Dr. MM

元国立大学ビジネススクール准教授のプロデューサー。

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元国立大学ビジネススクール准教授のプロデューサー。

マガジン

  • 研究指導のためのTIPS

    卒業論文や修士論文研究を指導するうえでのアドバイスやノウハウの共有を目的としたマガジンです。基本的に、筆者が指導教官を務めるゼミに所属する学生の方々を読者として想定していますが、内容的にはひろく研究を行う人たちに有用なものだと思います。

  • オンライン学習実施運営のための資料

    もともとは、筆者が勤める教育機関における教員向けに作成した資料です。オンライン学習のために必要なハードウェア等の基本的セットアップから、Zoomを用いたリアルタイム授業、そして教材動画の配信によるオンデマンド教育についてノウハウをまとめています。

最近の記事

【研究のススメかた】リジェクションとNothing Personal

1. 記事の狙いと想定読者層研究を進めるうえでのTIPSをまとめていくシリーズです。大学や大学院での研究に関して、お読みいただいている皆さまになにかしら示唆をご提供できればという思いで書いています。 読者層として、今回は「大学院等の研究機関で研究活動に取り組む」人たちを想定しています。テーマとして取り上げるのは、研究活動を進めるうえで縁が切れることはまずないであろう事象――「リジェクション」との向き合いかたについて。 2. 「リジェクション」とは研究は、世に出してナンボ

    • 多様性と異質性

      ビジネス――特に、イノベーションやアントレプレナーシップの文脈では、多様性が重要だと、よく言われます。 曰く、これまでにない新しい事業を創りあげていくには多様なアイデアを出す必要がある、そのためにはさまざまな経験や知識、スキルを備えた多様性あふれるチームが不可欠だ、的なメッセージ。耳にされたことがある方も多いのではないでしょうか。 今回は、この「多様性」と、それと対をなす概念である「異質性」について考えてみます。 「多様性」と「異質性」は、何がどう違うのか?上図で示した

      • 「才能を語れるほど、努力したか?」

        タイトルは自分がかねてより尊敬する方の言葉なんですが、同じようなイメージの表現は将棋界でも(特に最近)よく聞かれます。 タイトル戦20連勝で史上最高記録を更新、さらに今年(2023)度は年間勝率でも史上最高率を更新するかというくらい勝ちまくっている藤井聡太八冠に対して「才能」を持ち出すのは、じつに直感的(英語だと、"That's human"というところ)です。 それでも、彼に負けてしまうのは自分の才能が劣っているせいなのか、それとも努力が足りていないからなのか、と自問す

        • 【研究のススメかた】ChatGPTと論文を共同執筆

          1. 記事の狙いと想定読者層研究を進めるうえでのTIPSをまとめていくシリーズです。大学や大学院での研究に関して、お読みいただいている皆さまになにかしら示唆をご提供できればという思いで書いています。 読者層としては「大学の学部または大学院で、卒業論文/修士論文研究に取り組む」方々を想定しています(すでに研究者として独り立ちしている同輩の皆さまや、そのタマゴとしてすでに修士論文研究等は経験済みの博士課程大学院生の方々にも、ご参考になるかもしれません)。 今回は、研究論文を

        【研究のススメかた】リジェクションとNothing Personal

        マガジン

        • 研究指導のためのTIPS
          13本
        • オンライン学習実施運営のための資料
          3本
          ¥500

        記事

          論文における「考察」の基本の手筋3選

          最近論文を書き進めていて、自分の中で「考察」の進め方が整理されてきたので、久々に研究を進めるうえでのTIPSをまとめていくシリーズを書いてみます。 読者層としては「大学の学部または大学院で、卒業論文/修士論文研究に取り組む」人たちを想定しています(すでに研究者として独り立ちしている同輩の皆さまや、そのタマゴとしてすでに修士論文研究等は経験済みの博士課程大学院生の方々にも、ご参考になるかもしれません)。 論文を書くには、テーマを決めて先行研究をレビューし、研究計画を立ててデ

