見出し画像

サブカル大蔵経205 山田直樹『ルポ 企業墓』(イースト・プレス)

高野山と比叡山にある〈企業墓〉とは?

日本の〈見えない存在〉のうちのひとつ。

企業という、一番宗教的でない存在が、実は宗教的なことをたいせつにしている背景と、日本の宗教の中での高野山と比叡山、空海と最澄のふところの深さを再認識した。これが、鎌倉以降の仏教だと個人、平安以前だと国、その中間の存在が実は今の日本の企業という部分を支える拠り所のひとつになっているのは興味深かつたです。

昨今、墓じまいの相談を受けることが多いのですが、あらためて、「お墓とは何?」と、自分の中でも繋がっていく気がしました。

浅草、伏見稲荷、高野山。企業寄進。外国人観光客。p.4

 有名寺院を支えているのは。ルネッサンスを支えたパトロンか?

企業墓、詣り墓で、埋め墓ではない。p.21

 お骨がなくても「墓」なんです。

西日本ターゲット。p.30

 たしかに企業の偏りがある。なぜ西日本なのか。比叡山の力。

佐川急便と比叡山。比叡山宗教サミット。p.30・88

 今でも比叡山サミットありますが、いろいろな背景がありそうです。

日蓮宗と伊勢丹。初代小菅丹治、国柱会田中智学支援者。田中を講師に呼ぶ。p.44

 面白い…。伊勢丹と国柱会…。

江戸時代までは個人が基層単位。◯◯家墓、家や先祖という集合タイプは、明治以降に編み出された。p.55

 そうか…、昔からイエで、今個人になってきた、というけど、昔に返っているんだなぁ。逆にイエ時代が希有なことなのか。

会社と宗教。販売が布教師。ユーザーは信者。p.74

 法人として。信頼関係。

企業墓を実際には邪魔扱いしている会社がある。過去の経営者が作った負のレガシーなる認識。p.92

 創業者の意向が負担にもなるのか…。プロレス界も、猪木も馬場も前田も大仁田も皆同じ歴史。

高野山、福助・スバル・アデランス・江崎グリコ・UCC・ヤクルト・コマツ・コクヨ・松下・ミノルタ。比叡山、丸大食品・フジテック。p.128

 フジテックもあるんですね…。エレベーターでお世話になってます。

元日生レディ曰く、比叡山にお参りに行くのは、私たちの記念事業。p.183

 初めて社員の拠り所の声を聞いた。

日本の企業は、宗教力に包摂されている。p.235

 ビルの上に神社あったりしますもんね。

画像1


この記事が参加している募集

読書感想文

本を買って読みます。