと思い、noteに記載させていただくことにしました。 noteに記事を書くのは初めてで少し緊張しています。 0.記事の目的法律事務所への入所(2020年1月)からPriv Techに参画するまでの

        取締役による飲食費等の経費の不正支出と会社に対する責任(&行動経済学)