          論文における「考察」の基本の手筋3選

          ぼくがかんがえた さいていげん の おんらいんじゅぎょう せっとあっぷ(僕が考えた「最低限」のオンライン授業セットアップ)

          1. はじめに&この記事の宛先読みづらいタイトルですみません m(_ _)m でも、内容はマジメに書きましたので、ご一読いただければ幸いです。特に、企業研修や一般向けセミナーも含む広義の教育関係者で、オンラインで授業や講義、セミナーをしないといけないんだけど、機材をどうしたらいいか悩んでいる――ただし、予算にはかなり厳しい制限があって… という方にご覧いただければと思います。 2. この記事を書いた動機僕は、九州大学ビジネス・スクール、通称QBSというところで准教授を務め

          ぼくがかんがえた さいていげん の おんらいんじゅぎょう せっとあっぷ(僕が考えた「最低限」のオンライン授業セットアップ)

          オンライン授業用機材のセットアップ

          1. この記事の内容が役に立ちそうな人は?オンラインで授業を教える教員もしくは企業研修やセミナーの講師をお務めで、オンラインで効果的な授業や研修、セミナーを行うためにはどんな機材を揃えて、どんなセットアップをしたらいいか悩んでいる方々にとって、ご参考になるかと思います。 2. なんでこの記事を書こうと?筆者は、本記事執筆時点(2020年8月)で九州大学ビジネス・スクール、通称QBSの准教授を務めています。新型コロナウイルスの感染拡大防止措置の一環として、QBSは2020年度

          オンライン授業用機材のセットアップ

          【研究のススメかた】今日のモチベーションに(あまり)左右されずに、論文を書き進める「自動起動」ライフハック

          1. 記事の狙いと想定読者層研究を進めるうえでのTIPSをまとめていくシリーズです。筆者が指導教官を務めるゼミや授業での活用を念頭においています。 読者層としては「大学の学部または大学院で、卒業論文/修士論文研究に取り組む」人たちを想定しています(すでに研究者として独り立ちしている同輩の皆さまや、そのタマゴとしてすでに修士論文研究等は経験済みの博士課程大学院生の方々にも、ご参考になるかもしれません)。 今回は、その日の気分や体調にできるだけ影響を受けずに論文を書き進めるた

          【研究のススメかた】今日のモチベーションに(あまり)左右されずに、論文を書き進める「自動起動」ライフハック

          そろそろAfterコロナの学習のありかたを考えはじめるべきタイミング

          先日、九州大学ビジネス・スクール(QBS)で僕が担当講師を務める「リーダーシップ論」を事例に、授業前・授業中・授業後のオンライン学習の環境を整えるノウハウについてご共有しました。 で、この記事を書き出して思いいたったのが、「コレ、コロナ禍が収束した後、どうするんだっけ?」ということ。本記事では、この問題意識をもとに考えたこと――とりあえず今の時点(2020年6月2日)で、僕がこうしようと思っていること――をまとめてみます。 基本、大枠は変えない結論から述べると、Withコ

          そろそろAfterコロナの学習のありかたを考えはじめるべきタイミング

          オンライン学習の環境を整える

          オンラインでいかに受講生の学びを促進する環境を整備するか、がテーマの記事です。九州大学ビジネス・スクールにおいて、2020年5月7日から開講している筆者の担当科目「リーダーシップ論」での実践をまとめてお伝えします。 目的としては、第一に、オンライン学習に関わる全国の教育関係者の皆さんと知見を共有すること。第二に、今試行錯誤しながらやっていることを自分自身が後で振り返るための備忘録、です。 どんな授業か「リーダーシップ論」は、九州大学ビジネス・スクールの自由選択科目です

