見出し画像

おひとり様マンション購入&リノベ記〈7〉資料が伝える不都合な事実

内見で現場を見ると、アドレナリンが出てしまいこの家いいな!早く申し込みしないとまずいかな?と、つい短絡的な行動に出そうになってしまう。冷静に多角的に検討するための資料はとても重要だった。

前章でも案内の通り、内見の前後に私は主に以下の資料を取り寄せて、物件について多角的に検証することを心がけた。

・重要事項調査報告書
・長期修繕計画
・修繕履歴(別の資料とセットの場合もある)
・分譲時のパンフレット、資料など
・管理規約(話が進みそうな場合のみ)

プロや経験豊富な方には全く敵わない、むしろ的外れな指摘も多々あるのは承知の上で、ここではあくまでも私なりのチェックポイントをまとめておこうと思う。

まず大前提として、少なくとも上3つの資料が揃っていない物件は手を出さないようにした。最近、長期修繕計画を持たないマンションがニュースで取り沙汰されているが、親族に負の遺産を残すわけにはいかない。また上記の資料をなかなか揃えてくれない不動産屋(営業マン)からもフェードアウトするようにした。

重要事項調査報告書には、間取りなどの概要や営業資料からはわからない物件のさまざまな情報が描かれている。まずは、お金の問題だ。管理費や修繕積立金の経緯と今後あがるのかどうかの予定が示されている。これは家計を直撃するので、値上がり予定が決まっているかどうかはみのがけない。また、マンション全体でそれぞれの滞納がいくらあるか。滞納金があまりに多いと、住民の質が気になってしまう。

自転車や自家用車を持っている人は空きがあるかどうかも気になるだろう。また管理組合がたとえば(維持費の高い)機械式の駐車場を経営している場合、経営がうまくいっているのか(たくさんの空きがないか)は気にしたほうがいいと思う。

管理組合が輪番制などで運営されているか(一部の住民に牛耳られていないか)、管理会社がコロコロ変わっていないかなど、管理体制そのものも確認する。気になればすぐに不動産屋に問い合わせる。

長期修繕計画は、まずはきちんと作られているかが重要だ。その上で、大規模修繕が定期的に行われてきたか、あるいは計画されているか、遅れはないかなどは確認したほうがいい。

予算に比して積立金が明らかに少ない場合、工事前に一時金をごっそり払わなくていけない場合もあるので注意だ。修繕費は新築分譲時は安く、時が経つにつれて上がっていく。このカーブがあまりにも急だと、やはり家計的には苦しい。営業資料に書かれた積立金が実は来年から大幅にあがる、というケースもある(それが原因で売りに出す人もいるくらい)。

修繕履歴は、まさにそのマンションの管理体制を如実に示している。マメに修繕がされている物件はやはり安心できるし、大規模修繕がなされているか、最近行われたか否か(修繕積み立ての一時金の有無に関わる)は気になる。

一方で、やや矛盾するのだが、完成直後からあまりにも多くの修繕が繰り返し行われている物件は、建物そのものが大丈夫なのか?と不安になる。ある物件は、給水や排水ポンプの工事が繰り返し行われていて、ポンプに何か問題があるのか不安になった。私は高層階に住もうと考えていたから、ポンプは重要だ。気になる点があればまずは不動産屋に問い合わせる。満足いく回答でなければ、先方の管理会社などに問い合わせてもらうようにした。

分譲時のパンフレットがあれば、当時このマンションがどの層をターゲットに絞っていたかがわかるので、住民の質をチェックすることにつながる。営業資料にない設備などが見つかるかもしれないし、リフォーム済みの場合はその辺の経緯もよくわかる。あれば越したことはない。

管理規約については、ほかの資料と比べて安易に求めるよりは、絞り込んだ上での資料として、不動産屋を通じてお願いするのがいいように思う。ネットなどでは管理規約や理事会の議事録を取り寄せよいと書かれているものがあるが、これはかなり検討が進み、不動産屋さん、または不動産屋さんを通じて売主さんと関係がある程度作られてからの方が無難だろう。

現にある物件の内見時に、仲介の不動産屋が売主さんに「この間内覧された方は、議事録や規約まで取り寄せてとおっしゃっていて、ちょっと細かいんですよね……」とネガティブに語っているのをこっそり聞いてしまった。売主さんによくない印象を持たれては終わりだ。人間同士、信頼関係が一番だ。

実際に自分の目で見て、さらに資料を読み込むことで、かなり多角的に物件を知ることができる。中古物件は時間勝負なところはあるが、慎重な検討は不可欠だと思う。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?