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夫が倒れた時の事(看護師さんの言葉と「キーパーソン」になった時の気持ち等)

夫が退院して1ヶ月ちょっと過ぎました。
入院生活3ヶ月。今も後遺症があります。

いろいろと出来ないことも増えました。でも、それなりに元気にやっています。

夫が倒れた時にいろいろ思ったことがあって、これは家族だから、妻だから言える事だと思うので、忘れないうちに書いておこうと思います。
家族やパートナーさんが急に入院になった、という人がもしいたら(そんなにいないことを願いますが)、「同じような人がいたんだ」と思ってもらえたらな、と思います。

尚、夫の病気については「別に秘密にしなくても良い」と本人から言われてはおりますが、何となくブログ等で言う気になれずにいます。
実際にお会いした人には言うこともありますが、私がSNS等で敢えて言うのもなぁ、と思うので、現段階では病名は伏せてお話させて頂きます。


夫が倒れた時の事

看護師さんの言葉に救われた

夫はすぐにICUに入ることになりました。日曜日の早朝で、当直の若いお医者さんが、いろいろ説明してくれました。
夫の意識はあったので、私はドキドキしながらも「意識あるし、大丈夫、大丈夫」と思ってICUの扉の前まで一緒に行きました。

扉を開ける前に、お医者さんが
「ICUに入るともう会えませんが、お話されますか」と仰ったんですね。

この「もう会えませんが」を、私は「今生の別れ」なのかと早とちりしまして
「夫、このまま死んじゃうの??」と内心パニックになり
でも、とりあえず「冷静に冷静に」と心の中で自分に言い聞かせながら夫を励ましたのですが、正直、何て言ったのか自分で覚えていません。

頭の中では
子ども達を無理矢理でも起こして連れて来れば良かったのかな(日曜日の早朝でまだ寝てた)
子ども達が夫とちゃんと話をしたり遊んだりしたのっていつだっけ??子ども達を呼んでくるまで待ってもらえるのかな
というような事を、一瞬でバーーーっと考えていました。

ちなみに、子ども達の事は義父母にお願いしました。二世帯住宅で暮らしていますので、早朝でもすぐに頼ることが出来て、今回本当に助かりました。子ども達の預け先を見つける、あるいは一緒に連れていく選択をしなければならなかったら、もしかしたら救急車を呼ぶのが遅くなってしまったかもしれません。
夫だけ先に救急車で行ってもらって、子ども達のことをどうにかして、後から病院に駆けつけることになった可能性もあったな、なんて今では思います。

話を元に戻しますと

ICUの扉が閉まった瞬間、ボロボロ涙が止まらなくて頭の中が真っ白でした。
看護師さんが「こちらヘどうぞ」と声をかけて下さって、そのまま入院の詳しい説明をされたんですが、半分以上理解していませんでした。

私が「すみませんすみません」と言いながら涙を拭いていると
「ビックリしましたよね。でもね、ICUにいる間は、私達がちゃんとご主人を看てますからね」と、その看護師さんが言ってくれたんですね。ここで初めて
「あれ??まだ、今すぐどうこうっていうアレじゃ無いのか??」
と気付いた次第です。
入院書類を書いていって、入院期間とか、これくらいの期間で一般病棟に移れるかもしれないとか、そういう話が出てきて
「ああ、あれは、ICUに居る間は会えませんが一般病棟に移れたら会えますよ、って事か」と、ちょっとずつ理解しました。

「もう会えませんが」とか、言ったらアカンよ。ホントに。ビビるから。
もちろん、油断できないからICUに入るんですけど。でも、あの時の看護師さん、ホントにありがとうございました。


「キーパーソン」になった

病院から、私が「キーパーソン」だと言われました。病院との連絡係みたいな感じです。

キーパーソン以外の人が病院に連絡すると、その対応に人員が割かれて患者のケアに支障が出る事があるので「他の家族や関係者からは病院に連絡をしないで下さい。連絡するのはキーパーソンだけにしてください」という説明を受けました。

とりあえず、近しい親戚やら関係者各位に状況を伝えて
「何かあったら私から連絡しますので、病院には連絡しないで下さい」と連絡。

そしたら、一人だけだったんですが
夫の様子が気になるとある人が、私に何度も連絡をしてくるようになったんですね。

コレか、と思いました。
こういう電話が病院にいっぱい来たら、それは病院のスタッフさん困るわ、と。

夫の様子は看護師さん経由で教えて貰ってましたが
ICUには入れないので、私自身が夫の様子を見てなくて、ホントに何にも分かんなくて。

そこに、何度事情を伝えても何度も連絡されるのが、ホントに堪えました。

1回だけなら良いよ。つい聞いちゃう、とか、あるかもしれないじゃん。でも、何度もは良くないと思うのよ。ホントにアカンよ。

キーパーソンさんの連絡を待って、
キーパーソンさんというか、患者を支える家族が抱えているものを、手伝える範囲で軽くする手伝いをしてあげて欲しいな、と思います。

私の場合はグチや弱音を聞いてもらって、とても気持ちが軽くなりました。
あとは、子ども達の習い事の送迎とか食事の事とかを、義父母や友達に頼る事が出来てホントに助かりました。

子ども達も洗濯物を干したり畳んだり、お皿を洗ったり等、家の事を手伝ってくれるようになって、凄く頼もしく思えました。

「ちょっとオシャレ」の大切さ

最初の10日間くらいは、泣いたり落ち込んだりしてたんですけど

結局、夫がどうなったとしても、
私は子ども達を大人になるまで育て上げねばならんのだ。
これだけは明確な、何が起こったとしても絶対変わらない私の役割なわけで。

心配は心配だし
いろいろ不安だけど

もう夫の事は病院に任せて「私は子ども達に集中する」と決めました。っていうか、洗濯物の回収以外、実際のところ何も出来ませんので。

でも、時々漠然とした不安が襲ってくるんですね。

そんな時、ちょっとお気に入りのアイテムとかに頼って気持ちを上げるのが、とっても大事だなと思いました。

私の場合はネイルを塗る事でした。
普段全然やらないのに、せっせとネイルを塗る生活を3ヶ月やってました。
今も時々やっています。名残で🤣

キレイな爪を見てると、一瞬でも楽しい気持ちになる。

あとは、私は着物が好きなので、着物の本とかインスタとかYouTubeを見てました。キレイな着物を見てると元気になるんですよね。

もしかしたら、辛い状況になった人がちょっとオシャレをしている姿を見て
「あんな状況なのにオシャレなんかする気持ちの余裕あるの?」と疑問に思う人もいるかもしれません。

でも、もしかしたら、その人は「オシャレして、沈みそうな気持ちを引っ張り上げる」という事をしているのかも。

私も、自分がそういう状況になるまでは分からなかったけど。

一番落ち込んでる時はネイルとかも出来なかったんだけど。
何とか自分を奮い立たせようと、一生懸命足掻いて藻掻いて、試行錯誤して、そのうちの1つがネイルでした。
ちょっとだけでも前向きになれる、秘密兵器。

ネイルした爪で畑に行ったりもしてたよ🤣
リップも塗ってたよ🤣
周り畑だけど🤣
誰も見てないけど🤣

オシャレ大事。
気持ちを上げる、大事な大事な魔法です。

あああー、まだ1年経ってないんだなぁー。
たぶん、私の人生の中で、トップ5に入るくらいバタバタした数カ月。
もう二度と嫌だけど、大きな学びがたくさんあった数カ月でした。

ホントに、もう二度とヤダ。

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