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映画「ザ・キング」

「犬に食べられる映画」を見に行く。飛行機で一度見たけど見に行く。前売りを買ってまで見に行く(ステッカー欲しさ)。それは映画「THE KING」の魔力によるものでしょうか……。2回目だけどやっぱり面白かった。

チョ・インソン×チョン・ウソンが主演だからなのか、祝日のレディースデーとあってなのか、いつもはそこそこ空いているシネマート心斎橋に人がごった返している。妙齢の女性の団体(我々含む)、大阪によくいる気合いの入ったおじさんとおばさん夫婦が主な客層でした。

チョン・ウソン演じるパク・テスは片田舎の貧しい村で暮らし遊びとケンカに明け暮れていたが、テスは高校生の頃、暴力と窃盗を繰り返していた父親の逮捕をきっかけに権力を持つ検事になろうと決意。猛勉強の末、ソウル大学を卒業し、検事の資格を勝ち取った。さらには大手企業の令嬢と結婚し、地方都市の新人検事として安月給にぼやきながらも懸命に仕事をこなしていた。

そんな日々の中、テスが担当したとある事件をきっかけに、ソウル中央地方検察庁でエリート検事として名を馳せるハン・ガンシク(チョン・ウソン)と知り合いになる。ガンシクは検事の情報を使って、様々な企業や政治家などに近づき、金を権力を自らの思うままにしていた。まさに検事界のキングであった。

ガンシクとの出会いにより、検事としての倫理観を捨て、欲望の渦へと転がり落ちていくテス。

「プライドを捨てろ!権力により添え」というキャッチコピー通りの展開が続いていきます。検事が「情報」という権力を持つことで、政財界や企業はもちろん、芸能界に至るまで国内のすべての「闇」を牛耳ることができるのです。そして、その情報を機が熟したタイミングで世の中に出すのです。よくあるのが、政界の事件を覆い隠すために、芸能界のスキャンダルを流す。選挙で相手側の当選を防ぐために、相手方が困る情報を流す、などなど。すごくありそうな話。もちろんヤクザとも大きな接点があったのです。

ガンシクはヤクザ一派も手なづけており、そのヤクザ一派の手下にテスの同郷で幼なじみのチェ・ドゥイル(リュ・ジュンユル)がいたのであった。ドゥイルはテスに「お前は表の仕事をしろ。俺が裏の仕事をやる。お前はこの国のキングになれ!」と言うのです。

その言葉の通り、汚れ仕事はすべてドゥイルが行い、ドゥイル自身も野心を満たすべくテスの力を使って上層部を裏切り、勢力を拡大していくのであった。

さらにガンシク一派は大統領選挙などを上手く利用して「向かうところ敵なし!」という言葉がぴったりくる勢いで権力を築き上げていったのである。いい絵面ですね。てっかてかの顔が野心と自信を見事に表現しています。最高♥

順風満帆なガンシク一派。しかし、そう簡単に終わらないのが韓流映画の素晴らしいところ。権力を乱用するガンシク一派に厳しい捜査の目が向けられるのです。そうなるとトカゲの尻尾切り作戦が始まります。これはどこの国でも同じですね。今、日本でもまさにその光景が見られますね。そして、テスがその尻尾にされ、ガンシクによってどん底まで落とされてしまうのです。

ただし『やられたらやり返す』のお国柄。テスの逆襲が始まるが、敵は巨大権力を持つ検事。果たして誰が『本物のキング』に登りつめるのか? 

息つく暇もないくらいの極上エンターテイメントに仕上がっております。犬にも食べられちゃうよ。マジで。

#コラム #映画 #ザ・キング  #012 #0321 #韓流映画

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