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コーヒーという時間

職場でコーヒーを淹れるということが多いのですが、どうも私はそれがあまり好きではないのです。

来客があると仕事の手をとめ、しばしコーヒーメーカーから落ちてくる飲まないコーヒーと向き合うのです。
どの職場でも大体こだわりはなくなんでもよいと言ってくれるのですが、唯一のこだわりが「コーヒー」なのです。
『なんでもよいならインスタントコーヒーでもお茶でもよくないか』と思いながら、コーヒーめ、早く落ちんかい!とカップをガチャガチャ準備したり、飲み残されたものを片付けながら時間返せと思ったりしてしまうのです。
コーヒーにはなんの罪もないのですが。

でも、ある人たちとの出会いで私はこのコーヒーの時間が楽しくなったのです。

ある職場で出会ったキョウコさんはコーヒーがとても好きで、みんなにもこのおいしいコーヒーを飲んでほしいとふるまう人です。
そしてもうひとり、キョウコさんと同じようにコーヒーを愛するY。
Yはコーヒーを飲まないと生きていけないが口ぐせです。
2人とも豆はこれじゃないといけないとか、淹れ方はこうじゃないとなどと細かいことは言いません。この人たちもこだわりがないのです。

休憩時間は自分もコーヒーを飲むので、ついでに何人か分つくっておきますが、この2人はとても忙しく、ほかの人より遅くなってしまうことも日常です。
でも、コーヒーメーカーに残った、こげつく寸前のコーヒーでも飲むと必ずおいしい、ありがとうと本当にうれしそうに言ってくれるのです。

私はこの言葉に見合ったものを出しているのでしょうか…。
よし、この二人にベストなタイミングでおいしいコーヒーを飲んでもらおう!

2人が休憩に入る頃合いを見計らって、コーヒーメーカーでポタポタとコーヒーを淹れる。憂うつな時間だったこのコーヒーの時間が楽しくなり、来客用のコーヒーもどうせならおいしいく淹れてやる!と思いはじめたのです。

今は3人とも職場がわかれてしまいましたが、たまに集まってコーヒーを飲むときが最高においしいコーヒーの時間です。

新芽を見下ろす、ドライrose🌹

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私のコーヒー時間

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