傷みかかった塩豚と格安PB値引き品のベーコンがチリビーンズの衣をまとって紡ぐ冒険と反乱の夢

画像1 近所の店は2と9の日に肉を特売する。今年は2月29日に力のこもったセールをやったらしい。自分は特売日に豚肉の塊を買い、塩豚にして少しずつ食べるようにしていた。ただ、残業や会食やらでリズムが狂うと、塩豚といえど傷みが怖い。そうなるとスパイスで誤魔化しつつ煮込んで延命を図るのだが、そこには保存食の醸す冒険と野外生活のロマンがある。特に、傷んだ塩豚でこしらえるチリビーンズはマカロニウエスタンの乾いた、そして時代遅れのヒロイズムを含んでいるようで、雑味や灰汁すら脳内でロマンに変換されるが、他人にはおすすめしない。
画像2 格安スーパーで悪名高きPBの低価格ベーコンが、さらに値引きされていた。割引シールで飾り立てても、あのPBだしなぁとちゅうちょが頭をよぎる。しかし、最後に勝ったのは好奇心だ。早速ベーコンエッグに仕立てたが……好奇心は俺を殺す。ポチョムキン号の軍医ですら、食用に適さずと首をふるのではないかと思うほど、始末に負えないなにかだった。とはいえ、傷んでもない食品を廃棄したら反乱が起きてしまう。セロリと缶詰のチリビーンズで誤魔化したら、豚脂を含んだ紙切れのような代物でも食えるようになる。これなら反乱も起きないだろう。

¡Muchas gracias por todo! みんな! ほんとにありがとう!