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農園や地域の新たな価値の提供へ。この3ヶ月間は「間違いなく人生のターニングポイントになる」(6期生:村井さん)

「自分で事業をつくる」挑戦を始めた、北海道の高校生・大学生たち。
若者創業支援プログラム「mocteco」の集大成となるDemo Dayでは、若者たちの3ヶ月間の取り組みと、その先に見据えるビジョンを発表します。

2023年12月9日(土)に開催された『mocteco DemoDay 2023』において、「農家さんが仕事を誇りに持ち、消費者が農業をより身近に感じる世界を創る」ことに取り組んだ6期生、村井誠剛さんの発表をご紹介します。



moctecoでの3ヶ月間「間違いなく人生のターニングポイントになる」

私は現在、 北海道大学修士2年で、株式会社チェンブルの代表取締役と合同会社NTMの執行役員をしています。りんごジュースの販売事業や、海外から塩を輸入して販売する貿易事業をしています。

まずお伝えしたいことは、3ヶ月間、本当にありがとうございました。 メンターの皆様のみならず、同期である6期生のメンバー、KickOffやDemoDayに来ていただいた参加者の皆様のおかげで、 本当に充実した3ヶ月を過ごすことができました。自分の法人のこともそうですが、個人的にもいろいろあって、人生のターニング ポイントに間違いなくなるなという3ヶ月でした。本当にいい経験をさせていただいたと思っています。

合宿Day1st参加者でピザを食べに

お世話になった農家さんが次々に離農。チェンブルの活動を開始

私は岐阜県美濃市の農家の元に生まれました。おじいちゃんが作るお米が本当に美味しくて、「おじいちゃんみたいにお米を作れる農家になりたいんだ」という思いで弘前大学で農業を学んでいました。

コロナ前に祖父が離農し、コロナ禍では、水道・ガス・電気が止められるくらい貧乏になりました。その時に助けてくれた弘前のりんご農家さんで、私に住む場所や食べるものを提供してくださいました。しかし、 そのお世話になった弘前の農家さんも離農してしまいました。自分の礎を作ってくれたおじいちゃんや弘前の農家さんを助けることができなかったことに憤りを感じたことがきっかけとなり、チェンブルの活動を始めました。

海外で撮影したクライアントの方とのお写真

北海道大学大学院に進学した後、チェンブルの活動を本格的に事業化して、実際にりんごジュースや農産物・加工品を販売するようになり、先々週で1年経ちました。 今年からは海外進出でシンガポールに販売し、りんごジュースの販売総本数は約2万本となりました。現在はヒマラヤから岩塩を取り寄せて国内で流通させるという貿易事業もしています 。

moctecoのKickOffでは、中期の経営計画の作成と、具体的な事業の柱作りを行うことを念頭にmoctecoに参加しました。

mocteco合宿で「村井社長の会社で働きたくない」と言われ…

合宿Day1で講師に来ていただいた宮崎大学の土屋先生に、1億行くような経営計画をプレゼンしたのですが、土屋先生に「僕だったら村井社長の会社で働きたくない。 ちっちゃいっす」って言われて…

めっちゃむかつきました(笑)。

「この1年間、歯を食いしばって事業をやってきて次のステップも見えているのに、なんなんだ」と思ったのですが、ふと考えてみると、内心ちょっとそうだなと思っているところがありました。

合宿Day1stの村井さんと講師土屋さん。食事中も議論が進む

1年間、事業のPDCA 回すというよりはDoしかなく、考える間もなく事業をやってきてました。いつの日か、「自分が本気でやりたかったことを忘れてるんじゃないか?本当に自分がやりたかった事って何だったんだろう」ということをすごく考えるようになりました。 

そんな時に、一番最初に売り始めたりんごジュースがたまたま目に入ったとき、「やっぱり、りんごジュース好きだな。世界一のりんごジュースを作りたい。でも、ただりんごジュースを販売するだけの人ではいけない。自分ができる介在価値は何があるんだろうか」と考えるようになりました。

自分ができる介在価値は何か?農園や地域の新たな価値の提供を考える

そして考えたのが、『チェンブルエコシステム』というものになります。世界一のりんごジュースを目指したプライベート商品を開発していきますが、新たな価値を提供します。

農家さんや地域など、私たちが関係しているチェンブルコミュニティで作り上げたプライベートブランドの商品やサービスを、世界中の消費者に届けていきたいと考えてます。そこから世界中の消費者の人たちがその農園や地域に足を運んでいき、その地域がより盛り上がっていくようなサービスを作っていきたいと考えています。

