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埼玉県上尾市の財政について調べてみた件

こんにちは、海原雄山です。

今回は、埼玉県府上尾市の財政について調べてみました。

12月3日は上尾市議選の投開票日。維新も公認候補を出すものと考えられますが、ここ1年埼玉での地方選では高い勝率を誇っており、勢力拡大が期待されます。

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上尾市ってどんなところ?

まず、そもそも上尾市がどんなところかについて簡単にご説明させていただきます。

埼玉県の中心より少し東にずれた中央地域の場所にある、人口約23万人(2022年1月1日現在、住民基本台帳ベース)の都市です。

もともとは農業が主産業の都市でしたが、20世紀後半には東京郊外の住宅地として発展し、1960年代からは積極的な工場誘致により工場も増えたそうです。

同時期に建設が始まった日本住宅公団(現:都市再生機構)の西上尾第一団地・同第二団地は県内有数の規模で、人口の増加に伴い住宅都市としての性格が強まりました

。公園などの憩いの場や災害時の避難地としての空間を要望する声が高まっていったため公園の整備が進んでいきましたが、JR高崎線の東側と西側で開発の進展に差があり、開発が遅れていた西側でも宅地開発等が進み、継続的な若年人口の流入が続いているそうです。

JR上尾駅は、上野東京ラインで東京駅まで42分程度で行けることから、交通の便も良さそうです。

上尾市の財政について

では、本題に入りましょう。

今回は、2021年度までの直近5年間の決算カード等をもとに分析していきますので、特に断りが無ければ、2021年度の数字であると捉えてください。

また、類似団体とは、各市町村等を人口および産業構造等により全国の市町村をいくつかのグループに分類したもので、上尾市は「Ⅳ-3」という類型に属しています。

類似団体として分類されている市の一例は、以下のとおりです。

釧路市、苫小牧市、浦安市、立川市、三鷹市、町田市、東村山市
鎌倉市、津市、宇治市、伊丹市、川西市、山口市、徳島市


各種指標の状況

①財政力指数

財政力指数は「0.89」で、類似団体の平均「0.92」より少し低いです。

前年度比0.02減ですが、ここ5年は類似団体平均とほぼ同じですし、問題ないくらいの水準です。


財政力指数とは、地方公共団体の財政力を示す指数で、基準財政収入額を基準財政需要額で割り算して得た数値の過去3年間の平均値ですが、ここで基準財政収入額(同需要額)は、だいたいどれくらい自治体運営にあたって財源を確保できそうか(どれくらいかかりそうか)を示す指標だととらえてください。

その数値が高いほど収入にゆとりがあり、1を下回っていれば、地方交付税交付金がその分支給されると大まかに捉えてください。

上尾市は、「普通交付税の算定の結果、分母である基準財政需要額が、臨時財政対策費及び臨時財政対策債償還基金費の皆増(+12.0億円)などにより10.6億円増となった一方で、分子である基準財政収入額が、市町村民税の減(△8.9億円)などにより8.0億円減となった。この結果、分子が減し、分母が増となったため、単年度での指数が下降した結果、3か年平均値も下降し、0.89となった。引き続き歳出の徹底した見直しを実施するとともに、市税の収納対策強化等により、財政基盤の強化に努めていく。」としています。


②経常収支比率


単位:%

経常収支比率は「89.5%」で、類似団体の平均「89.4%」とほぼ同じ。

経常収支比率とは、経常的な経費に経常的な収入がどの程度充当されているかを見るものです。比率が高いほど自由な施策が打てなくなり財政構造の硬直化が進んでいることを表すものです。

なお、直近で経常収支比率は大きく改善していますが、上尾市は「分子である経常的経費に充当した一般財源が、経常的経費に該当する繰出金の増などにより8.3億円増となり、分母である経常一般財源は、地方交付税の増などにより 34.5億円増となった。  この結果、分母の増の割合が分子の増の割合を上回ったため、前年度から5.7ポイント改善し、 89.5%となった。今後も人件費をはじめ、内部管理経費の抑制により、経常的経費の削減に努めていく。」と総括しており、交付金の増加という外的要因によるものと考えられます。ここらへんの事情は全国共通しているようです。