          オンライン学習の環境を整える

          オンライン学習のための資料【オンデマンド動画配信型授業編】

          オンラインで授業を行い、受講生の学習を進めるための情報をまとめた資料をこちらで公開します。 もともとは筆者が勤める教育機関における教員向け内部資料として作成したものであり、スーパーなテクニックや思わず膝を打つような画期的アイデアといったものはありません。むしろ、これまで何十年も板書メインで授業をしてきた(ITには馴染みが薄い)年配の教員でもZoomでリアルタイム授業をしたり、講義動画を作成してオンデマンド配信型の授業を行ったりできるようになることに重きを置きました(内部向け

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          オンライン学習のための資料【リアルタイム・ビデオ通話型授業編】

          オンラインで授業を行い、受講生の学習を進めるための情報をまとめた資料をこちらで公開します。 もともとは筆者が勤める教育機関における教員向け内部資料として作成したものであり、スーパーなテクニックや思わず膝を打つような画期的アイデアといったものはありません。むしろ、これまで何十年も板書メインで授業をしてきた(ITには馴染みが薄い)年配の教員でもZoomでリアルタイム授業をしたり、講義動画を作成してオンデマンド配信型の授業を行ったりできるようになることに重きを置きました(内部向け

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          オンライン学習のための資料【基礎編】

          オンラインで授業を行い、受講生の学習を進めるための情報をまとめた資料をこちらで公開します。 もともとは筆者が勤める教育機関における教員向け内部資料として作成したものであり、スーパーなテクニックや思わず膝を打つような画期的アイデアといったものはありません。むしろ、これまで何十年も板書メインで授業をしてきた(ITには馴染みが薄い)年配の教員でもZoomでリアルタイム授業をしたり、講義動画を作成してオンデマンド配信型の授業を行ったりできるようになることに重きを置きました(内部向け

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          【研究のススメかた】論文のタイトルは、ハッとするものを、誠実に

          1. 記事の狙いと想定読者層研究を進めるうえでのTIPSをまとめていくシリーズです。筆者が指導教官を務めるゼミや授業での活用を念頭においています。 読者層としては「大学の学部または大学院で、卒業論文/修士論文研究に取り組む」人たちを想定しています(すでに研究者として独り立ちしている同輩の皆さまや、そのタマゴとしてすでに修士論文研究等は経験済みの博士課程大学院生の方々にも、ご参考になるかもしれません)。 今回は、研究を進めていくときに忘れがち、でも意識してみると意外なほど力

          【研究のススメかた】論文のタイトルは、ハッとするものを、誠実に

          【研究のススメかた】研究テーマを絞り込むときは”幹枝葉”を意識しよう

          1. 記事の狙いと想定読者層研究を進めるうえでのTIPSをまとめていくシリーズです。筆者が指導教官を務めるゼミや授業での活用を念頭においています。 読者層としては「大学の学部または大学院で、卒業論文/修士論文研究に取り組む」人たちを想定しています(すでに研究者として独り立ちしている同輩の皆さまや、そのタマゴとしてすでに修士論文研究等は経験済みの博士課程大学院生の方々にも、ご参考になるかもしれません)。 今回は、研究テーマを絞り込むときの指針として、”幹枝葉”というフレーム

          【研究のススメかた】研究テーマを絞り込むときは”幹枝葉”を意識しよう

          【研究のススメかた】これを守れば、忙しくても論文を進められるユダヤの知恵

          1. 記事の狙いと想定読者層研究を進めるうえでのTIPSをまとめていくシリーズです。筆者が指導教官を務めるゼミや授業での活用を念頭においています。 読者層としては「大学の学部または大学院で、卒業論文/修士論文研究に取り組む」人たちを想定しています(すでに研究者として独り立ちしている同輩の皆さまや、そのタマゴとしてすでに修士論文研究等は経験済みの博士課程大学院生の方々にも、ご参考になるかもしれません)。 今回は、忙しい日々のなかで研究を進め、論文を書き上げるためのライフハッ

          【研究のススメかた】これを守れば、忙しくても論文を進められるユダヤの知恵