孤独の、アウトドア

7月初旬、天気は晴れ。 平日朝の丹沢の登山口は、シニアの登山客がちらほらと見受けられる程度だ。そこにまぎれて、20代の男が一人。もう何年も前の私だ。その頃、ちょうど仕事が一区切りしたタイミングで、これから自分の人生をどうするか考えようと休みを取って山登りに来たのだ。

休日は多くの登山客が訪れる丹沢も平日は人もまばらだ。一人山の中に入っていくうちに日頃の些細なことから離れられる。もともと考え事をするのに、机の前でじっとしているよりも、ぐるぐると散歩をする方が性に合っていることもあり、一人登山は自分と向き合うことができる。半日程度の日帰り登山だったが、とても充実したひと時だった。

以来、自分のこれからを考えるときに、折に触れて一人山に入るようになった。とはいえ、自然の中で自分と向き合えるような時間が目当てだったので、世のトレッキングや高山クライミングのブームには我関せずだった。

あるとき、たまたま書店で「ロングトレイル」の本を見つけた。全長4,200kmアメリカ西海岸にあるパシフィック・クレスト・トレイルの紹介だったが、カリフォルニア~シエラネヴァダ~オレゴンと、もはや長い旅のようだ。そのスケールの大きさに感動して、人生で一度歩いてみたいと思った。

ロングトレイルの映画も調べたらあるそうで、時間ができたら見てみたい。

またあるときは、火を火打石から起こすほどの本格アウトドア派の友人から、究極のサバイバル番組を教えてもらった。砂漠や北極圏のど真ん中など、極限状態の中、最低限の装備だけで生き延びるというクレイジーな内容だが、いろいろ感化されて 自然の中のサバイバル術に凝ったこともあった。ちなみにその番組はNetflixでもあるようだ。

そして、今月から「ひとりキャンプ」なるTVドラマがはじまったようだ。世間に何があったのか、一人キャンプがはやりつつあるらしい。どうやら自然の中で一人で過ごしたい人は自分だけではないらしい。最近は一人で山に入ることも少なくなっていたので、番組を見ると こもりたくなってくる。

ひとり、キャンプで、食って、寝る。最高じゃないか。

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