③将来負担比率


単位:%

将来負担比率は「0」で、類似団体の平均「5.0%」より、数字として良いです。

将来負担比率とは、地方公共団体の一般会計等の借入金(地方債)や将来支払っていく可能性のある負担等の現時点での残高を指標化し、将来財政を圧迫する可能性の度合いを示す指標で、標準財政規模(地方公共団体の標準的な状態での通常の収入と捉えてください)に対する「特別会計、第三セクターまで含めた地方公共団体の負債総額から積立金などを差し引いたもの」の割合を示したものです。

つまり、借金から貯金を引いたものが収入に対してどれくらいの割合かを示したものと捉えてください。(早期健全化基準:市町村では 350%)

上尾市は、「 令和3年度は前年度より改善した。これは、令和3年度充当可能基金現在高(104.5億円)が令和2年度充当可能基金現在高(72.4億円)を上回ったことや標準財政規模の増(+23.4億円)などの影響によるものである。 令和3年度は、充当可能財源等が将来負担額を上回ったため、本比率は算出されない。今後も地方債発行額と元利償還金額とのバランスを注視しつつ、主要基金の残高を念頭に置いた財政運営を図り、引き続き市債残高の減少等により、過度な財政負担が生じないように努めていく。」としており、将来につけをまわさない財政運営が行われていることが伺えます。


④公債費負担比率

公債費負担比率は、一般財源に占める公債費(地方債の元利償還等に要する経費)の比率で、この数字が高ければ財政構造の硬直化が進んでいることを表します。


単位:%

上尾市は、「12.80%」で、類似団体平均の「10.2%」よりより少し高いくらいの水準です。

公債費については後述します。

⑤実質収支比率

実質収支の標準財政規模に対する割合。簡単に言うと、収入に対して当年度の収入と支出との実質的な差額が、どれくらいの割合かを示すものです。


単位:%

上尾市は、「8.7%」で、類似団体平均の「8.1%」よりやや高い水準ですが、この数値はマイナスになって初めて意味のある指標なので、一喜一憂する必要はないでしょう。

歳入の状況

では、歳入の状況を見てみましょう。

2020年度以降は、コロナ対策の国庫支出金を多く受け取ったため、大幅に増えていますが、そういう一時的な要因を除くために、経常一般財源等で見ていくと下記のとおりです。

経常一般財源等は、歳入のうち毎年度経常的に歳入されるもののことです。


単位:千円

こう見ると、右肩上がりで歳入が伸びています。特に2021年度の伸びは顕著です。

もう少し詳しく歳入をみていきましょう。

市町村の歳入の多くは、地方税です。


単位:千円

2019年度まで上昇傾向でしたが、2020年度に一度減少し、2021年度に再び上昇しています。

先ほどの歳入全体の大幅な伸びは一貫して右肩上がりでしたが、地方税とは違う要因で伸びていると考えられます。


単位:千円

地方交付税は、2020年度まで25憶を境目にジグザグに推移していますが、2021年度に一気に18憶増加しています。実に約70%増。


地方消費税交付金は2019年度以後大きく伸びて単位:千円いるようです。直近では前年度から約4憶円程の伸びとなっています。

今まで見てきた市町村と比較して、上尾市の場合は、大きな伸びの要因は地方交付税であることには変わりありませんが、地方税収もやや伸びている状況です。

①市町村民税

ここから地方税を細かく見ていきますが、「臨時」に付与されたり「特定」の目的に使う財源等も含むことをご了承ください。(それでも傾向は掴めるかと思います。)

地方税の多くは市町村民税と固定資産税で、だいたいの市町村において、これら2つで地方税収の約85%を占めています。


単位:千円

市町村民税は2019年度をピークに2020年度には下落しましたが。2021年度には盛り返しています。

市町村民税を個人分と法人分で分けてみてみましょう。

まず、個人分です。

個人均等割り(所得に関係なく一定額を徴収) (単位:千円 決算額ベース)


所得割(所得に応じて徴収) (単位:千円 決算額ベース)


均等割は右肩上がりですが、所得割が2020年をピークに2021年度には少し下落しています。ですが、130憶円台で安定していると言えるでしょう。

一方、法人分についてですが、

法人均等割(資本金・従業員数などに応じて徴税) (単位:千円 決算額ベース)


法人税割(国に支払う法人税額を基礎として徴税) (単位:千円 決算額ベース)

