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フェムテック専門店、MoondスタッフのUnaちゃんと話した性のコト。

著しく性教育が遅れている日本。他方で先進的な取り組みから評価され、あるべき姿としてよく例にだされる北欧から、コロナ禍のデジタル民主主義や同性婚合法化をアジアで唯一成し遂げた台湾などど海外で聞く明るいニュースも少なくありません。

最近、日本でもようやく少しずつ"性"についての注目は集まりつつあり、そこにはフェムテックやフェミニズム、ジェンダーという言葉が浸透する前から地道にアクションを起こしていた人たちがいたからこそのものだと思います。


「Gen Z世代の私達は、波の中でいかに性を学び、語っていくのか?」

性に関する発信をしている傍ら、Moond札幌でスタッフをしていたYouthのUnaちゃんに話を聞きました。

【前提知識】
・フェムテック(Female+technology)…女性が抱える健康の課題をテクノロジーで解決できる商品(製品)やサービスのこと。

フェムテック販売店…北原みのり氏が立ち上げたLOVE PIECE CLUBや、乃木坂のnew stand tokyo、最近ではドン・キホーテ大型店舗内のTENGA STOREでも買うことができる。他オンラインストアでのアクセスもしやすくなっている。

・Moond by LPC…日本初のフェムテック専門店。大阪の大丸梅田に店舗を構えている他、期間限定でのポップアップやプロダクト製作・販売も行う。台湾発のMOON PANTSなどが有名。

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Moondで働くまで.

ーMoondでスタッフとして働くまでのきっかけは?

もともとJulesで性について発信してたけど、「アウトプットする機会をもっと欲しい」と考えていたんだよね。

そんな中でフラワーデモ北海道のInsta Liveなどで参加した時に、フラワーデモの事務局の人と知り合って。それで、この話をしたらある人が札幌にもMoondがあること、そしてアルバイトを募集していることを教えてくれたの。その人はMoondでスタッフとして働いている人だった。

ーナイスタイミング!ご縁すごい。

そう、でもその時はJulesも、大学3年生だから就活もあるし少し迷いもあった。でも札幌の人にも自分の知識を生かして性を知ってもらいたいなって前から考えていたし、せっかくだからということでスタッフとして働くことにしたよ。


ーなるほど。早速聞くけど、やってみてどうだった?

今までホテルでの配給アルバイトをやっていたけど1:1の接客をしたことがなくて少し不安だった。

商品の知識も全く知らない訳ではなかったけど、実際に来店される方は性の悩みを抱えている方が多くて。そういう方々にも提示したり、場合によっては悩みに応じた商品の提供をするくらいの知識はまだまだだなっていうのはスタッフとして働く中で感じたかな。

ー確かにより専門的な知識が必要になりそう。コンサル的な。

うんうん。それに自分が商品について知っているだけではなく、
実際に使った感想も大切になるから色々な商品を試してみた。

ーレビューって大切だよね、スタッフさんだからより参考になる!
 どんな商品を使ったの?

デリケートゾーンウォッシュの「YES」はローズ,OBを使ったよ!

デリケートゾーンってこれまで全く意識したことがなかったんだけど、他のスタッフさんでこれを使っている人に「デリケートゾーンケアと自律神経は関わってるから大切」と聞いて試してみたくなった。

イギリス発のローションブランド「YES」がつくったヴァギナ専用ソープ。成分の84.9%がオーガニック成分!デリケートゾーンのpHバランスを整え、臭いの原因となるバクテリアを除去します。低刺激で、毎日使える代物。ローズの香りも◎〜!

ーオーガニック成分っていうところも推せるねYESは。すごい。


他だと、MOONPANTSかな。

今は色々な月経ショーツが出てるけどこのMOON PANTSは薄いのにナプキン2~3枚の経血を吸収するからとても優秀。

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(MOON PANTS「Whats MOON PANTS?」より)

台湾は布に強いらしくて。だから他の国に真似できないような薄くて吸収力の良い製品が作れるらしい。それに手入れも楽々だからスタッフさんでも月経ショーツだけ使っているっていう方もいる。

あとは吸水だけでなくて経血の水分も抜けるようになっているから、「もれない、ムレない、におわない」が実現できてる製品。

ーすごいなぁ。それだけでQOL結構改善しそう。

月経でいうと、月経カップの「リリーカップ」も試してみたよ。

ーなんか特殊な形!

うん、折りたためるの。それにこれははじめての人におすすめの月経カップとしても知られてる。スウェーデンのものなんだけど、向こうではそれこそ使い始めのTeen向けに作られたものらしくて。

身体のつくりや膣の形的に外国製は日本人の方には大きすぎたり合わないこともあるんだけど、この月経カップはフィットしやすかったり、扱いやすいことから重宝されてるの。

5,000円するけど、ナプキンやタンポンを使うより経済的にも環境的にもよかったりするからとても◎!併用してる人も少なくない。

ただやっぱりつけるのに慣れるのが難しくて月経3周期くらい練習が必要なところがすこし難点かな?

働いてみての気づき.

ー接客エピソードとか聞かせて欲しい!

リコメンドは最後まで他のスタッフさんも付いてやっていたけど、私が働いている間にプレジャートーイとMOON PANTSをお買い上げしていただくことができたよ!

ーおぉぉすごい!

その人のニーズをヒアリングして必要な情報だけを伝えることは引き続き意識していきたいな。

それに、月経ショーツや月経カップは試着や返品ができない分特にヒアリングが重視される。同じMサイズでも余裕のあるMサイズなのか、ピッタリなMサイズなのかを聞くことも大切なんだなってことも知ったよ。

ー短期間で多くの気づきがあったんだね。

そう、あとはスタッフさんが言ってたのは「主語が自分ではない人が多い」って話。これって結構考えるべきで、本来自分の身体のはずなのに、問題を抱えた人たちのほとんどは「パートナーが」「会社が」「学校で」と主語が自分じゃないの。

セルフプレジャーや健康管理、自分がより良く生活するためのフェムテックではあるけど、そういうところがまだ追いついていないところの問題点はこれから改善していきたいなと思った。

これから.

ーこれからはどうしていきたい?

札幌でもまたポップアップがあるみたいだから予定がなければまたスタッフとして働くつもり。フェムテックもまだまだ奥が深くて、今後の生活も考えると膣トレにも関心がある。

ー膣トレではないけど最近irohaがpetitっていうニューラインを出しててまた新たな道が開かれたような予感。

性を学んで発信するようになってから、同じような関心を持った人とも繋がれるようになったし、それにつれて性をオープンに語ることの恥ずかしさ?後ろめたさもなくなってきたな。そういう性にオープンな環境をもっと創れたら良いなと思う。

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✏︎-きいたひと

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Una(jules_for_ones)

北海道出身。ジェンダーロールやらしさへの違和感などから性に関心を持ちInstagramにて『Jules』にて情報発信を行っている。他に札幌フラワーデモへの参加、noteでの執筆、Moond札幌スタッフなど。センスがとても良い。モノトーンのカフェが似合う。




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