初めての人


当時、学校で流行っていたモ○ゲーという交流サイトがあり、アカウントを持っていた。



正直言って中学生時代の私は
会話能力、社会適応能力、同調力が欠損していた。

一見普通だが、知恵遅れみたいな子だった。



勉強もまったく入って来ず0点は当たり前
取っても○×問題の10点20点で、
友達や部活も輪に入れることはなかった。



そんな私にあったのは、想像の世界と



モ○ゲー。







モ○ゲーで知り合った1人の男の人と、毎日やり取りするようになった。




私のこんな生活の支えになった。



好きって言われるようになり、私も簡単に好きになっていた。


メールが来ないとずっとケータイをチェックした。


他に誰からも連絡の来ない私のケータイは
音が鳴れば大体その人だった。


何をしてても何処にいても、
その人がメールをくれるから生きていけた。



初めて逢うことになった。


植え込みに座って話していると、突然キスされた

まさかのディープキスだった

わたしはびっくりして後ろの植え込みに倒れた。


え、なんで、入れるの、舌


パニック気味に、聞いたっけな。



そして何日か経ち、その人と合うのも何度目かの日、
その人がしたいって言った。



私は本当に愛してるって位好きな人じゃないと
初めてはしないって心に決めていた


でももう、その人の事もう愛してたから

「大丈夫だ」、って思ってした。



まだ幼いし、気持ちいいとかはわからなかったけど
少女漫画で読んだ通りこれがカップルだと思うと、
そうなれたのが嬉しかった。


ある早朝6時くらい

知らない番号から電話が掛かってきた。



「サクちゃんって知ってる?」ー





女の人の声で

彼の名前だった


他人と話すのも通話するのも慣れていなくて、
「はい」が精一杯だった。


「サクちゃんは私の彼氏なんだけど
誰?」

「名前は? 何歳? 
どこの子?」


彼が20代だったから多分この人もそれくらいかな‥


理解の追いつかない頭で聞かれるがまま答えた。



その人はヒスデリックを起こして


「この家来たことある?!私が家賃払ってるの!借金もあるの!

もういいわ!あげる!!」


脳が追いつかない私

電話が彼に代わって、


「ごめん‥もう連絡できない
俺の番号とメルアド、
消しといて‥」

私は何事もなかったかのような明るい声で

「うん!分かった!はあい」

と言って電話を切った。


切ってからやっと意味が分かった。


そういえば彼の家の玄関に日傘があったな


ルームシェアしてるって言ってたから、
その人の彼女のかなって思ってたな‥


それからいっぱい泣いて

こんな毎日の心の支えがなくなり、

感情がなくなった。

楽しい、嬉しい、辛い、怒りがなくなって、

買い弁でよく買う大好きなメロンパンも
美味しくなくなった。




マンションを出ると、いつも迎えに来てくれてた場所に彼の匂いがして
探した


さっきまで居たのかと思った

でももうありえないと分かっていた。


彼の香水の匂い
忘れたくなかった


私を抱きしめてくれた香りだったから。



それからというもの
感情はすぐ戻った

というのも母のネグレクトで叩き起されるしかなかった

辛い、悲しい、苦しい、死にたい、ごめんなさい

だけが残った。


彼には一緒に住んでる人がいた、

私は知らずに彼を好きになって

愛したから初めてもして

何だったんだろう

彼を責める気持ちはなかった

ただ毎日消えなかった。



感情を取り戻したくて、興味本位程度に告白された相手と付き合ったけど、
手を繋いでも何も思わず好きにもなれなかったので2日で別れた。



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