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オールジェンダー

胸を打つシーンと言葉があってそれについて

漫画
猪ノ谷言葉著「ランウェイで笑って」
vol.12

〈ざっくりしたあらすじ〉
このお話は都村育人がトップデザイナーに至るまでの物語、そして藤戸千雪がトップモデルに至るまでの物語。千雪はパリコレを目指しているけれど、身長158cmで高身長を求められるトップモデルにはパリコレは無理だろうとされていて、それでもいろんなステップを踏んで進もうとする。育人は服作りが好きなだけで本気でデザイナーを目指していなかったけれど、千雪に触発されて(共に触発し合って)デザイナーを目指し、千雪がパリコレで着る服は育人がデザインするんだとそれぞれの持ち場で且つ共に歩んでいく。

かつてファッションは
男性は男性らしく 女性は女性らしく
客観的に「らしい」服を着ることを強要されていた
現代は性差をなくすかつどうが活発で
男女の社会的境目が年々薄まっている
その結果 今 ファッション界の中心にいるのは“ユニセックス”
じゃあその先は?未来はどうなる?
そこに彼は踏み込んだ
性別の差の次は 国や人種 年齢や体型
またLGBT 全ての人間が好きに着たいものを着ることができる そんな時代
オールジェンダー

急に 急に胸がいっぱいになった
色んな人がいる 太った人もおばあさんだっている 柳田さんが生み出した新しい価値観が… 彼女たちをこの場所に呼んだ
それで俺は誰かが生み出した価値観の中でしか作れないから 面白みのない服しか作れない
ってことは 今ある価値観の中で服を作り続けたら みんな背の高いモデルを使うしかないんだ
なら 俺が新しい価値観で服を生み出し続けられるデザイナーになれば
世界の流行に影響を与えるようなデザイナーになれれば千雪さんがランウェイで受け入れられる時代にできるかもしれない

めちゃくちゃファッションに気にしているわけではないのだけれど、ファッションがどうっていうよりファッションを通してのこの漫画のこのシーンが印象的でした。

育人も千雪も、紆余曲折ありながらもメキメキと力をつけ、新しい扉を開けていくお話。
このシーンは上司でデザイナーとして先を行く柳田さんと育人のやり取りの中で、育人の価値観と概念の脱構築していくところ。
新しい世界を開拓していき、交わらないとされてきた文化や人がどっちがどっちに合わせるとかじゃなく同じ場で調和していく。

異なる文化、人は衝突しどちらかを排除したくなりがちだけど、オールジェンダーていいね。
そうかといって、トイレは分けてほしいし全部が全部賛成てわけでもないんだけれど、このシーンはカッコよかったなぁ。

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