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手紙

居なくなってからもう2年。
段々とその輪郭も声も思い出も擦れて霞んでゆく。
貴方と一緒に出掛けたあの場所もあの道も風景も貴方の知らない新しい世界が広がっています。
新しい道へとゆっくりと歩き出していて振り返るともうあの頃のあの場所はもう見えなくなってしまった。
貴方に会わせたかった人も出来ました。
元気にしているだろうか?
相変わらず心配してるんだろうな。
まぁ何とかかんとか生きてます。
これからも浮き沈み多い人生だと思いますが、貴方が最後笑ってしまうくらいの結末をきっと叶えていくつもりなので変わらず見守っていて下さい。

貴方のみられなかったあの花の蕾も今年も膨らんできました。
今年もちゃんと写真に映して見せるからたのしみにしててね。
沢山話したい事もあるけど今度会った時に話すから溜めておくよ。

お誕生日おめでとうございます。
貴方が生きていれば85歳の誕生日ですね。
本音を言えば生きてて欲しかった。
色んな所にも連れて行って色んな世界を一緒に見たかった。
くだらない話しを沢山したかった。

写真の貴方は笑ってます。
写真の前の僕は泣いてしまいました。

ごめんなさい。

「母さん、いい加減貴方の顔は忘れてしまいました。」

まだ言えそうにありません。

兎に角。

おめでとう。母さん。
いつもありがとうございます。

もうちょっとこの世界で抗います。

でわ。

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