私も保健室の先生になりたい

保健室の先生という職業を目指したのは高校2年生の頃だった。

当時、母校の養護教諭は大ベテランの先生。

生徒から見てもユニークな先生だった記憶がある。

私がなんの気無しに

「私も保健室の先生になりたいな〜」

と話すと、彼女は

「いい仕事よ〜生徒と話しながらコーヒー飲んでればいいんだから」

そうなんだ。なんていい仕事だ。

私の心はこの一言で決まった。(単純すぎて殴りたい)


月日は流れ、高校の養護教諭となった私に生徒が問いかける。


「私も保健室の先生になりたい!」


キラキラした目をした女子生徒に私は答える。


「とりあえず四大出ないと難しいけど、大丈夫?」

まあまあ意地悪な先生だ。

夢も希望もない答えに生徒はトーンダウン。

(この高校は教育系、看護系の四大進学率が高くないので仕方ない)


(無理とは言ってないよ?)


何人かの生徒が同じことを言ってくれる。

そんな風に言ってもらえるうちは、きっと彼らには私が輝いて見えているのだろう。
そんな私だったら、彼らに伝えられることがあるんじゃないかと思っている。

さあ、本当に養護教諭になる子は出てくるかな?

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?