法人均等割は、コロナ前の水準以上に伸びましたが、法人税割は急落した2020年度以後回復しほぼコロナ前の水準に戻っています。

だいたいの市町村では、個人に課す市町村民税に対して法人分の金額が小さいですが、上尾市も同様です(地方税全体に対する割合は、個人:約43.7%に対し、法人:約5.6%)ので、市町村民税全体の増減は個人の市町村民税の増減に大きく影響されると言えます。

ですが、上尾市についていえば、確かに法人税割は2020年度に大きく落ち込みましたが、2021年度にはほぼコロナ前の水準に戻りましたし、市町村税収的にコロナの後遺症を引きずるというような状況ではなさそうです。

②固定資産税

地方税のもう一つ大きな柱は、固定資産税になります。


単位:千円(決算額ベース)


固定資産税収は、2019年度以降伸びが大きく、2021年度も前年度比微増でここ5年の最高税収です。

固定資産税は、土地・家屋等に対して課税され、ざっくり言うとその評価額を基準として税額が決まるので、近年の金融緩和による土地等の資産価格の上昇が、固定資産税収に追い風となった自治体もあるようです。

地方税収としては、市町村民税がコロナによる大きな影響もさほどなく、固定資産税も堅調で、全体的に安定していると言えるのではないでしょうか。

しかし、人口一人あたりで見ると、経常一般財源等ベースで人口一人あたりで比べると上尾市は127,293円に対して類似団体平均153,853円と、上尾市はかなり少ないことが伺えます。

2020年度の全国の市町村において地方税収に占める個人住民税の割合は約37.5%で法人の住民税は8.0%。方や上尾市は、43.7%と5.6%です。恐らく法人からの税収がかなり少ないのではないかと考えられます。

住宅地として開発された経緯からある意味仕方ないかもしれませんが、納税してくれる企業の少なさに起因している可能性があります。

歳出の状況

ここからは歳出の状況です。性質別で見ていきます。

一時的な要因を除くべく、経常的な費用に充当される一般財源の金額を示す「経常経費充当一般財源等」の金額で確認していきましょう。

まず、義務的経費です。


単位:千円


単位:%

これは、人件費、扶助費 (生活保護費、児童福祉費老人福祉費など) 、公債費など、その支出が法律上義務づけられたものや国の指示によって事実上強制されるもので、任意に節減できない極めて硬直性の強い経費とされています。

上尾市の義務的経費は、長期的に見て上昇しています。

一方、経常収支比率は減少傾向ですが、類似団体平均の50.4%よりやや高い水準となっています。

では、その要因は何か。内訳である人件費、扶助費、公債費をそれぞれみていきましょう。

①扶助費

扶助費は2019年度をピークに、今は落ち着いています。


単位:千円
単位:%

扶助費の経常収支比率(扶助費が経常的な収入に対しどれくらいを占めるか)は類似団体平均より少し低く(上尾市13.1%、類似団体平均13.9% )、人口一人当たりの金額も2割程低い水準です(上尾市:24,564 円、類似団体平均:30,552円)。

経常収支比率は2019年度をピークに今は13%台にまで下落しています。

上尾市は、「扶助費は、子育て世帯への臨時特別給付金の増(+28.4億円)や住民税非課税世帯等に対する臨時特別給付金の皆増(+17.5億円)などにより、前年度に比べ56.0億円増(+28.6%)の252.2億円となった。今後も待機児童解消のための子育て支援施策に係る費用の増、高齢者人口増加に伴う介護関連費用の増により、増加が予想される。」と総括しており、現役・将来世代中心に手厚く対応しているようですが、将来的な高齢者人口増加が影を落とす可能性を暗示している模様です。

②公債費

公債費は、2020年をボトムとしていますが、基本的に65憶円前後を行ったり来たりなようです。

単位:千円
単位:%

公債費の経常収支比率(扶助費が経常的な収入に対しどれくらいを占めるか)は類似団体平均よりやや高く(上尾市:15.0%、類似団体平均: 11.8% )、人口一人当たりの金額もやや高い水準です(上尾市:28,191 円、類似団体平均:26,004 円)。

上尾市は、「公債費は、焼却施設整備等事業債元利償還金の増(+0.5億円)などにより、前年度に比べ0.8億円増(+1.3%)の65.0億円となった。公債費に係る経常収支比率は、前年度と同様に類似団体平均を上回っている。今後も市債の新規発行について精査を行い、適正化に努めていく。」としております。

