sideミヤ 一話 ヒガンバナ

キャラデザが決まってから書こうと思ったのですが、なかなか決まらないのとイラストにすることが難しいので先に文章の方から書こうと思います。
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人が死んだ。
なんだろうこの違和感は。
数人椅子から立ち上がって静かに動き回る。
「……とりあえず言われた通り自己紹介だけでもしますか?」
メガネをかけたスーツ姿の男性が言った。
誰も肯定も否定もしない。
「では私からしましょうか。スエです。高校教師をしています。年は今年で30になります。こんな感じですかね」
「じ、じゃあ、わたしも。わたしはマナです。高三で、演劇部に入ってます。スエ先生が顧問で、えっと、それで、知り合いです……?」
スエさんに隠れるように半身だけ出している。
「確かに少なくとも名前と職業くらいは言っておいた方がいいかもね。おれはアキです。一応配信者です。なんか自分で言ったら気恥ずかしいね。あと、」
「私も配信してます。アミです。アキくんとよくコラボしてるよ」
二人は座って割と落ち着いている。
これは私たちも言っておいた方がいいかもしれない。
(キク、私たちも早めに言っとく?)
(そうだね、後になって疑われるのも嫌だし)
「僕はシキ。普段は営業の仕事をしてます。よろしく。せっかくの有給だったんだけどね、迷惑だよねほんと」
白髪の男性に先を越された。
「シキさん、火をつけてないとはいえ、タバコを咥えるのはよろしくないですよ。未成年もいるんですから」
「あ、これね、ココシガ」
「ああ、お菓子でしたか。すみません。勘違いしてしまって」
「いいよ。先生だし気になるのは当たり前だよね。紛らわしかったね。食べる?」
「いえ、大丈夫です」
スエさんとシキさんの会話が終わったところを見計らってキクが話し始めてくれた。
「あ、次私たちいいですか。私はキクです。高一です」
「ミヤです。キクと同じ高校に通ってます。高一です」
「僕もいいかな。スミです。24歳でフリーター。いろんなとこでバイトしてます」
「もうその調子でこう順番に自己紹介したら?後になるほどやりにくくなる人もいるだろうし、順番決めちゃお」
シキさんが私たちとその近くにいるスミさんをなぞるように指差してそのままの流れでまだ自己紹介してない人たちに指を向けた。
「えっと、じゃあ私ですかね。私はメイです。見ての通りメイドです。歳は27です」
「メイドのメイさん、覚えやすいね。じゃあ次、小学生?かな。名前と学年言える?学校は言わなくていいよ」
シキさんがその子の前に行ってしゃがんで聞いた。
「ぼく、ぁの、ぇ、う」
「怖いんじゃないですか?シキさん」
「え、怖い?」
その子は泣きながら頷いた。
「んー、じゃあこの中で怖くない人のとこ行ってその人に名前教えてくれる?」
涙を拭いながら隣にいた、子に話しかけた。
「ソラくん、五年生だそうです」
「そっか、ソラくんよく頑張ったね。飴玉食べる?」
ポケットから出した飴を手の上に並べる。多分種類があるんだろう。ソラくんはそのうちの一つを取って食べた。
「えと、わたしはカコ、です。14歳?です。多分」
「なんで多分なの?」
「わたし、12歳の時に事故に遭って、それからずっと寝てて、二年経ってるって、さっきのあの人に聞いて」
「なるほどね」
シキさんは意外と子供に優しそうだな。ただチャラいだけだと思ってたけど。
「君たちは姉弟かな?似てるね」
「手出したらあんたに犠牲になってもらうからね」
「わぁ、一言目から辛辣だね。僕は子供に手を出すような趣味はないよ?」
「そう言って騙すショタコンなんてどこにでもいるのよ。そもそも胡散臭いし、オッサンがお菓子持ち歩いて、子供に配るなんて不審者そのものじゃない」
「……今、ちょっと、笑顔保つのが限界だよ。かなりキツいこと言うね。あと僕まだ20代」
「ごめんなさい、シキさん。お姉ちゃんちょっと壊れてる重度のブラコンなんです」
「だろうね」
「ぼくはユウです。中学三年生です。お姉ちゃんは高校三年生で、ルコって言います」
「うん。ありがとう。ちょっと、距離置いとこうか。とても殺気を感じて怖いんだけど」
「あ、その方がいいと思います。お姉ちゃん自分より年上の人とか力が強そうな人は手当たり次第に殺気を放つんで」
「うん。じゃあ次、君たちも兄弟かな?そっくりだね双子?」
「そうだけど。俺がアカ。こっちがアオ。チョーカーの色で見分けはつくと思うよ」
「確かに。普段からつけてるの?あ、あと年は?」
「17」
「……なんか、僕すごい嫌われてる?」
「大丈夫ですよ。ちょっと怪しいだけでちゃんと優しいじゃないですか」
「そうですよ。見た目は関係ないですよ」
「ありがとう。スエさんマナちゃん。(フォローになってない気がするけど)じゃあ、ラスト二人だね」
「僕たちは作家をしてるよ。僕はユラ。こっちはアサ。あまり人と話そうとしないのと、言葉が通じない時があるから、アサになにか話がある時は僕を呼んでね」
「これで、全員終わったかな」
「あれ、さっきの、トキさんだっけ、どこ行ったの?」
アキさんの声にさっきトキさんが座っていた椅子に全員が目を向けた。そこには誰も座っていなかった。
『トキの遺体は回収したよー』
タブレットが喋る。
「さっきの」
『全員自己紹介は終わったみたいだね。仲良くできたようでなによりなにより』
「僕は一部に嫌われたけどね」
『仕方ないじゃん。見た目が胡散臭いチャラ男だもん』
「なに、集団いじめ?」
『まあまあ、それじゃ、僕も自己紹介しようかな。うーん、名前はね、あ、前回の参加者がくれたいい名前があるんだよね。えっと、……出た?紫怨。よければしーちゃんって呼んでね』
タブレットに紫怨の漢字が表示される。
「紫怨ね。おけ、分かった」
「紫怨さん。トキさんの遺体運んだって、ここに来てないですよね?」
『ああ、うん。僕に物理法則は効かないって思ってた方がいいよ。あとなんかこれからやるゲーム用の端末がバグっちゃったから少しそこで待ってね。ま、出ようとしても出れないけど』
「そんなことも準備しないでよくやろうとできたね。共犯者とかいないの?」
『こっちは僕一人で回してんの。ミスくらい幾つもあるから。全く君たちほんとに危機感ゼロだねー。見ず知らずとはいえ人が目の前で死んだってのに。仕方ないけど、さ。現状に気づいた時が、楽しみだねー。誰が夜明けになるかな。これは初めての挑戦だから。おっとまた喋りすぎちゃった。じゃね』
タブレットの画面は黒くなった。
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一話はシキが傷つくだけ傷ついた自己紹介でした。(言いたかっただけ)書いてませんがスエ、マナ、カコ、ソラ以外割と心の中でdisってます(一部無自覚)。あんまり喋ってませんがsideミヤはミヤ視点で進みます。一箇所だけ分岐があるのでsideミヤでは2ルートのみになる予定です。
○本文中の()は小声です
○ココシガはココアシガレットのことです。そのまま使うのは良くないのか?と思って略しました。前からどこかで書いてみたかったネタ
気づけばアのつく名前がいっぱい。まあいっかでそのまま進めました。本名はまたいずれ。最終話までにキャラデザとともにプロフィールとかも出したいですね。
※今後話が進んで進行の都合が悪くなったらもしかしたら書き直しに来ることもあるかもしれません。

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