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ZINE『布団の中から』

一年ほど前に、ZINEを作りました。

寒い雨の日、深夜にぼんやり文章書いたりしてたら、一年前は必死に期限&睡魔と闘いながらZINEの文章とか考えてたな…と懐かしくなったので、少し内容を公開してみたいと思います。

0.まえがき
1.「中学時代、気になるあのこ」
2.「夢の話」
3.「決断する時、背中を押してくれる歌と本」
4.紹介した本・音楽、おまけ

目次


0.まえがき


布団に入りながら、大好きな本を読む。
 
いちばん集中できるのは布団の中だ。
自分の心地を感じながら、安心に包まれる。
寝る前に、読みたい本をすぐ手に取れるように置いているので、枕元には常に大量の本の雪崩なだれができている。

栄養補給のように、落ち込んだ時何度も読み返す本。
昔の恋人の部屋で読んだ、何となく忘れられない本。
物語の中、見たことのない世界へ連れて行ってくれる本。
 
音楽も好きだ。
いろんなシチュエーションで聴いてきた、お気に入りの曲、アーティストが沢山いる。
 
眠い朝、テンションを上げるために聴く歌。
相変わらずうまくやれなくて凹んで、帰りの電車で聴いた歌。
悩んだ時、「本当はどうしたい?」と自分自身に問いかけながら聴く歌。

本と音楽はいつも側にいてくれた。
 
布団の中でも、ベッドの中でも、電車の中でも、リビングでも、友人や恋人の家でも、あるいは旅先でも。
このごくごく私的な文章を読んで、この本面白そう、この曲聴いてみようかな、と少しでも思ってもらえたなら幸いです。
 


1.「中学時代、気になるあのこ」

気になるあの娘の頭の中は
ふつう ふつう わりと普通

『気になるあの娘』相対性理論


中学時代、憧れに近い存在の友達がいた。
Aちゃん。いや、Aと呼んでいた。
 
勉強家だけど、音楽や遊びもよく知っていてお洒落でセンスがあって(よく可愛い文字で書かれた手紙や、自分でデザインしたという年賀状をくれた)、夏休みに家族で海外旅行に行ったりと垢抜けていて、そんな彼女と仲良いのが嬉しかったし、誇りだった。
 
私の学生時代はRADWIMPSが流行っていて、バンドだとRADWIMPSかBUMP OF CHICKENか。
私達はRADWIMPSに夢中になり、一緒に地元の図書館でCDを借りiPodに入れたりしてた。
音楽好きな彼女のお父さんのCD棚を覗いて、LOVE PSYCHEDELICOなど初めての音楽を教えてもらったり、相対性理論、サカナクションとか聴き漁ってた。
 
高校生になり、彼女と彼女のお母さんと三人で遊びに行った事がある。
エスニック料理のお店で食べたことがないようなご飯を頼んだこと、二階建てか三階建てのインテリアのお店で雑貨を見たこと。
ぼんやりと覚えている。
 
卒業してからもたまに連絡して時々会っていたが、二十歳近くに私の不義理で縁が切れてしまった。
 
 
もう一人、音楽が好きで、絵や創作が好きな友人がいた。
名前は、M。
美大に通っていて、独特の雰囲気があって、一人でいる事とギターがよく似合う人だった。
 
今も好きなフォークデュオ ハンバートハンバートは彼女が教えてくれたものだし、皆で集まるときにはギターを持ってきてぽろぽろと弾いてくれ、格好いい人だなと思っていた。
その人との別れも、たぶん私の不義理のせいだと思う。
 
 
二人共、どこかで元気にしているだろうか。
 
ずっと一緒にいられたら、あの時もっと他の方法があったんじゃないかと後悔することもあるけど、彼女達と過ごした時間はなくなる訳じゃない。
 
一緒に過ごした日々を時々思い出したりして、大事にそっと抱えながら、私たちはそれぞれの道を歩いていく。



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