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「子育てしながらフリーランス」は妊娠前に出会いたかった

Twitterでたまたま流れてきた「子育てしながらフリーランス」。イラストレーターのカワグチマサミさんの著書で、どうやら”子育てしながら「いい感じ」に働く”ための本らしい。

2021年からフリーランスのWebライターになった私は、「何それ知りたい」と食いついた。そして一気に読んで今にいたる。読み終わった直後の感想は、

「働くすべての人類に読んでもらいたい……」

大げさに聞こえるかもしれないが、この本「フリーランス」と銘打っているものの、子育てしながら働く大変さについて、分かりやすくマンガと文章で書かれているのだ。私も育休明け1年目「子育てしながら働くのなめてたわ……」と、すべての主体的に子育てしながら働いている人類にあやまりたいぐらいだった。子育て中の社員がいるチームメンバーは読んで欲しい。

ここまで言うと想定読者が大きすぎるので、もっとターゲットをしぼると、

「子育て中も働きたい」と少しでも思っている方や、「子どもが生まれたら働き方ってどうなるんだろう」と感じている方に読んでもらいたい。

「子育てしながらフリーランス」の疑問の答え全部入り

目次を見ていただくとなんとなく分かると思うのだが、この本は、「子育てしながらフリーランス」の疑問の答えがまんべんなく入っている。まんべんなく入っているおかげで「分からないことが分からない」ことを解消してくれる。

序章 フリーランス、子どもができたらどうなるの?
第1章 子育てフリーランスこそ「ワクワク」ワーク
第2章 子どもが小さいときはフリーランス準備期間
第3章 子育てフリーランスのがんばりどころ
第4章 家庭との「いい感じ」のバランスをめざして
第5章 子育てフリーランスのリアル

子育てしながらフリーランス/カワグチマサミ著

ちなみに、もっと詳しく知りたかったら、”子育てフリーランスのためのお役立ちBOOK”が巻末に紹介されている。本を買い足すとき、書店で迷わないので親切。

妊娠中も子育て中です

序章のマンガでは、カワグチマサミさんが妊娠中のトラブルで、想定以上よりも早くお仕事を手放さなければならなかったことが描かれている。実は私も低置胎盤で、育休を3週間早めた。普通に生活していても妊娠中にトラブルは起こる。恥ずかしながら、自分の身に降りかかるまでそんなことは知らなかった。妊娠中も、「赤ちゃんの命を守る」任務が始まっているのだ。

「ワクワク」は子育て中に冬眠する

経理、営業、制作……役割が分かれている会社員とは違い、外注するにせよ、最終的な判断は自分で行うフリーランスは「ワクワク」しないと続かない。第1章は、フリーランスとして仕事を決めるときの、自己分析の大切さを説いている。とはいえ、子育て中のパパママ、最近ワクワクすることありますか?

育児は子どもの命や将来も関わるものですから、自分より子どもの時間を優先するのは仕方ないことです。私も、慣れない育児でテンテコマイの時は、ワクワクアンテナが鈍っていました。

子育てしながらフリーランス (p.54)/カワグチマサミ著

そう、子育て中は、予防接種のスケジュール、服選び、体調管理、食事……子ども分の意思決定もすべて親が行なわなくてはいけないのだ。2歳児のルックスで普通にご飯食べたらかわいいのに(散乱する残飯)みたいな日々で、ワクワクなど冬眠してしまう。そんな親たちに寄り添いながら、ワクワクのアンテナを立てるヒントを伝えてくれる。

3つのポイントをおさえて仕事につなげる

「ワクワク」だけでは当然仕事にならない。そこで、3つのポイントをおさえる。
①ワクワク
②スキル
③ニーズ
これらを発見するワークを考えて書いて、仕事につなげるのだ。

育休中に電話の掛け方忘れました

扶養を抜けるタイミングなどのフリーランスのお金事情、働くために欠かせない保活、家族がチームとして動き出すまでの葛藤や、共働きの家事など、とにかく網羅的に書いている本なのだけど、個人的に「いいな」と思ったのは営業方法の実例。

営業って仕事でやってこない限り、縁のないことだと思う。でもフリーランスになって始めのころは営業しない限り、仕事はやってこない。それを具体的な8つの例で教えてくれる。

営業電話の実例では、実際の会話例も書いていて感激した。電話が苦手な人って多いと思うのですよ。私も実際苦手で、育休明けの電話の受け答えは震えた。ましてや営業電話って何を話したらいいのか分からないので、1例だけでも載っていたらうれしいのだ。

タイムマシンがあったらこの本を届けたい

私の感想を読むよりも、とりあえず「子育てしながらフリーランス」を読んでみて欲しい。産後は24時間育児で、本が読めなくなる人もいると思うけど、マンガ部分だけなら読めると思う。(育児中は体が資本なんで、睡眠が最優先ですが!)コミカルなマンガとクスッと読める文体で、とっつきやすい本だ。

そして、私は妊娠前にこの本に出会いたかった。敵を知らないと戦えないように、「子育てしながら働くとはどういうことか」を知らずしてワーキングマザーになるのは、ぬののふくとひのきのぼうでラスボスと戦うのに等しかったのだ。育休中に、平成仮面ライダーの一気見をしていた私を「子育てしながらフリーランス」の角で殴りたい。

そうしたら、会社員としての限界を感じ、見切り発車でフリーランスになる前に、もっと仕込みができたと思う。

「子育てしながらフリーランス」は、すべての”子育てしながら「いい感じ」に働きたい”パパママに必読の1冊だ。







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