二時限目

紙ににじむインクをただ見ている
黒板の文字はどんどん増えていって
見失ったからノートをとる意味はもうない

おもちゃ箱から飛び出した世界は
思ったほど面白くなくて
散らかったままが好きだった
片づけるのは苦手だった

ゆらゆら枯れ葉が舞い落ちる
見せつけるように舞い踊る
飛べないのは、僕だけみたいだ

マーカーペンが手元から 離れて床の上をはねた
ふとした勢いで目は前を見る
僕がたどって線を引きたかったのは、他人事ではない 自分自身のこと

紙ににじむインクの上から書いた
破けた後ろの紙にもにじんでいた
どっちも元には戻らないけど次のページはまだある

カラスが飛ぶ台風明けの空は
僕には特別な意味に思えて
どこからか飛ばされたバケツが
僕の心のように風に撫でられて揺れる

つらつら次の言葉がめぐる
誰かに届けたい言葉を紡ぐ
飛ぶために必要なのは、羽じゃない、覚悟だ

シャープペンをノックして あふれ出るものを刻む
みんながどうとかじゃなくお前のことだろ
僕が芯を削らせ表したかったのは、教科書の写しではない 自分自身のこと

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