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『友人の本棚~1分で読める感想文~』vol.6「ぼくは愛を証明しようと思う」

「モテたいって、何歳くらいまで思うんだろうか?」
男はいくつになっても若い女性が好きだし、女はいくつになってもキレイでいたいと願うし、たとえ生殖能力がなくなったとしても「モテたい」という気持ちがなくなることってあるのかな?

そんな話を友人にしたら、この本を手渡された。

「恋愛工学」と呼ばれる「モテるための方法論」を、非モテ(モテない)主人公が一つ一つ実践していく中で「リア充」を目指す物語。高校までは数学が好きだった僕からしたらタイトルの「証明」という言葉にちょっとテンションが上がってしまったのだけれど、「愛の方程式」とかいかにも安っぽい感じをイメージしてしまったので、実際のところ「なんぼのもんじゃい」と何故か若干の上から目線で読み始めてしまったことも正直に告白したい。


恋愛工学。
いまでは金融や広告など様々な分野が数理モデルに従って動いている。かつては文系人間たちのガッツで回っていたこうした業界は、いまや複雑なアルゴリズムを操るオタクたちが牛耳っている。だったら、恋愛だって同じことになりはしないだろうか? 答えはイエスだ。恋愛の世界でも、恐るべきテクノロジーが密かに開発されていたのだ。
僕は、世界最大の半導体メーカー・インテルの元CEO、アンドリュー・グローブの言葉を思い出した。
 
“Technology will always win”
(最後にはいつだってテクノロジーが勝利する)

読み終えて一番最初に思ったのは、スポーツや音楽と同じように、「恋愛」も「上達」が可能な分野なのだということ。そこにはきちんとした「理論」があって、それを「実践」し「訓練」することによって、「生まれながらの初期設定」をいくらでも凌駕することができる。

僕は正直、恋愛にはそこまで興味がない。「モテたい」という気持ちはクソほどあるけれど、それはきっと「承認欲求」で、「最愛の人」はたった一人そばにいてくれれば満足なタイプなのだと思う。なので「恋愛工学」をそのまま使うというよりも、人から好かれるための「人間工学」として使いたいなと思った。

「モテたいって、何歳くらいまで思うんだろうか?」という問いの答えはこの本では見つけられなかったけれど、むしろ「いくつになってもモテたい」と思っている人の方が男女問わず魅力的だよなって、素直にそう思えてきたので、僕はこれからも堂々と「モテたい!」と声に出していきたいと思った。

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