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「ANOTHER TIME」

 今、部屋に響き渡っている音楽はビル・エバンスの「ANOTHER TIME」というアルバムだ。テレビは詰まらなく暇を感じてきたので音楽に切り替えた。僕は、noteに向かいエッセイを書こうとしている。今日の出来事だろうか。
 天気の良い今日僕は、予定通りドライブに出掛けた。隣県の道の駅を目指してのドライブだったが、好天に恵まれたことは幸運で心地の良いドライブになった。ドライブの間中行き交う車たちは、どこかこの春の陽気に浮かれ楽しそうな気配を醸し出していた。道の駅に着くと家族づれやらカップルやらで賑わっていた。僕は、どこか気まずい雰囲気を覚え自販機で珈琲を買うとすぐさまその道の駅を出た。僕は、スマホをカーステレオに繋ぎお気に入りの音楽を掛けると気分を変えた。川沿いを走る。新緑が眩しい。車を暫く走らせるとおあつらえ向きの駐車スペースが河川敷に現れた。僕は、そこに車を止め暫く休憩した。外の木々では小鳥が鳴いている。言語を話してしるのだろうか。静かに耳を澄ましてみる。
 駐車したのは、20分くらいだろうか。そこからは帰り道だ。新緑が風に揺れるざわめきを感じながらドライブを楽しんだ。帰り道は来た時よりも行き交う車が多かったような気がする。風は心地良く吹いていた。
 家に帰ると僕はシャワーを浴びた。そして遅い昼寝をした。窓から入って来る風が冷たかったのを覚えている。少し乱れた部屋で、少し乱れた姿勢で眠った僕は、夕刻に起きた。
 ビル・エバンスの「ANOTHER TIME」は、まだ部屋に響き渡っている。僕は、このアルバムに耳を傾けながらこのエッセイを書いている。この時間を大切にしながら、キーボードを打つ手を止めたいと思う。

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