【2021年】山田哲人(ヤクルト)、今季100打点到達で、村上宗隆と「30発100打点」コンビ誕生、「ON砲」超えの予感

東京ヤクルトスワローズの山田哲人と村上宗隆が、6年ぶりのリーグ優勝に向けて、「30発・100打点」コンビを結成した。

10月17日、DeNA戦(横浜スタジアム)、ヤクルトが4-3と1点リードで迎えた9回表の攻撃、「3番・セカンド」の山田哲人に打順が回ると、山田はDeNAの三嶋一輝から34号3ランホームランを放って試合を決めた。
この時点で、ヤクルトの優勝へのマジックは5となった(その後、ナイトゲームで阪神が広島に敗れて、マジック4になった)。

しかも、山田哲人はこれで今季100打点とし、2016年以来、自身3度目のシーズン100打点に到達した。
ヤクルトではすでに村上宗隆が、NPB史上最年少となるシーズン100打点に到達している。

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“東京ヤクルトスワローズの村上宗隆がまたNPB最年少記録を打ち立てた。

9月26日、神宮球場での中日戦、「4番・サード」で先発出場した村上宗隆は、1回2死一塁で廻った第1打席、中日先発の小笠原慎之介の初球を捕え、打球はライトスタンドへ。これが先制の今季38号2ラン本塁打となり、岡本和真(巨人)と並ぶと同時に、自身、今季100打点に到達した。”


ヤクルトの過去の「シーズン100打点コンビ」は?



前述の通り、山田哲人はこれで自身3度目となるシーズン100打点に到達だが、ヤクルトの野手で同一シーズンに100打点以上を記録したコンビは、2015年の畠山和洋と山田哲人のコンビ以来となる。

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畠山和洋は岩手・専大北上高校から2000年のドラフト会議でヤクルトから5位指名を受けて、内野手として入団すると、プロ19年間で規定打席到達のシーズンはわずか5度と、故障にも泣かされたが、2011年に23本塁打・85打点のキャリアハイ、2014年に自身初の打率3割を放つと、32歳を迎えた翌2015年はこれまた自己ベストとなる26本塁打、105打点をマークし、自身初の打点王のタイトルを獲得した。本塁打は山田哲人に次いで2位だった。

山田哲人も大阪・履正社高校から2010年のドラフト会議で1位指名を受け内野手として入団、プロ4年目の2014年にセカンドのレギュラーを掴み、打率.324、183安打、29本塁打、89打点、15盗塁と大ブレイクを果たした。翌2015年には、前年の打撃三部門・盗塁の成績をすべて上回り、打率.328、38本塁打・100打点、34盗塁と、NPBで過去8人しかいなかった「トリプルスリー」を達成した(柳田悠岐(ソフトバンク)と同時達成。山田はその後も、2016年に2年連続、2018年に3度目のトリプルスリーを達成している)。

さらに、主に2番、3番を打った川端慎吾も、打率.336、195安打で山田哲人との戦いを制し、首位打者と最多安打に輝いた。

この年、セ・リーグ打率、本塁打、打点の上位2人をそれぞれ独占したヤクルトは投打が噛み合い、前年2014年の最下位から一気にリーグ優勝を果たした。

ヤクルト史上初の「30本塁打・100打点コンビ」の誕生



今季、高津臣吾監督が率いるヤクルトは2年連続の最下位から、2015年以来のリーグ優勝に向かって、中継ぎ陣の踏ん張り、そして、打撃陣では村上宗隆と山田哲人らのバットが牽引している。
まさに畠山和洋と山田哲人の「100打点コンビ」の再来だが、2015年は畠山和洋が30本塁打を超えていないため、今季の村上宗隆と山田哲人は、ヤクルト史上初、「30本塁打・100打点」コンビの誕生となる。

また、ヤクルトの「30本塁打」コンビは前身の国鉄スワローズから含めて、1992年の古田敦也、池山隆寛(各30本塁打)2019年の村上宗隆(36本塁打)、山田哲人(35本塁打)に次ぎ、3度目であるが、今年の村上・山田の二人の本塁打数の合計はすでに73本となり、2年前の71本を超えて球団史上最多となった。

また、NPBで日本人野手同士による「シーズン30本塁打・100打点」コンビは、2018年の西武ライオンズの浅村栄斗(32本塁打・127打点)、山川穂高(47本塁打・124打点)以来である。この年、西武はリーグ優勝を果たしている。

NPB史上初、日本人野手によるシーズン40本塁打コンビの可能性は?


21歳の村上宗隆は今季、NPB最年少での通算100号到達を果たし、10月17日終了時点で39本塁打で、岡本和真(巨人)と並びセ・リーグトップタイでしかも、自身初の本塁打王を、セ・リーグ最年少で獲得できる可能性があり、そして、NPB史上最年少でのシーズン40号本塁打に王手を懸けている。
一方、後方から鈴木誠也(広島)が38本塁打と猛迫を受けている。

村上宗隆は打点もトップの岡本和真の112打点に5打点差と迫っているが、10月13日の39号本塁打以来、4試合、本塁打と打点は足踏みが続いている。
二冠王に向けてまさに正念場を迎えている。

ヤクルトの残り試合が8試合ということを考えると、山田哲人の40本塁打超えのハードルは高い。
従って、巨人の長嶋茂雄・王貞治の「ON砲」すらなしえていない、NPB史上初となる「日本人野手コンビによるシーズン40本塁打」の到達は難しそうだ。

だが、この二人の打棒が引き続き、ヤクルト6年ぶりのリーグ優勝と、2001年以来、20年ぶりの日本一を手繰り寄せる原動力となるには間違いない。

かつて巨人V9を牽引した長嶋茂雄(右)・王貞治(左)の「ON砲」のように、山田哲人(右)・村上宗隆(左)の「YM砲」が、スワローズ黄金時代の序章を開きつつある。

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