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ネット依存から抜け出す/デジタルデトックスとは


「デジタルデトックス」という言葉を聞いたことがあるでしょうか?デジタルデトックス(Digital Detox)というのは、ネット依存から抜け出すために、ソーシャルメディアやインターネット、メールなどを一時的にやめることです。

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自分は依存症と言うほどではないと、思っている人も多いかもしれませんが、この3つのうち心当たりのあるものがあれば、気をつけた方がいいかもしれません。

●寝る前のスマホを「あと数分だけ」でやめられなかったことは一度や二度ではない

●圏外はもちろん、電車などでわずかな時間でもつながりにくいとイライラする  

●FacebookやLINEが原因で人間関係がこじれてしまったことがある

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これは『デジタルデトックスのすすめ「つながり」疲れを感じたら読む本』(PHP研究所)の序文に出てくるチェック項目です。著者の米田智彦さん(編集者、ディレクター)は、自身が「ネット依存になりかけているのでは」という自覚があり、それを解消するべく自らデジタルデトックスを実践して本にしました。


ネット依存の自覚症状

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編集者である米田さんは、2009年頃からTwitterなどソーシャルメディアの面白さにはまり、Ustreamに至っては本を3冊書くほどに精通し、最後には家を無くして、ソーシャルメディアの縁だけでどれだけ暮らせるかというプロジェクト「ノマド・トーキョー」をやるところまで行き着きました。
その辺りから、ソーシャルメディアやインターネットの面白さや利便性と同時に、弊害のようなものもおぼろげに感じるようになっていました。


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ソーシャルメディアは、毎日タイムラインやニュースフィードに大量の情報が流れています。

そこにある情報を反射的に選り分け、反射的にコメントをし、それに対する反応にまた反射的に言葉を返すという繰り返しです。米田さんは、時間をかけて何かを考えたり味わったりする感覚が徐々に失せていったように感じていました。

気づくと長編小説をまったく読めなくなっていたり、映画を一本最後まで見られなくなっていたそうです。
小説を読んでいると、結末とか後書きを読んでしまう。
情報収集と読書や映画鑑賞は違うものなのに、あらゆるものをまとめたり要約するネット文化に触れすぎたせいで、深く考えているつもりでも、考えきれなくなっていったのです。
これは何とかしなければと思いつつ、デジタルデトックスという言葉の存在も知ってはいましたが、仕事の都合などもあり具体的には何も行動できない日々が続きました。

そんなことを考えていた去年の夏、米田さんは感染症にかかり、10日間ほど寝こんでしまいました。全身に発疹が出て、熱も出て、関節も痛い。当然パソコンどころかスマホもいじる気がしません。寝込んでから2〜3日間経った時に、ネットもソーシャルメディアもやっていない自分に気づきます。

反射的な反応を繰り返す、情報の壁打ちのような状態をやめることは、自分からはできなかったけれど、病気をきっかけに初めてやめることができたのです。
それまではずっとつながりっぱなしで、つながらないことの恐怖の方が強かったというのに。
しかも、そのお陰で楽になった自分にも気づきました。

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デジタルデトックスをやってみて

情報化社会で情報ツールと共に生きなければならない人ほど、意識して自分から距離を取るということが、次の時代のリテラシーとして必要なのではないか、という予感もありました。それに関する本を書いてみようと思い立ち、一ヶ月と期間を決めてデジタルデトックスをやってみました。
デジタルデトックスと言っても、仕事上完全にインターネットにつながらない生活は現実的ではありません。

そこで、米田さんは自分なりのルールを決めました。

①メールは1日朝晩の2回のみ

②ソーシャルメディア、ネットサーフィンはやらない

 告知として、TwitterとFacebookのバックグラウンドにデジタルデトックスやっていますという画像を設定し、連絡する人はメールか電話をしてくださいと書きました。

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そこまでしてデジタルデトックスを始めたのに、2〜3日目には自分がデジタルデトックスをしていることの反響が気になったのだそうです。

