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大正の夢 秘密の銘仙ものがたり展@弥生美術館

見所をアート&着物素人の目線で紹介します。
お着物愛好家はもちろん、テキスタイル、レトロ文化が好きな方も楽しめる展覧会です。
気楽にどうぞ。


基本情報

展覧会:大正の夢 秘密の銘仙ものがたり展

タイトルに「大正」「銘仙」のパワーワードが並びます。これだけで集客力ありそう…。
ちなみに、銘仙とは…↓

会場の解説より

会場:弥生美術館

公式サイトはこちらから。

美術館は東大本郷キャンパスの真ん前に位置し、竹久夢二美術館と隣り合っています(というか同じ建物?)。

会期:2023年9月30日~12月24日

アクセス情報や開館日等の詳細は公式サイトにてご確認ください。

料金:¥1,000

現金払いのみの様です。キャッシュレス派の方、ご注意ください!竹久夢二美術館の展示も鑑賞できます。

客層は女性が大多数で、着物をお召しの方も二割弱いらっしゃいました(12月の日曜日、午後1時頃)。レトロ着物の方が多かった印象で、展示とともに目の保養でした!

見所

銘仙がたくさん!!

銘仙の歴史や各産地の工夫の様子、販売戦略などが解説されていました。着物素人には大変ありがたかったです。
個人的に面白いと感じたのが、銘仙が女学生の間で人気となった経緯。学習院が発端だったそうです。その他の解説もとても面白かったので、ご興味を持たれた方はぜひ会場に!

コーディネート

お着物単体や反物の展示も素敵でしたが、やはり目を引くのはトルソーを使った全身コーディネート。着物スタイリストの大野らふ氏が手掛けられたそうです。
素人目にも、半襟や帯、帯留めの組合せが可愛くて、ずっと眺めていたかったです。バックや日傘、草履なども添えてあり、物語から飛び出てきたような錯覚を覚えました。
ちょっとだけご紹介します。

女学生スタイル
夏休みの旅行
ポップでかわいい

お着物単体の展示も見応えありました。

モチーフは孔雀だそう
カンディンスキー風
金魚好きにはたまらない!

着物の魅力を再発見

今回展示されている銘仙は当時ものもだそうです。百年近く前のものが残っていると思うと感慨深いです。
コーディネートは遊び心をふんだんに取り入れた、ポップでレトロかわいい印象を受けたのですが、百年近く前の女性たちも同じように工夫を凝らし、毎日装っていたのかな…と思いました。
素人考えですが、ある程度縛りがある中でいかに遊ぶか、工夫するか、というのは日本人の得意分野のように思います。
着物は基本的に同じ形。織りや染め、柄の流行りの変遷を見ると、銘仙の発展には日本人の得意とするものが十分に発揮されている気がしました。

番外編:朝ドラ『ブギウギ』関連展示も

お隣の竹久夢二美術館では、レコードにまつわる展覧会が開催中でした。

すぐ隣の建物です

明治からのレコードが並ぶ中、燦然と輝くのが朝ドラ関連で括ったと思われる一角。

朝ドラコーナー
ドラマでは羽鳥善一さんと福来スズ子さん
東京ブギウギ
劇中出てきた曲

朝ドラ視聴者には面白い展示だと思います!

まとめ

レトロかわいい着物に囲まれ、うっかり着付けを習いたくなりました。同時に着物は『沼』で、うかつに足を踏み入れると大変な目に合いそう、とも認識できた展覧会です。
着付け云々はともかく、素敵な銘仙がたくさん観られて目の保養になりました。

あと、百貨店とのタイアップに関する解説を読んで思い出したのが、明治末期の百貨店を舞台にした漫画『日に流れて橋に行く』。着物を売るために全身コーディネートを考えるエピソードがあって、漫画の作者さんは銘仙と百貨店のエピソードも参考にされたのかな、と思ったりしました。
連載中ですが、読んでてポジティブになれるお仕事漫画(?)なので、ご興味ある方はぜひ!

ここまでお読みくださり、ありがとうございました。


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