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ポーランドで僕はウォッカに出会った【Vodka Museum in ワルシャワ】

先日の旅行で、ポーランドの首都ワルシャワにあるウォッカミュージアムに行ってきました。

ウォッカはまだまだ日本ではあまり馴染みがないお酒で、カクテルでは飲んだことはあっても、ちゃんと味わって飲んだことがあるという方は少ないでしょう。
かくいう自分もその一人でしたが、ついに本場ポーランドでウォッカに目覚めてしまったのでレポートします!

Museum Wódki

ワルシャワ旧市街の少し南、ワルシャワ国立劇場の近くにあります。
MWでウォッカのボトルをデザインした可愛いロゴが目印。

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個人が収集したコレクションを集めて誕生したこちらのミュージアムには、戦前に製造されたお酒や、ボトル、本、広告、ラベル、写真など、ウォッカに関わる歴史的なアイテムが多数展示されています。

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料金は、クラシックなウォッカ3種類のテイスティング付プラン39zł(約1,100円)です。
ガイドが付かないこちらのプランの場合はガイドブックを貸してもらえるので、それを読みながら展示品を見て回ります。

そもそもウォッカとは何なのか?

名前はよく知られているウォッカですが、そもそもどんなお酒なのでしょうか。
ウォッカは、ロシア・ポーランド・スウェーデンをはじめとする北欧~東欧地域で造られている蒸留酒です。

基本的なウォッカの製法を、簡単に説明しましょう。
ウォッカの原料には、主に大麦・小麦・ライ麦といった穀類ジャガイモ等が用いられます。

①液化・糖化
蒸して液化(Liquefaction)した原料を、デンプン分解酵素と合わせて糖化(Mashing)します。

②発酵
酵母を加えて発酵(Fermentation)させると、糖はアルコールと二酸化炭素になります。この過程で、アルコールの他にも様々な化合物が生成され、これらの成分がお酒の香りや風味を決定付けます。

③蒸留・精製
何度か蒸留(Distillation)を繰り返し、最終的にアルコール濃度を96%以上まで高めます。発酵の過程で生まれる副生成物は、全てがお酒に良い影響を与えるわけではありません。蒸留をするのは、アルコール度数を上げるだけでなく、これらの不純物を取り除く意図もあります。

④加水
蒸留した高濃度アルコールに水を加えて、アルコール濃度が40%程度になるまで薄めます。最終的にウォッカとして販売するためには、37.5%以上のアルコール濃度が必要です。ここで用いられる大量のこそが、ウォッカの質を左右するもうひとつの重要な要素となります。蒸留酒なのに水が重要だというのは意外でしたね。

⑤濾過
最終工程は濾過(Filtration)です。どんなフィルターを使って何段階の濾過を行うかは、蒸留所によって様々ですが、伝統的なウォッカでは白樺の活性炭を使用することが多いとか。

この他に、色・香り・風味・甘みを足すために、フルーツや香草などの添加物を加えることもあります。

まとめると、ウォッカごとの違いを生む特に重要なファクターは、
原料・酵母・水・添加物・フィルターということになりますね。

ウォッカのテイスティングは想像以上に面白い

さて、展示を見終わったら、お待ちかねのテイスティングです。
今回は、友人と2人でクラシックなウォッカ3種類のテイスティングプランなので、計6種類を試飲。
15種類くらいある中から、飲んでみたいものを選ばせてもらえます!

僕達が選んだのは、こちらの6種類

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左から順にいきましょう。

Belvedere Vodka
ライ麦から造られたシンプルな王道のポーランドウォッカ。消毒用エタノールのような香りで、喉が熱くなるくらいのアルコール感、キレのあるクリアな味わいです。一口目はかなりキツかったですが、慣れるとしっかり風味を感じられます。

Elixir z dzikiego chrzanu
非常に珍しいホースラディッシュ(西洋ワサビ)のフレーバードウォッカです。めちゃくちゃワサビの味と香りがします。これはなかなか衝撃的でした。個人的には一番のお気に入り。ローストビーフや、サーモン・ニシン等の魚料理と合いそう。ほとんど市場に流通していないので、やっぱり買って帰ればよかったと後悔しています... 笑

Chopin Potato Vodka
ポーランド出身の作曲家ショパンの名が付けられたシリーズの中から、①との比較用に、ジャガイモで造られたこちらをチョイス。ジャガイモが原料というだけあって、芋焼酎に近い風味が感じられます。重めのボディ感と長めのフィニッシュ。シンプルに美味しいです。

Żubrówka Bison Grass Vodka
ウォッカの中でも比較的知名度が高い「ズブロッカ」です。ポーランド北東の森に自生するバイソングラスという草を漬け込んだフレーバードウォッカ。まるで草餅や桜餅のような風味で面白いです。アップルサイダーで割ったカクテルに桜の塩漬けを落としてみたら、一味違ったお花見が楽しめるのでは。

Saska Śliwka Węgierka
プラムを漬け込んだリキュールです。ウォッカのアルコール度数は最低でも37.5度と定められているので、30度のこれはウォッカではありません。梅酒のようなフレーバーで、濃厚で甘くて飲みやすいです。女性に好まれそうなお酒ですね。

Pravda Espresso flavored Vodka
高級感のあるエスプレッソのフレーバードウォッカ。ロースト感のあるコーヒーの苦みと甘みで、ペアリングするならケーキやビターチョコレート等のスイーツでしょう。バニラアイスにかけてアフォガードにしたら間違いなく美味しいです。カルーアミルクのように、牛乳で割るのもアリですね。

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美味しいランチとペアリングしてみよう!

テイスティングが終わったら、ランチでウォッカを堪能しましょう。
ミュージアムと同じ運営元が運営するレストラン「Restauracja ELIXIR」の平日限定ランチ25%割引券をもらえるので、見学後はすぐ近くにあるそのお店へ移動。

...... ということは、筆者達は午前中からミュージアムに行ってウォッカをストレートで数杯飲んでいたことになりますね。馬鹿ですね。
(曜日によってはミュージアムが午後からしか開いていません。夕方ミュージアムに行って、翌日のお昼にレストランに行くスケジュールを推奨します。)

ミシュランガイドにも複数回掲載されているこの名店では、本格的なポーランド料理とウォッカのペアリングを楽しむことができます。
メニューをご覧になるとお分かりのように、全ての料理にそれぞれマッチするお酒が合わせて提案されており、こだわりが感じられます。

ランチメニューは、前菜とメインからそれぞれ1皿ずつ選ぶセット(パン付)が39zł(約1,100円)と非常にお得。

今回、前菜に選んだサラダは、低温調理の豚ロースとレタス、焼きトマト、ビーツのキャビアに、ツナのソース。
ここまで満足度の高いサラダはなかなか無いと思います。
上品で本当に美味しかったです。

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そしてメインには、魚料理をチョイス。
白身魚(オヒョウ)と野菜のグリル、ハーブマッシュポテト、トマトソース。
これに、テイスティングの際に感動したホースラディッシュのウォッカ「Elixir z dzikiego chrzanu」を合わせてみました。
思った通り、ワサビのフレーバーが魚料理との相性抜群です。
ワインや日本酒とは全く違う、新感覚のペアリングでした。

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いかがだったでしょうか。
少しでもウォッカというお酒に興味が湧いたとしたら幸いです。

是非、ポーランドに旅行の際はウォッカミュージアムを訪ねてみてください。
また、今回テイスティングしたウォッカの中には、日本でも購入できるものがいくつかあるので、是非皆さんもトライしてみてください!


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