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高卒低収入ワーママが「ワーママはるのライフシフト習慣術」を読んだ

「ワーママはる」さんをご存知だろうか

私がワーママはるさんを知ったのはTwitterである。

育休中、赤ちゃん主体に24時間動くのはわりと孤独なので、Twitterで育児アカウントを作った。その時に見つけたのである。

外資系メーカー勤務16年、転勤族、フルタイム、不妊治療(顕微授精)で小学校2年生と4歳の息子が2名。2020年4月、会社員を卒業してサバティカルタイムを過ごしています。
日々の生活の合間に、色々な発信をしています。年間300冊の読書、ヨガインストラクター、大学では心理学専攻だったので得た知識から色んなコトを少しずつアウトプットしています。
http://haru-oishi.com より引用

育休中にお子さんの知育、不動産の勉強などパワフルに活動されているように見える。職場復帰後にはVoicy(音声配信)のパーソナリティーに選出された。2020年4月、会社員を卒業してサバティカルタイムに入り、ヨガスタジオ経営や不動産業、発信業をしている。それなのに、普通のワーママですと言って退けるその様に、「普通とは……?」とおののくばかりだ。

そんなワーママはるさんの頭の中を、発信活動を軸に体系的にまとめたのが「ワーママはるのライフシフト習慣術」だ。

「ライフシフト」とは

「ライフシフト」という言葉は、リンダ・グラットン、アンドリュー・スコット著の「LIFE SHIFT」で一躍有名になり、私も読んだことがある。

そこで思ったのが、親世代と同じ生き方はできないことの痛感である。
長寿化により、教育→仕事→引退の3ステージでは済まなくなったのだ。

まず引退後の時間が長い。厚生労働省の、令和元年簡易生命表の概況によると、2020年の日本女性の平均寿命は87.45歳だ。(https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/life/life19/dl/life19-02.pdf 参照)
65歳で退職して、87歳で亡くなるとすると22年間もある。子供一人成人してしまうではないか……。

そして世の中の変化が早いので、自分が受けた教育や仕事の知識のままでは、新たな職を求めるときに陳腐化する恐れがあるのだ。

そんな新しい時代を、人との繋がりをもち、健康寿命をまっとうしながら生きる必要性を説く名著である。しかし、「LIFE SHIFT」は日本のワーキングマザーには再現が難しい。制度やマインドセットが違うのだ。

「ワーママはるのライフシフト習慣術」

「ワーママはるのライフシフト習慣術」は日本のいちワーキングマザーの視点で書かれた、ライフシフト術だ。下記の5つの章からなる習慣術は、はるさんの経験と読書量による知見がつまっている。

第1章  「仕事」の習慣
第2章  「人間関係」の習慣
第3章  「子育て」の習慣
第4章  「お金」の習慣
第5章  「学び」の習慣

個々におかれている状況が違うと思うので、自分が真似できそう、と思うところから試すと良い。おそらく、一番はるさんの真似をしやすいのは、高収入の共働き夫婦だ。今まで、あらゆる自分の努力で解決してきた。産休を経て、復職し、いざワーキングマザーになり初めて壁にぶち当たった人が、最も刺さる内容だと思う。育児で削られる今、自分の時間を注ぐ努力だけは解決できないと。

「夫婦は共同経営者である──「ファミリーキャリア」のススメ」
(第1章  「仕事」の習慣より)

など、はるさんのロジカルな考え方は、乱れてしまった家族運営を見直すきっかけになると思う。

高卒低収入ワーママの参考になるのか

煽ったキャッチになるが、私は高卒、低収入(元が低いので、時短になったら手取り1桁万円になった)と、はるさんと対極にいる。なので、

「外注がムダかどうかは、時給と価値で判断」
(第2章  「人間関係」の習慣より)

をまともに計算すると大赤字である。

それでも、この本は参考になる。なぜなら、私では辿り着けない知見と、私が使えない金額を注いでできた本だからだ。「普通のワーママじゃないじゃん!」と思わずに、「1,650円でこの知見を得られるのありがてぇ……。」と思うと幸せになれると思う。読書は自分の力では会えない人の話が聞ける。

ロジカルで理論整然とした文章は、自分の心がざわついているときには冷たく感じがちだ。章前のQRコードを読み込み、声の抑揚が温かみを感じるVoicyに切り替えるといいかもしれない。

実務に役立てなくても、例えば、家事育児の主担当がなんとなくモヤる感情を

「特に家事や育児は「何かを達成」する行為ではなく、快適な「平常状態」を維持するためのもの。仕事とは種目が違うのです。」
(第1章  「仕事」の習慣より)

など言語化してくれるので、スッキリする。

新しい時代を生きる指針のひとつとして

私がもしも中高生の子供を持つ身ならば、この本をさりげなく机の上に乗せると思う。貯めるだけがお金の使い方ではない、第4章「お金」の習慣、学校だけが学びの場ではない、第5章 「学び」の習慣、は早めに知っておいた方が嬉しいだろう。
人生100年時代の生き方のヒントに、ワーママ以外にもおすすめしたい1冊だ。

時間のないワーママは耳読しようという話。はるさんのKindle本も耳読できます。ご興味ある方はどうぞ。



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