合宿Day2ndの様子。moctecoコーディネーターたちと事業のブラッシュアップを行う

シンガポールにりんごジュースを2,000本くらい輸出していますが、その中でコアなユーザーが50人くらいいます。私は毎年10人だけでもいいから農園を訪れていただいて、五感を楽しんでジュースを飲んで頂きたいし、そのりんごを感じ取って欲しいと思っています。よりコアや熱狂的なファンが生まれて、新たなムーブメントが起きるんじゃないかと確信しています。

私は事業性と社会性をより両立化させ、地域全体で生み出す事業を創造して、地域の関係人口を増やしていくことで、地方農業がクローズアップされる機会をつくっていきたい。そして、実際に農業に就農できる人を増やしていきたいと考えるようになりました。

『チェンブルエコシステム』を実証するため、青森へ。

しかし、「これは本当に正しいのかな」と思い、実際に青森へ、海外の方と東京の方と一緒に行ってきました。自分のルーツを探す旅でもありました。

私のりんごジュースが好きだから一緒に同行したいと言ってくれた海外の友人は、この同行で本当にファンになってくれました。「また青森にいきたい。もう一回、あのりんご農園を見たいんだ」と言ってくれて、考えていたことはおおむね正しいんじゃないかと私の中で実証されています。次のフェーズはこの事業が一本立ちすることを考えています。

mocteco期間中、事業の実証と自分のルーツを探す旅へ。

私はこれまで、ビジョンを「チェンブルに関わる人を笑顔にする」と言ってきたのですが、違うなと思うようになりました。
私は農業のシフトチェンジャー、農業を変えられるような人になりたい。そのために、私は常識を変えるような事業を常に創造し続ける、これが自分のミッションだと考えるようになりました。

りんごジュースから始まった事業のこともそうですが、私自身、農業に育ててもらったというところがあります。農業に恩返しできるような存在になりたい。このエコシステムをしっかりと作れるように、もっともっと勉強していかないといけないなと考えています。

DemoDayに来ていただいた皆様の中で、りんご農園に一緒に行ってみたいという方がいらっしゃいましたら、この後、りんご農園の魅力をたっぷりお話しさせていただきたいと考えています。

いま食べて「美味しいな」と思うものが、未来でも食べられるような機会を作っていく

DemoDay当日の村井さんのプレゼンの様子

最後に、私が好きなルターの言葉で、「たとえ明日地球が滅びるとも、君は今日りんごの木を植える」という言葉があります。この言葉の本質は、次世代のために種を作り続けなきゃいけないということ。

私はおじいちゃんがお米農家を辞めてしまったし、私が大好きだったりんごももう食べられなくなってしまいましたが、少しでもそういったことを減らしていかなければならない。実際に今食べて美味しいなと思うものが、皆さんのお子さん、お孫さんでも食べられるような、そんな機会を作っていくのが僕の仕事だと思っています。

農家さんが仕事に誇りを持ち、消費者が農業をもっと身近に感じ、全ての人が笑顔になる 世界を目指していきたいと思っています。

氏名:村井誠剛
生年月日:1999年7月25日
大学学部:北海道大学農学院修士2年
自己紹介:
岐阜県出身でお米農家を営む祖父の元で育ちました。高校卒業後は青森県の弘前大学へ進学。卒業後に北海道大学農学院に進学し現在はニンニクの研究をしております。また、柔道を2歳からやっており、現在まで22年間やっております。現在は実業団に所属をしており現役選手として活動しております。

https://note.com/mocteco/n/n3d384e2861eb

moctecoコーディネーターからのコメント

3ヶ月間村井さんに伴走しサポートしたmoctecoコーディネーター佐々木さん

村井さんはとても律儀な人なので、今日のプレゼンは「確実に言えることを言うぞ」という感じだと思います。今日ここまでコーディネーターとして接してきて、村井さんが考えていることは深いし広いし、何せ行動力がめちゃくちゃあって、人をがんがん巻き込んでいけるような人です。ホラを吹くような感じのことは絶対に言わない性格。彼が考えている戦略や作戦は、既に走り始めていることも含めてかなりあることを僕は知っているので、次、皆さんが彼を見かけるときは、ニュースか何かで彼の成果を目にすることになるんじゃないかなと期待をしています。お疲れ様でした。(moctecoコーディネーター佐々木さん)


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▼ 詳しくはCAMPFIREコミュニティのページをご覧ください。https://community.camp-fire.jp/projects/view/430411

▼村井さんの取り組みについての記事はこちら

▼村井さんが参加したmocteco6期のKickOffレポートはこちら

▼村井さんが参加したmocteco6期のDemodayレポートはこちら

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