2023.6 読書メモ
毎回ではないけど、本を読みながらメモを書くことがあって、読み返したら面白かったので記録として。
思いつくままに書いているので、多少読みづらさはあるかもしれない。そして一部ネタバレ表記があるかもしれないのでご注意を。
2023/06/20
「チョコレート語訳 みだれ髪」読了
俵万智さん訳のみだれ髪を読んでいて、最初難しいなぁとなかなか手が出なかったのだけど、解説で俵さんが「正直言って、半分も意味がわからない」「わかってやるぞという気持ちを捨てて」とおっしゃっていて。
わからなくても良いんだと、どこかほっとしたというか、肩の力が抜けた。
なんでも、正解はこれ、とか結果を求めがちだけど、そうじゃないときがあってもいいんだよね。
そう気付いてから読み進めていくと面白いこと。そして彼女たちー与謝野晶子と俵万智、ふたりの言葉選びの大胆さにも驚く。
表には見えてこないだけで、秘めたる思いは昔からブレることはない。好きなものは好きなんだという真っ直ぐな気持ちが眩しいと感じてしまう。
今までの私には無い感情が、想いがいっぱい溢れていた歌集だった。
2023/06/21
「パン屋再襲撃」読了
ファミリー・アフェア、パン屋再襲撃、象の消滅は面白かったな。
ねじまき、ローマ帝国、双子は分からぬことが多い。
前より読めるようになってきたけど、分からぬものは分からん。今の私には難しいけども、年齢を重ねて、いつか「こうだったのか!」とくるかもしれない。
村上作品は正解を求めるというより、雰囲気を楽しむというか、簡単なことを難しく言ってるから分からなくなるだけなんだなと思ってきた。
同じ日本語なのに、一瞬「……何を言っているんだ?」となるの不思議すぎる。
そして、やれやれという言葉を沢山見た。おぉ、これがウワサの「やれやれ」か!と初めて実感した。
今まで読んだ本にも出てはいた。でもこんなに多く目にするのは初めてだったから、つい感動してしまった。
相変わらず、生々しいワードはさらっと出てくるけど、慣れてはきた。
……ただあまりにも直接的すぎて、一瞬おおっと驚くけど。いや普段隠しすぎなのか?という疑問も出てきてしまう。
特に「ねじまき〜」に出てくる、電話のお姉さん怖すぎないか……?
電話しながら誘うというか、あれを10分間でできてしまうのか……という虚無感がすごい。
路地を歩いていたら出会った女の子、なぜそんな服装なんだい?と思ってしまった。
日光浴のためとはいうけど、眠らせたあといなくなるの怖いって。
ワタナベ ノボル が至る所に出てくる。以前安西水丸さんがおっしゃってたことがコレか〜と。
同僚、婚約者、猫……色々化けて出てくるの面白い。
「レキシントンの幽霊」は怖い話多かったけど、「パン屋再襲撃」はまた違った。
「パン屋再襲撃」は、「パン屋襲撃」もあるんだよ〜と聞いて、すぐに本棚から探し出して読み返した。
この夫婦がねじまき〜にも出てくる夫婦らしい(村上さんがおっしゃってたそう)
「ローマ〜」はこの中でまた不思議な印象、雰囲気が違った話だった。
強風と、その中で現れる言葉たち。
主人公の日記の付け方いいよなぁと思った。
毎日キーワードを集めて、それを週末に文章にして書いていく。
思わずやってみたくなった。
あと村上さんの書く、スパゲッティってなんであんなに美味しそうなんだろ?
あと、不倫とか浮気とか村上作品ではよく出てくる。
今までなら非日常な出来事だったけど、周りの話を聞いたり見たりすると、結局日常とつながっていたりするんだなぁと思えてくる。
事件や騒動になるようなことって、つい自分と切り離して考えがちだけど、実際どこかしらでつながってるんだよな。
道を外れるとはよく耳にするけども、それはやろうと思えばすぐにできてしまうのかもしれない。と村上作品を読むたびに思ってしまう。
***
ここ数年で村上作品が読めるようになってきた。といっても短編やエッセイがほとんどだけど。
自分の年齢が主人公と近くなってきたからか、昔は分からなかったことや見えなかったことが、ぼんやりと掴めるようになった。
分からないことは多いけども、この言葉いいなぁと思う場面はあるし、前ほど抵抗がなくなってきたのは面白い変化だなと思う。