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5/12 『赤面 一生懸命だからこそ恥ずかしかった20代のこと』を読んだ

くりぃむしちゅー上田晋也のエッセイ3冊目。1冊目2冊目と楽しく読んできたが、3冊目は表紙がちょっと嫌だったので刊行されてもしばらくは買わずにいた。しかしまあ、前2冊も読んでいることだしな、と渋々買って読んでみたら、書かれていることはオールナイトニッポンなどで話されていた往年の人気エピソードの数々で、あらためて本人の筆によって綴られたものを読むのは楽しかった。知ってるエピソードばかりで目新しさが薄いとも言えたが、しかしそれだけでもなく、最も紙幅を多く割いて書かれた芸人への第一歩を踏み出した話、付き人時代のエピソードなどは初めて目にするものだったので、新鮮な気持ちで読めた。それからまた、合コンに精を出していた話、恋愛遍歴の話など、確かにタイトルにそぐわぬ赤裸々ぶり。エピソードトークとして面白可笑しく加工されていなかったら、なんだこのチャラついた芸人の愚にもつかないコイバナ集はと思っていたかもしれない。というか、そう思われないための前2著作だったのでは? 40代、30代と時を遡るかたちで著書を重ねていったのは、芸人として成熟した現在という下味を存分につけた上でないと、この青春の記録を素面で著すことができなかったんじゃないだろうか。そのわりには、前述したとおり、お馴染みなエピソードが勢揃いしていたのだが。
しかし芸人人生の始まりまで遡ったとなると、定期刊行されてきたこのエッセイシリーズもこれで完結か。それとも10代のエピソード、済々黌高校編がガッツリ語られるのか。それはもうラジオでやれよだし、ラジオでやったよだな。

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