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トルマリン

 いまから十年ほど前、夏休みを利用して、夫婦で山梨県を訪ねた
 石和温泉のとある旅館に一泊した。ソフトテニスの中学校の全国大会が、その近辺にて開催中ということもあり、満室であったのでもう一泊しようと思ったが、止めにした。
 その旅館には中学生のほかに台湾からきた旅行客もいて、老若男女多国籍状態であった。夜は中国雑技団のショーが、1階ロビーで30分ほどあり、賑やかだった。

 次の日はレンタカーを借り、石和甲府市内と昇仙峡を廻った。まず、妻が好きな宝石館へ。
 すぐ女性ガイドが我々にすぐピッタリと張り付き案内してくれる。これはなにかあるなと思ったら、最後にブレスレットやらを薦めてきた。体よくお断り申したが、途中見学しながら写真を撮ってくれたり、説明してくれたりとお世話になった。隣の館では、太鼓の演技があり、見学した。お腹にドスンと響き勇壮であった。
 宝石館を後にして、桃狩りと相成った。地方発送いたしますからといわれ、自宅ともう一箇所送ってもらった。玉が大きく、甘い。ただ、桃狩りは辞退してそこを後にした。

 宝石館で時間を費やしたため、昼をまわっていたが昇仙峡へと急いだ。駐車場に車を置き、食堂に入って山梨名物のほうとうを注文した。
 その頃から雲行きが思わしくなくなってきた。遠くでゴロゴロと雷が鳴り出し、雷雲が此方に向かってくる。そのお店から傘を借り谷間に向かった。
 滝まで30分ほど歩いた。往復雨には当らなかった。ところが、昇仙峡にも宝石を売っているお店があったのだ。早速、トルマリンのネックレスを二人分買ってしまった。肩の懲りにいいらしいとのこと。同じ事を石和の宝石館でも薦められていたので、二人とも頭の隅で『欲しいな』と思っていたのだろう。いまはそのネックレスがどこにいたのやら...…。
ここに商売のヒントがあるかもしれない。

 昇仙峡を出てから本格的に雨が降り出した。午後3時過ぎ、レンタカーを返し、石和温泉駅から車中の人となった。

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