「みんなどう思っているのかなって反響が気になって、ソワソワしてきたんです。そんなことが気になっている時点で病気じゃないですか(笑) はっきり言って、僕も含めてみんな自意識過剰なんですよ。ウケてるか、ウケてないか、周りの目を気にしすぎているんです。それがまず問題だなと」

それ以前はメールを一日何十回もチェックしていた米田さんですが、一日に2回メールをチェックし、その時だけ作業をするだけでも問題が無いことが分かりました。

「そりゃそうですよね。朝にメールくれた人に夕方返信したら、相手の人は怒らないですよね。夜にメールした人に次の日の朝に返信しても、相手は怒らないですよね。緊急の用がある人は電話してくるので、なんだ、そんなもんじゃんと」

いかに自分が無駄なストレスや情報を追い回して、人生の貴重な時間を費やしていたのかと気づきました。

その1ヶ月の間に、さらに情報断食的なことをやってみようと、東京の高野山別院で阿字観瞑想をやってみたり、東京近郊の御岳山の宿坊に泊まり滝行をやってみたりもされました。

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また、普段からたまにやっていた水泳も瞑想みたいだと感じたのだそうです。

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「泳ぐと元気が出るんです。歩くのでもいいんですけど、情報を遮断して呼吸と身体感覚を意識しながら体を動かしていくということをすると、人間って元気になるんだなと」

さらに、「情報化社会で生きていると、すごく近視眼的になってしまいます」と米田さんは言います。
ソーシャルメディアでは、目の前に流れてくる情報に一喜一憂したり、会ったこともない人の発言に怒ったり、そんなことがよく起こります。

スマートフォンがあまりにも急速に普及し、ソーシャルメディアが流行ったせいで、付き合い方が分からないままネット世界が身近になったからでしょう。

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ネットやデジタルツールがここまで生活に浸透してくると、「嫌なら電源を切ればいい」、「見ないようにすればいい」、というような簡単なことでは済まなくなります。ビジネスマンは仕事でメールをチェックしないと問題が起こるでしょうし、子どもたちはLINEを使わなければ仲間はずれにされるかもしれません。

一方、子育て中のママの中には、ソーシャルメディアがあったからこそ社会との接点が保て、救われたという人もいます。これからの時代は、それぞれの立場でネットとの適切な距離をおく練習をしておいた方が良さそうです。
 普段からインターネットにつながりっぱなしの人や、冒頭のチェックに当てはまった人は、早いうちに自分の距離感を掴むためにも、一度デジタルデトックスをやってみてはいかがでしょうか。


ネット断食/デジタルデトックスの具体的な方法

難易度と効果、向いている人などを合わせて記載していくので参考にして見てください。


ネット断食ツアーに挑戦

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難易度★★★★★
効果★★★★★

これはまったくネットを使わない環境に身を置くということです。アメリカでは3泊4日程度のツアーが流行っており、日本でも西表島や軽井沢などでネット断食をするツアーがあるとのこと。金銭的な面での難易度は高いですが、その分高い効果も望める方法です。

自宅でのデジタルデトックス

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難易度★★★★☆
効果★★★★☆
合宿への参加ではなく、自分自身でネット断食を行う方法です。意志の強さが試されるという点では難易度は高めですが、金銭的な負担はほぼありません。単純にPCやスマホの電源を切るだけでよいのです。
本を読んだり、スマホを置いてどこかに出かけたり、1日でもよいのでネットやTVから離れて過ごせばOKです。
休みが週2日あるなら1泊2日のツアー気分で自宅でのネット断食に挑戦するのもよいかもですね。


ネット節制

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難易度★★☆☆☆
効果★★★☆☆

難易度が最も低いのがネットを止めるのではなく節制するタイプです。とはいっても自分の意志が必要になるのは自宅でのデジタルデトックスと一緒です。
まず、Twitterなどの通知はすべてOFFに。TwitterやFaceBookで重要事項が回ってくることはほとんどありませんので、OFFにしたところで問題はありません。
さらに、人としゃべっているときはスマホに手をつけない、通勤通学時間のデジタル以外の暇つぶしを考える、食事の時はスマホを食卓周辺に持ち込まない、などいくつかのことに気をつければベストです。

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