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火、お湯なし日記

数ヶ月前、

ガス会社から任意でガスメーターの調査に来たいと連絡があった。ガス漏れがあるかもしれない、とのこと。

アポイントはアメリカならではの「午前」か「午後」の二択。何時、とかいう生ぬるい選択はない。

午前を選択して、大家さんにも連絡して朝から待機。8時、9時となんともなく過ぎて気が付いたらお昼の12時を回っていた。

すぐさまガス会社に連絡。調査が必要かもしれないという、切羽詰まらない理由で家に拘束されているのは見えないストレスだ。買い物にも散歩にも行けない。

ガス会社曰く、近所でガス漏れが見つかり、私の家に来るチームは緊急でガス漏れの修理に向かった、とのこと。でも今日中には来るから、連絡を待て、と…。

任意なのに、なぜだい?こっちが待つのかい?

どういう状況なのか、そちらから一本連絡してくれないのかい?

私の1日は君にとってはどうでもいいのかい?

しかももしガス会社が来た時に不在となると、ペナルティで約80ドル支払わなくてはいけないということ。なぜ?なぜ?本当に、なぜ?しかない。

アメリカはこういうことがよくある。

郵便、ガス、水道、電気、インターネット等のライフラインがおかしな挙動をすることがある。日本並みのサービスは求めてはいけないのは重々承知だ。

午後に家を出る用事もキャンセル、大家にも電話で伝えられたことをそのまま伝え、今日中には来るらしいので、待っててもらうように頼む。

家での作業をしていたら、気がついたら午後6時近かった。

もう一度ガス会社に電話。今日本当に来るのか来ないのかだけでも教えてほしかった。

電話に出た人は「チームは今そちらに向かってる」とのことで、待機続行。

気がついたら午後8時過ぎていて、ガス会社の電話は無情にも自動対応のテープの声になっていた。

「営業時間外なので、また明日おかけなおしください。」

はあ。

大家さんに再度連絡。大家さんも1日中連絡を待っていてくれて、本当に申し訳ない気分。

大家さんは「あなたは悪くない、責任を全うした。お金は払わなくていい、むしろ向こうに払ってもらうくらい必要でしょ!」と、優しいお言葉。

次の日朝イチでガス会社にまた連絡。なんと、前日の午後7時頃来ていた、連絡先の電話番号にも電話したと言うのだ。家のインターホンは壊れていない。ただ一つの電話番号が繋がっている携帯の着信履歴には何も表示されていない。

電話対応してくれた方には悪いが、語気強めに前日何が起こったのか事細かに話した。

彼女は「そう。それで次のアポイントはいつにする?」との冷酷な反応。

私「今すぐには次の空いてる日のスケジュールわからないんだけど」

ガス担当「じゃあわかり次第また電話して」

がちゃん。終了。

その日以降、ガス会社からは毎月の請求書以外の連絡は来ない。

そんなことがあったにも関わらずガス漏れ疑惑のことはすっかり忘れていた。


そして、今日。

大家さんから連絡があった。

ガス漏れが見つかったため、修理を呼ぶが週末のためいつ来るか不明。直るまで、コンロで火が使えないのと、お湯が出ないとのこと。

まさかあの数ヶ月前からずっとガスが漏れていたのだろうか。

数ヶ月に渡りガス漏れがあっても無事に生きていけるものなのだろうか。(生きてはいる)

というわけで午前中に近所で特大のベネズエラのサンドイッチとコーヒーを買い、絵を描いて冷たい水で手を洗っている1日。お風呂にはまだ入れない。

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