ものばかり

大ぶりなネオンと笑い声で満たされた深夜の繁華街
何も考えてなさそうな幸せな顔をした奴らばかり
でもこの路地を裏手に回れば輝きと裏腹のはきだめを
なかったことにして避ける先進国とはその名ばかり
毎日どこかで人が人を殺し、知らない誰かに祈り捧げ
産んだかと思えばすぐにゴミ箱へ投げ捨てる希望の薄明かり

この白々しい騒がしさに全身を染めることもできずに
だからといって真っ向から戦う勇気もなく人を憚り
マンガや映画の場面転換のように今ここにいる瞬間
まばたきと同時に都合よく変わってくれればいいのに

なぁ、僕と同じようにあの町からこの街に出てきた君は
出会わずとも 少なくとも 僕と似たようなことを思っているのか
なぁ、ここで見る月も星も、あの頃と変わらず綺麗だが
ここにある 月も星も この街が生み出したものではない

馬鹿ばっかりって何もやらないで周りを見下して
愚痴ばかりこぼして拾いもせず群衆に吐き捨てて
仕方ねぇと誰かのせいにしてそういう生き方に甘えて
何も言わぬ君よ 無理に誰かの真似をしないで
これは誰のものでもない 君や僕の物語

腐るほどある人や物を手放すことに何も感じなくなって
飛び込んだり飛び降りたりすぐに命を捨てられる死にたがり
仲間を増やすため正しいと信じる心を振りかざし
誰も振り向いてはくれず声を枯らすひとりよがり

最上階展望台、迷路のような商業ビル、列成す電車
地下アイドル、行列待ちの店、ガム跡だらけのアスファルト
僕らの町にはなかったものがこの街には溢れていて
溢れ出たものがまとわりつき僕らを変えようとしている
だから、僕らはもがきながら自分で息をするために 着飾りを捨て

馬鹿ばっかりって何もやらないで周りを見下して
愚痴ばかりこぼして拾いもせず群衆に吐き捨てて
仕方ねぇと誰かのせいにしてそういう生き方に甘えて
まだ何も言えぬ君と僕は やっと動き始めたばかりだ
こればかりは誰にもとらせない 君や僕の物語

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