前田優光

公務員を途中にて辞し画家の道へ。仙台を起点とし各地で個展活動現在65回目。ほか新聞、雑…

前田優光

公務員を途中にて辞し画家の道へ。仙台を起点とし各地で個展活動現在65回目。ほか新聞、雑誌連載歴有り。絵本出版。絵と並行し今まで出会った方々か学んだ大事な教えを「伝える」というかたちでトーク等もしている。残された時間少しでも誰かのために役に立ちたい。72歳から独学でピアノを。

最近の記事

エッセイ ④せむし男

         寺院の前で醜い赤ん坊が拾われた。その男は成長しその寺院の鐘つきとなる。  ビクトル・ユーゴの小説「ノートル・ダムのせむし男」の物語である。そのノートル・ダム大聖堂が大火災を起こし、その映像が世界中に映し出された。完成まで180年ほどかかったユネスコ世界文化遺産。大きなショックを受けた。  寺院には3回訪ねている。最初は1984年。職場に絵の好きな先輩がいて、記念に絵を描きなさいと言われた。私が勤めていた職場は、その頃とてもサークル活動が盛んで、絵画の全国展

    • エッセイ ③ポンくんとクリスマス

       この絵は大手石油会社のカレンダーで使ったものだ。カレンダーは生き物で、旬が過ぎてしまえば捨てられてしまう運命となる。20万部発行されたと聞くが、国内で目にしてくれた人を探すとすれば砂漠でコインを拾うようなものである。  であれば、読者の皆様に観ていただきたく、埃りを払いのけ原画を引っ張り出した。「創作童話」として世に生まれたもので、絵の裏には当然物語が書き添えられている。  ざっとこんな内容。「クリスマスが近いというのに、サンタは年老いてしまい、どこにも行けなくなったと打ち

      • エッセイ ②プラハの春

         プラハの街に惹かれたのは、春江一也著『プラハの春』を読んでからだ。第二次世界大戦を舞台にし、日本人とドイツ人が恋に落ちる物語である。  背景は戦争という暗雲が立ち込めているが、私はそれを飛び越えプラハは恋人同士が似合うロマンチックな街として憧れた。そこを初めて訪れたのが20年前。  プラハ城から広がるパノラマは息を飲む。街を貫くのはスメタナで有名なヴォルダ川。見渡す限りの街は、赤みがかったレンガ色に統一され、旅人の目をうっとりとさせる。  プラハ城を抜けると18体の像が橋の

        • エッセイ ①まずは仲間入り

          ごあいさつ。ーはじめましてー ここまでに来るのに、入り口で戸惑いなかなか入れなかった。 これで安心、繋がった。 ほかに仕事柄ほとんどのSNSを開設してるが、noteではじっくり自分を見つめ直すツールとして活用させて頂きたく思ってる。 取材で訪れた国々、個展で出会えた多くの方々、また日常での出来事を面白おかしくエッセイに書いていければいいなと考えている。 初エッセイのアップはいつになるか分からないが、これから長い目でお付き合いくだされば嬉しく思う。

        エッセイ ④せむし男