酒井順子『負け犬の遠吠え』感想
負け犬とは、
「未婚、三十代以上、子無しの女性」のことを言うらしい。
かなり前に書かれた本なので、負け犬しかり、わりとキツめの言葉が使われている。
男性の負け犬は、オス負け犬、らしい。
読んでいて思ったのは、というかこの本に限らずなのだが、女性は負け犬でも友達がいる。負け犬は負け犬同士で集まって、たとえば自分たちの負け犬具合についてそこそこぶっちゃけて話したりしているのだ。
男性はどうだろう。たとえば俺なんかはそもそも定期的に会う友達はいないのだが、会ったとしても「俺なんて結婚してないし子供もいないし、やりたいこともない。どうすりゃいいんだ?」みたいな話はしないだろう。たぶん。
男性は一人で孤独。
女性は輪になって孤独。
そんな感じがするのだ。
弱さを見せられないオス負け犬。弱さを見せてはいけないという暗黙のルールが、男性を生きづらくしているような気がする。
有吉弘行が結婚した時、有吉のラジオでその結婚に動揺したリスナー(きっと独身)の「……俺、大丈夫か?」というメールが読まれていた。その時は爆笑したのだが、今はもう笑えない。
……俺、大丈夫か?
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