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城跡から、見る景色(エッセイ)

今はもう大丈夫だが、私は腰を痛めていた。

そんな痛めた腰を少しでも早く治そうと、腰痛には歩くのが良いとテレビで聞いていた私は、車で1時間ほどかかる城跡へと向かった。

もっと近場でも良かったが、どうせ歩くならと、新しい場所へと向かったのだ。

けれど、初めて訪れた場所の城跡は、私が思っていた以上にハード。

まず初めに、段差が大きい階段が駐車場から待ち構えている。
段数は少ないものの、地味にくるタイプの階段。

ここですぐに息が切れた。

けれど、まだまだ始まったばかり。

腰の痛みと付き合いながら歩を進めていく。

途中、物見櫓があったとされる場所に着き、鉄筋の階段で登れるようになっていて、高いその場所からは、遠い景色が良く見える。

私は鉄筋には登らなかったけれど、鉄筋の下からでも充分わかる程そこは、とても見晴らしが良かった。

見渡せば広く広く広がる町や道路が見え、空と地を比べたら、空の方が近いとさえ感じる高さにある。

そんな城跡。

私の住んでいる県の何箇所かに城跡はあり、訪れた事はあったが、山が近い地域に行けば行くほど見晴らしが良く、とっても壮大で壮観だ。

そして、そんな遠く透き通るような景色を見ながら、私は密かに思う。


『この景色を、この城にいた人達は、同じ様に見ていたのだろうか』

その当時と比べれば何もかも変わっているに違いないけれど、空の色は変わってないだろうと思うし、見ている高さは同じはず。

そんな時代を超え、景色を超えて、この景色を見た時に思う気持ちは同じであったら良いなと思う。

といっても、敵が攻めてくるかいなかを見ていた時が殆どだったと思うが…。

それでも城跡を通して、その城があった当時の人が見ていた高さからの景色を、今の自分が同じ高さから見つめているのかと思うと、何だか心が弾んだ。

結局、疲れて疲労困憊になっただけで、腰痛はあんまり良くならなかったけれど、城跡の高さから見る景色は、とても素敵で壮観だった。 

◈◈◈
もし、お住みの所に高い場所にある城跡がありましたら、一度そこから見える景色を見て頂けたらなと思っています。

きっと、大きくて…高くて…、言葉に出来ない様な感覚になれるかな〜と思います。
(あくまで、私見ですが💦)


ここまで読んで下さりありがとうございました。


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