前述のとおり、人口増加に対応するべく、市の設備を整える必要もあったためか、焼却施設等への支出を賄うための事業債への償還が重くのしかかっているのかもしれませんが、これは人口増加に伴う不可避なことである意味仕方のないことなのかもしれません。

③人件費

人件費は2020年度に急激に上昇しました。


単位:千円


単位:%

上尾市は、類似団体に比べて人件費の経常収支比率が少し高いようです。(上尾市25.7%、類似団体平均24.8%)

一方、人口一人当たりの金額は類似団体平均より低いようです。(上尾市48,242 円、類似団体平均54,480円)

上尾市は、「人件費は、職員給の減(△1.5億円)などにより、前年度に比べ1.8億円減(△1.5%)の119.0億円 となった。人件費に係る経常収支比率は、前年度と同様に類似団体平均を上回っている。今後も事業及び政策に注視しつつ職員数の適正化等を行い、人件費抑制に努めていく。」と総括しています。

人口一人あたり人件費の金額そのものは、類似団体平均を下回っているため、決して過大な人件費がかかっているようではないようですが、それでも経常収支比率が高いということは、そもそもで分母が小さいという可能性がありそうです。

経常一般財源等になる歳入の合計を人口一人あたりで比較すると、上尾市は176,998円、類似団体平均211,130円となっていますから、やはり経常収支比率の高さはそもそもの歳入の少なさの問題である可能性はあります。

義務的経費を見ると、経常収支比率は人件費と公債費が押し上げている側面が強そうですが、義務的経費の人口一人あたり金額を見てみると、100,997円と類似団体平均 111,036円よりむしろ低いです。

そのため、経常収支比率の高さは、分母となる歳入の少なさに起因している可能性があります。

④その他の歳出

さて、義務的経費以外のもので注目すべきは、「物件費」、「補助費等」と「繰出金」です。

物件費とは、人件費、維持補修費、扶助費、補助費等以外の地方公共団体が支出する消費的性質の経費の総称で、旅費、交際費、需用費、役務費等が含まれています。


単位:千円
単位%

物件費については、経常収支比率としては、18.6 %と類似団体平均の17.5%より少し高い比率となっている一方、人口一人当たりの金額にしても、34,946 円と類似団体平均の 38,608円より低い金額になっています。

上尾市は、「物件費は、ワクチン接種関係委託料の増(+14.7億円)などにより、前年度に比べ14.5億円増(+14.0%)の118.1億円となった。」と総括しています。


単位:千円


単位:%

補助費等とは、各種団体に対する助成金や一部事務組合への負担金のことです。

上尾市の補助費等は、2019年度から2020年度についてはやや高い山ができているものの、基本的に14憶円台となっています。

しかし、経常収支比率としては、3.4 %と類似団体平均の9.3%よりはるかに低い水準です。

人口一人当たりの金額にすると、6,398 円と類似団体平均の 20,372 円よりも14,000円近く低い金額になっております。  

上尾市は、「補助費等は、特別定額給付金の皆減(△228.8億円)などにより、前年度に比べ235.9億円減(△81.3%)の54.4億円となった。補助費等に係る経常収支比率は、類似団体、全国、県平均を下回っている。引き続き、補助・負担金等の適正化を図っていく。」としています。

実際、人口一人当たり補助費の内訳で見ると、一部組合負担金752 円となっており、類似団体平均3,429円と比較して考えると、かなり低いですが、それ以上に一部組合負担金以外が5,646円と類似団体平均16,943円の約三分の一の水準となっています。

これは、他の類似団体にくらべ各種団体への補助金等がかなり絞られていることを示唆していると考えられます。


単位:千円
単位:%

繰出金とは、会計間相互に支出される経費をいい、ここでは一般会計から介護保険事業会計や後期高齢者医療保険事業会計と言った特別会計や公営企業への言わば仕送りのことを指します。

上尾市の繰出金は、他の自治体同様長期で見れば右肩上がり基調です。

繰出金の経常収支比率としては、上尾市13.5 %と類似団体平均の 10.9%よりやや高いです。

人口一人当たりの金額にしても、25,409 円と類似団体平均の23,935円より少し高い金額です。

上尾市だけに限らず、全国の自治体において繰出金が右肩上がりとなっています。

人口も増えている一方繰出し金も増えているのは、人口構成の影響もあるかもしれません。

昭和後期以降に大量に流入した子育て世帯の若年層世帯がここに来て一斉に高齢化して、人口に占める世帯数及び高齢者の割合が増加の傾向にあるとのことなので、その影響もあるかもしれません。


