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個人の「やりたい」を実現するため、ヘルススコア仮説検証を「Will」「Can」「Must」で整理したお話し

はじめに

先月、弊社のヘルススコア担当PdMが「創りたいものを創るではない!カウンターパートと協働する開発」でヘルススコア(health score)の浸透PJTについてのnoteを公開しましたが、私もデータを使った仮説検証の一部に関わっています。データアナリストでもデータサイエンティストでもないRevOpsであるCRM構築プロジェクトメンバーがデータグループと協働している目的について書きたいと思います。

ヘルススコアのおさらい

「ヘルススコア(health score)とは、「顧客が自社のプロダクト利用を継続するかどうかを測る指標」のことで、主にカスタマーサクセスが運用する指標です。
分かりやすいものですと降水確率をイメージしていただけるとよいと思います。ヘルススコアが高ければ降水確率が低いので、晴れ。継続が見込めると判断されます。反対に降水確率が高い顧客は、雨で解約(チャーン)の確率が高いと考えられます。雨の場合は傘を持っていくなど、適切な対応が必要となります。
適切に対応していればヘルススコアは上昇するため、お客様の利活用が上手く進んでいるのか、あるいは問題があるかをデータ上で判断することができます。

創りたいものを創るではない!カウンターパートと協働する開発』より引用
創りたいものを創るではない!カウンターパートと協働する開発』より引用

仮説検証とは

ヘルススコアは一度作ったものを運用しているだけではなく、継続的に複数の指標を測定しながら「顧客ニーズ」「商品サービス」「CSオペレーション」等の変化にあわせて常に新しい指標の可能性を検証しています。
弊社ではデータグループというデータサイエンティストやデータアナリストが所属する部署がヘルススコアの仮説データ検証やリニューアルを行っています。

RevOpsが仮説検証をする狙い

1.データを使った意思決定を推進する人材育成

CRM戦略においても、顧客のターゲティングや商談分析を行うためにロジックツリーで原因分析をしたり収集したデータから様々な指標を測定した結果で意思決定をしていくことが必要になります。
マーケター、営業、コンサルなどの各専門家の経験から導き出された予測や意思決定も勿論大切ですが、経験から判断していることをデータを使って裏付ける、または組織横断や組織が大きくなることで見えていない確度から可能性を追求するなどデータを使った意思決定を推進することがRevOpsの大事な役割になります。
ヘルススコアに限らず、ビジネス側に近い私達がこの役割を取りにいくことを目指しています。
データグループの中でも登竜門としての位置づけであるヘルススコアの仮説検証が出来る人材を育成することで推進者であるRevOpsがデータを扱う力をつけていくことを目指しています。

2.入り口からのデータ整備

検証を行うために、ときに新たにデータを登録することが必要になります。ただし、新規データ収集には落とし穴が存在します。例えば、ヘルススコアの算出には、そもそも正しいデータが登録されていなければデータ成形、整備に時間がかかります。正しいデータがとれていないことで検証データに利用できる母集団が少なくなったり、検証精度が下がるといったことを引き起こします。
つまり、新しいデータを収集する場合は、バリデーション(収集方法の確からしさを調査すること)を仕組み化することが重要になります。
一方で、出口である検証を踏まえたデータ収集が行える仕組みになっていても、データの入力率が上がらなくては意味がありません。入力率の向上を狙って、仕組み化やモニタリングを行うことも必要になります。
RevOpsは、実際に仕組み化やモニタリングなどを運用する立場です。バリデーションと入力率、この2つを両立させたCRMを構築をすることが出来るため、主体性や柔軟性を持て開発から運用までの最適化や役割分担も明確に行うことが出来るようになりました。

3.ヘルススコアの体制強化

ヘルススコア算出(CSMが見る数字の計算など)自体の工数削減化は一度実施すれば効果が効果が継続します。しかし、検証は一定の投資工数を定期的、もしくは課題が出た時期にショット的に費やすことで効果が上がりやすくなります。検証を行えるスキル人材が多ければ、必要なタイミングで必要な投資を行うことが出来、効率的です。部署を区切らず、PJT型で遂行できる体制を構築できました。

3つの輪「Will」「Can」「Must」で実現する

RevOpsがデータを使った仮説検証を行うことは、組織からトップダウンで指示されたものではなく個人の「やりたい」から始まった役割になります。
「Will:やりたいこと」を叶えることで高いモチベーションで働くことが出来ますが、組織人としてやりたいことを実現するためには個人と組織を接続して考えることも必要です。そこで「Will:やりたいこと」「Can:出来ること」「Must:やるべきこと」を組織視点で整理しました。
(「キャリアデザインとは?設計の重要性や方法を分かりやすく解説」で「Will」「Can」「Must」について詳しく説明しています)

 Will:データを使った意思決定を推進する人材育成
 Can:入り口からのデータ整備
 Must:ヘルススコアの体制強化

「Will」「Can」「Must」から3つの輪の重なりを作り、個人と組織がWin-Winの関係を作ることでプランを設計して提示しやすくなります。

具体的には次のようなステップに落とします。
STEP1:やるべきことの”意味づけ”を行う
    ▶ヘルススコアの体制強化
STEP2:実現に向けた取り組みと組織の課題を接続する
    ▶入り口からのデータ整備
STEP2:やりたいことの実現に接続する
    ▶データを使った意思決定を推進する人材育成

最後に

この取り組みもまだまだ始まったばかりで、当初の狙いにはまだまだ近づいていないどころか初めの一歩を踏み出した段階ですが、個人のWillを組織と接続して実現した仕事には、期待に応えていくワクワク感や楽しさがあります。
例え組織からトップダウンで指示された仕事でも、組織から個人のWillを接続していくことで見方が変わり新しい発見が出来ると思います。
個人と組織にとって魅力ある取り組みになるように「Will」「Can」「Must」で整理して対話していくのはいかがでしょうか。


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