弟を止めろ!

 庭にいる弟が何やら騒いでいる。気になってベッドから体を起こす。
「あんたをここに住まわせた覚えはないんだからね。」
猫でも入り込んだのだろうか。まぁよくあることなのだからいちいち騒ぐほどのことでもないだろう。くだらないなぁ。と再びベッドに横になる。
「いうことを聞かない悪い奴は死んでもらいます。」
ちょっと待て!!!!そこまでする必要はないだろうと急いで窓から顔を出して、「やめろーーー!」と叫んだ。しかし私の目の前の光景には猫はおろかそもそも動物がいなかった。では、弟は何をしていたのか。庭に作られた蜂の巣目掛けスプレーを噴射していたのだった。まぁよく考えればそんなことをするはずはないし、弟がそんな猟奇的思考を持ち合わせていないことは初めからわかっていたのだが万が一、億が一があり得る。弟にそんな非人道的行ないをさせるものかと、道を踏み外しそうならぶん殴ってでも正してやろうと肝に銘ずる私であった。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?