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笑えない藁の案山子

笑えない藁の案山子
の絵本を購入しました。

noteでお世話になっている福島太郎さんが書かれた絵本です。

これまで、事実を元にしたフィクションを多く書かれている方ですが、こんな素敵な絵本も書かれるのだなあ…
と新鮮に感じました。

このお話、案山子が夢を叶えるために、遥か西方にあると言う、ガンダーラという土地を目指して旅をします。

ちょっと、オズの魔法使いを思い出すような感じですが、ドロシーも、魔法使いも出てきません。
主人公の案山子君が、夢を叶える旅に出るお話です。

ガンダーラといえば、

そこに行けば どんな夢も 
叶うというよ〜
誰もみな 行きたがるが
遥かな世界
その国の名は ガンダーラ
どこかにあるユートピア
どうしたら 行けるのだろう
教えて欲しい…♪

と、私の世代では、思い浮かぶ歌があると思います。

堺正章さんが、孫悟空を演じ、夏目雅子さんが三蔵法師、猪八戒が西田敏行さん、沙悟浄が岸部シローさんという、ドラマ「西遊記」の主題歌です。
当時、モンキーマジックとともに、一世を風靡しました。

とても楽しみにしていたドラマで、「西遊記ごっこ」的な遊びを、楽しんでいました。

本でも、西遊記は何度か読んでいますが、彼らが目指したのは、天竺。
遥か遠い西の地です。

三蔵法師は、ご存知の方が大半かもしれませんが、唐の時代の僧、玄奘三蔵がモデルで、玄奘三蔵は、天竺(今のインドの辺り)より、さまざまな仏教の経典を、中国に唐の都に持ち帰りました。

以前西安に行った時に訪れた大雁塔。
ここに、持ち帰った経典は、納められたそうです。

この地に行った時に、思わず思い出したのが、このドラマ「西遊記」であり、ガンダーラの歌でした。

ガンダーラとは、インドの北西部(現在のパキスタン北西部)に位置していた王国で、東洋と西洋の文化が交わる豊かな文化が栄えた都市であったそうです。

東洋史では、紀元前1世紀くらいから5世紀くらいまで、ガンダーラ地方で栄えた仏教美術を、ガンダーラ美術という、などと学びました。

華やかな文化と、仏教のありがたいお経がたくさんある場所、そして簡単には行けない遠いところ、その場所に、昔の人々は憧れ、夢叶う場所と思ったかもしれません。

絵本に戻りますが、

案山子君がめざしたガンダーラ。
案山子君はガンダーラに辿り着けたのか?
ガンダーラは、どこにあるのか?

最後に、大切なものに気付かせてもらえるようなお話でした。

この本の帯にある
「ここがきみのガンダーラなんだ」
にあるように、もしかしたらガンダーラの場所は、人それぞれなのかもしれません。

私のガンダーラを探しに、心の旅に出てみようか…
そんな気持ちになるお話です。

私は紙書籍を買いましたが、電子書籍もあります。
よろしかったらぜひ、読んでみてください。
あなたのガンダーラが、
ガンダーラに行く方法が、
見つかるかもしれません。

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