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遅い昇進と、育休取得の関係

人的資源管理の領域では、育児休業や介護休業取得などと、昇進の関係についての研究も多くあります。一般的には、休業取得することが多い女性が男性に比べて昇進が遅れるというものです。一方で、遅い昇進であってもワークライフバランスが取れるメリットがあるために、従業員満足度は低くはないという研究もあります。

けれども、昇進だけがキャリア形成の目標かどうか、考えておきたいものです。男性に対して「昇進コースから外れていいのだな」という声かけが職場であるのも、その価値観が背景にあるからですね。

また、昇進までの年数がかかりすぎていないか、ということにも注目したいものです。

マネージャー職への昇進に、企業内での経験が10年以上は必要だという業界もあれば、2年程度でも人によっては可能という業界もあります。10年かかるのであれば、その間に休業することで、昇進が遅れるかもしれませんが、2年程度であれば、その前後ですぐに挽回できるかもしれません。


そもそも、昇進がキャリア形成だと捉えられる環境であれば、不利になることも、その他の多様なキャリア形成が認められる環境であれば、そうとも限りませんね。昇進を選ばない専門性を磨くキャリア、複数の強みを持つキャリア、副業で新しい価値を創造するキャリアなど。

また、離職ブランクがある方が、40代で再就職したとして、今の時代は定年まで20年あります。昇進の速さ遅さとは関係ない新たなキャリア形成が始まっており、組織にとっても個人にとっても、どのようなキャリア形成を行うのか未確定です。

働く人のほうが、最新の情報を収集して、柔軟に労働市場を移動していきます。休業をどうとらえるかは、組織次第でもあり、個人次第でもあるということです。