収支の状況他

では、収支の状況を見ていきましょう。

歳入と歳出の差額から、翌年度繰り越すべきお金を差し引いたものが実質収支です。

単位:千円

実質収支は一貫して黒字で近年増加基調です。

実質収支には、前年度から持ち越されているものもあるため、ストック性があるため、純粋なフローを見るとなると単年度収支(=今年度と前年度の実質収支の差額)を見たほうが、より収支というイメージに近い数字を見ることができます。


単位:千円

単年度収支は、2017、2018年度は赤字ですが以後黒字です。

単年度収支の金額は、基金への積立金や市債の繰り上げ償還等は差し引かれていますし、基金の積み立てを取り崩した金額は逆に上乗せされています。

そのため、これらを逆にすれば、さらに実態に近いフローの状況を確認できます。

積立金や繰り上げ償還等は足し上げ、基金の取り崩しは差し引くと、実質単年度収支という数字になります。


単位:千円

2019年度まで毎年少額の積立を行っておりますが、2020年度以降は大幅に積み増しています。


単位:千円

繰上償還金は2019年度を除き行われていません。

積立金の取り崩し額は以下のとおりです。


単位:千円

2019年度のみ10憶円程の取り崩しがあります。

ここで、基金の状況を見ておきましょう。

単位:千円

貯金にあたる財政調整基金はコロナ渦に入った2019年度と2020年度をボトムに以後2021年度に元の水準に戻っています。


単位:千円

減債基金はありません。


単位:千円

特定目的基金について、2021年度に大きく額を増やしています。

来るべき将来の事業に対する資金的手当てを実施しているものと考えられます。

なお、上尾市の特定目的基金の主なものは以下のとおりです。

・公共施設整備基金
・一般廃棄物処理施設建設等基金
・地球温暖化対策基金
・ふるさとあげお応援基金
・森林環境譲与税基金

基金残高について、人口一人当たりに直すと40,518円と類似団体平均の 76,964円と比較して少ない印象です。

話を戻して、以上を踏まえて、実質単年度は以下のとおりになります。

単位:千円

2019年度までは毎年赤字でしかも赤字額が増加していましたが、2020年度から黒字に転じました。

これは、2020年度にコロナ渦関係で大幅に歳入が増えたこと(国庫支出金等の増)と、その割に歳出が増えなかったことで、単純に歳入歳出の差引が増えたことが考えられます。


単位:千円

それに合わせて積立金を増やして、次年度以降に備えているの評価できますが、歳出歳入の差引の拡大は、あくまでコロナ渦の一時的なものである可能性があるため、根本的に収支が改善しているかというと判断できません。


単位:千円

ちなみに、地方債残高ですが、一貫して減少傾向です。

人口一人当たり地方債残高236,792円と類似団体平均 261,053円より少なく、また、先述のとおり将来負担比率は0で将来の負担に対する手当は基本的にできていると考えられます。

まとめ

上尾市の財政をまとめると以下のとおりと考えられます。

・財政力指数と経常収支比率は類似団体平均と同水準
・将来負担比率は0
・歳入においては、地方税収は安定している者の、法人からの税収は少ないせいか、人口一人あたりの地方税収は少ない
・直近では地方交付税等の伸びが大きい
・歳出においては、義務的経費の経常収支比率は高いが、人口一人あたりの金額は少なく、分母となる歳入の少なさに起因している可能性
・近年実質単年度収支は黒字傾向だが、必ずしも抜本的な収支改善が図られたかは判断できない
・人口一人当たりの基金積立額はやや少ないが、地方債残高は減少傾向で類似団体平均と比べると人口一人あたりの地方債残高は少ない

財政力指数も比較的高い一方、収支構造に課題があるのではないかと考えられます。人口一人あたりの地方税収は類似団体平均と比較してかなり少なく、中でも法人からの住民税の上がりが少ない可能性があります。

ベッドタウンとして開発された経緯から考えれば、それはある意味仕方ないことですが、人口は再び増加傾向であるならば、それをビジネスチャンスとして企業を増やす努力も必要なのかもしれません。

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