【詩】 嗅覚
湘南の海沿いの地下道、そこを抜けると
ふわっと焦がれた夏の臭いがした
尽くせぬ胸の痛み
君とひと夏を過ごした懐かしい風景と磯の匂いとさざ波
ただちょっと恋の臭いを嗅いだだけ
君は、今、何処で、誰と手をつないでいますか?
あのとき、毎日一箱は吸っていた紙タバコもいまでは電子タバコ
代わりによりとりどりの小説と数本のサーフボードとスケボー、そばには柴犬
私はあいも変わらず元気に生きています
予定は立ちませんが、まだ暫くかかるとは思います
いつかそちらにいきますからね
空の上、雲の彼方に世界があるとするならば、そこで再び出会えるでしょう
腰まで伸びた長く焦げ茶色の髪、そこから微かに香る爽やかなミントの臭い
いつまでも忘れない、忘れられない、あたなたのほんのり日焼けした、触れると少し火照った頬にその笑顔
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